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2010年代のエルフたち(二〇一一年 二十四歳 トシとイチ)

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2020年7月の記事一覧

12.パスタ。と、水。と、会話。

 トシはジェノベーゼを、イチはあさりとしそのパスタを頼んだ。 「いい感じじゃないですか。…

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4年前

11.放浪される

 結局、イチはアルバイトに行かなかった。 バイト仲間に連絡し、代役を確保した上で、職場に…

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4年前

10.いつか

 トシとイチはふり返り、坂道のほうへと歩き出した。 「無償でいい音楽を届けてくれる素敵な…

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4年前
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9.レイドバック

 井の頭公園のボートの規定時間は一時間。 それだけあれば、奥の小さな橋から乗り場の横の大…

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4年前

8.ライフ・アフター・カタストロフィ

 トシとイチがサークルで出会った二〇〇七年、トシが十九歳、イチが十八歳だったとき、二人は…

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6.穏やかなケモノたち

「ぼくらが何かを生み出すってこと、ありますかね」 イチが口を切った。 その言葉はトシに対す…

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4年前

5.アドーン

 実際、池の上は居心地がよかった。 休日にはたくさんのボートが散らばり、周囲に終始気を配りながら乗らなければならないほど混雑する井の頭池だが、平日ともなれば、ほどよく寂しくない程度に閑散としている。  船着場を離れ、まずはトシがオールを取った。 オールが水を押しやる深い重み。 オールが動くと共に少しずつ手ごたえが軽くなりながら、オールを抜いた後にも慣性と共に舳先のほうへと進むボート。 二の腕の力み、手に響く重さと、ボートの加速、失速。 物理という法にもとづいて、物事が正しく

4.明鏡止水、ふたり

 トシが大学二年目のとき、所属していたサークルに、イチが新入生として入部してきた。 それ…

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4年前
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3.七井橋通り

 公園へと下る道は、南口の目抜き通り。 古着屋やこじんまりしたレストランが並ぶ道は、平日…

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4年前

2.吉祥寺

 トシとイチがお互いに抱く親近感は、一つのものに対する感情を共有できるということに由来し…

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1.コーリング

 トシはキャンパスへ行くのが非常に下手な学生だった。 しかし、苦手ながらもどうにか遅々と…

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