スタートアップ組織における性善説と性悪説のバランスの取り方

表題の件について、自分なりに解釈が定まってきたので記録しておく

性善説・性悪説のメリットとデメリット

性悪説のメリットはリスクの最小化。デメリットは、管理された範囲を超えない消極的な成果になることと管理コストが増える事。
そしてスタートアップにおいては不確実性が高い領域を扱うことが多いことから管理指標はアウトカムを保証せず、低い成果が続いた結果全体として破綻する。逆に言えば不確実性が低いビジネスモデルは性悪説の方が相性が良いと言える。

一方で、性善説のメリットは当事者による一次情報に向き合った質の高い意思決定と管理コストの低さ、デメリットはリソースが拡散する事と想定出来たリスクが見過ごされること。
スタートアップはリソースが泣きたくなるくらい有限であるため、無駄に使われることは避けなければならない。それでいながら決まっていない事や本来担当じゃないこともやらなくてはならないなかでコアなところで違いを生み出さなくてはならない現実がある。

性善説がスタートアップのトレンドであるのは戦う舞台における戦略として正しい一方で、ただの放任になってしまって、いつの間にか尻に火がつき、性悪説に振り切るパターンもあるだろう。

僕の属するLAPRASでは性善説でいながらリスクも真摯に向き合っていて、良いバランスだと思っている。

これを言語化する。

性善説を機能させるポイント

性善説のリスクは、『リソース拡散』と『想定出来たはずのリスクを被ること』だと先に述べた

であればメリットを維持しながら、デメリットを潰せば、性善説の良さを享受出来ることになる。

アライメント

もしくはアラインメント(alignment)、方向を揃えること。

Mission, Vision, Value, OKR, Strategy などはアライメントのために存在する。
同様にリソースにおけるポリシーもアライメントに効果的である。

『この事業の売上に寄与する範囲において』や『顧客満足に繋がる範囲において』など方向性を明示することは、制限よりも安心感と自由を与える。
この公園の中だったら好きに遊んで良いと言われた子供は面白い遊びを開発しながら、持て余すエネルギーを全力で発揮できる。(しかも、車に轢かれる心配もしなくて良い。)

最悪を想定する

リスクを認識することと、保守的であることは分けて考えるべきである。

保守的であることはスタートアップにとって死を意味するが、リスクはある程度想定できる。
つまりリスクを想定しながら、リスクを恐れず支援することは矛盾しない。

ただ、これはハードルが高い。

だって賢い人が考えたら理論的にはリスクは正しいから正論だとやらない方がいいという結論になる。だがそれは何度も言うが資源に限りあるスタートアップでは死を意味する。時間(とお金)は流れて、解決すべき現実は実際にそこにあるからだ。

犯罪や自分たちの理想を曲げる選択はとっては絶対に駄目。でも、とるべきリスクを『想定して』取る事は結果としてリスクを最小化する。

余談だが、コミケスタッフは常に最悪を想定しながら現場判断を尊重する。カオスなイベントでは計画は裏切られるし、最悪な事態を回避すれば至上命題である表現の場の存続が出来るから。余談過ぎる。

まとめ

LAPRASの組織は、素敵なメンバーによって自律的にアライメントが与えられ、リスクを認識しながらリスクを取ってきたと思っている。

でもこれは綱渡りのようなもので、落ちかねないし、落ちたら中々戻りづらいものである。

だからHRとしては平均台くらいにはしたいし、今のチームなら出来るなぁと確信している。

僕としては日本に良いチームがひとつでも増えれば嬉しいので、せっかくだしnoteに残す。
ほんの少しでも誰がの役に立てば嬉しい。

以上

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