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昭和歌謡〜その奥深い世界

昭和の歌謡曲には
奥深いストーリーを感じさせる
ものが多かったですね。

話せばいくら時間があっても
足りないのですが
パッと頭に浮かんだものだけ
歌詞の一部をご紹介しましょう。

まずはご存知
ちあきなおみの

『喝采』

ドラマチックすぎます。
2時間ドラマが1本書けそう。

 〽いつものように幕が開き
  恋の歌うたうわたしに
  届いた報せは
  黒いふちどりがありましたー

憎い言い回しですね。
故郷を捨て、3年前に別れた人は
どうやら亡くなったみたいです。

ディック・ミネ

『人生の並木路』

こちらは老婆の親世代の一曲。
懐メロ番組でよく聴いていました。

 〽️泣くないもとよ(妹よ)
  いもとよ(妹よ)泣くな
  泣けば幼いふたりして
  故郷を捨てた甲斐が無い

一体何があったのか
幼くして故郷を捨てた事情とは?
よくよくのことでしょうね。

奥村チヨの

『終着駅』

切なげな歌唱と相まって

 〽️落ち葉の舞い散る停車場は
  よく似た女の吹きだまり
  (中略)
  そして
  今日もひとり
  明日もひとり
  過去から逃げてくる

未知なる大人の世界。
この一節に
子ども心にも訳ありな感じがして
脳天を殴られたような
衝撃を受けました。

極めつきは
北原ミレイの

『石狩挽歌』

歌詞の凄味。
まさに、まさに
なかにし礼の世界。
加えて突き放したような
ドスの効いた
北原ミレイの声が
迫力を弥増します。
情景を歌っているだけなのに
寂れてしまった漁港
北の大地の過酷さが
ひしひしと伝わってきます。

想像力を限りなく掻き立てる
昭和歌謡

日本文化遺産

登録決定です。