見出し画像

新学期

今日から新学期が始まった。
曇りがちの空模様で、幾分涼しかったので、朝散歩をすることにした。

中学生の通学路なので、
中学生が遊歩道を隙間なしに歩いている。

なかなか威圧感がある。
制服だけど、鞄だけは自由らしく、それでも色の指定はあるのか、9割以上は黒で、あとは紺系。

鞄で精一杯のオシャレを楽しんでいるのがわかる。

adidasが一番多く、
次いでTHE NORTH FACE、
あとはROXYとか
その他知らないブランド。

女の子はイーストボーイもチラホラ。

うちの娘も学校指定の鞄のほかにイーストボーイのショルダーバッグを愛用していたな。
20年前の話。

中学生の流れに逆らって、ひとりの小学生が学校に向かっていた。

ランドセルには黄色いカバー。
一年生である。

青系のランドセルに布のバッグ、首から水筒をぶら下げている。

その男の子は、いっときも黙っていない。

ハアハアと大袈裟な息遣いをしながら、
 あ〜暑い!
 疲れた!
 重いよ、重すぎる!

ひとりで喋り続ける。

 今日から学校?

 はい。
 今日からです。

 重いね。
 今日は持って行くものが多いか 
 ら、特別重いよね。
 頑張ってね。

思わず声を掛けた。

夏休みで体がなまっているのかな。

こっちも楽しくなって、励ましながら一緒に歩いた。

学校の少し手前で、
オレンジのロングスカートも目に鮮やかなお母さんが自転車に乗って颯爽と現れた。

前には、2歳ぐらいの子が乗っている。

 頑張れ頑張れ
 荷物が重いのはみんな同じだよ。
 明日からもっと重くなるんだよ。

優しげなお母さん。

そうだね、明日から勉強が始まると教科書が重いよね。(心の声)

そうこうするうちに8:25の予鈴が鳴った。

 ああ、もう遅刻だ。。。

 諦めるのは早いよ。
 何階なの?

 2階です。

 ちょっと急ごう!

お母さんと一緒に声援を送る。


校門前の横断歩道に立っている校長先生を見つけて、気安く手を振っている。

校門のところでお母さんが確認する。

 学校終わったら、
 そのまま〇〇キッズだからね!

学校終わったら、そのまま学童へ行くらしい。

新学期初日。
一年生の長い一日が始まる。