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灼熱カバディのプレイって実現可能なの?~プロカバディリーグ・プレイ動画5選~

こんにちは、人類の皆さん。灼熱カバディは読みましたか?
スポーツ漫画の傑作です。

未読の方はたぶん、
カバディってなんだよ?と思うかなと推測します。
大丈夫、それが第1話のタイトルです。
(読んだことのある方の9割くらいも、「カバディってなんだよ」と思って読み始めたんじゃないでしょうか?)

競技のことを知らなくても、
読み進めるうちに負担なくカバディのルールや面白さが分かるようになるのがこの漫画のすごいところです。
また、スポ根ものの”スポ根要素”に納得がいかない人ほど、ぜひ読んでほしい漫画です。(現実とかけ離れたスーパースキルの登場・特訓を経た異次元のレベルアップ・唐突な覚醒・仲間のために!精神etc.)

読んでいない方は下記リンクから無料で読むことができます。
(2024年7月末まで全話無料)

↑裏サンデー(ブラウザ向け)

↑マンガワンアプリ(スマホ・iPad向け)

この記事は灼熱カバディを読んだ方向けです。
試合の結末などのネタバレは含みませんが、原作のシーンには触れます。
未読の方はとりあえず20話まで読むのをオススメします。


灼熱カバディは2021年にアニメ化もされています。
しかし、現在アニメはNetfrixやAmazonPrimeビデオ、dアニメなどの比較的メジャーな配信サイトで視聴ができません。
(2024年6月時点:Hulu、U-NEXT等で配信中)

そのように動画コンテンツが少ない中で灼熱カバディを読んだ方、一度は疑問に思ったことがあるんじゃないでしょうか?

  • 灼熱カバディでのプレイって、どれくらい現実に近いの?

  • それとも漫画的誇張をある程度含んでいるの?

悲しいかな、カバディはまだ競技人口の少ないスポーツです。
作中の丁寧な導入によって、カバディを全く知らない読者でも、ルールや動きをある程度理解できるようになっています。
しかし、現実の世界でどのように試合が行われているのかは、あまりイメージがつかない方もいるのではないでしょうか?

少なくともカバディを知らなかった私は、下記のような疑問がありました。

  • 王城正人の大量得点はすごいけど、あんなにたくさん触ってから帰陣するって現実的に可能なの?

  • 合宿で初登場した、チェーンや守備の下をくぐる”ドゥッキ”。あれ無理じゃない?どんな動き?

  • 奏和vs能京戦で六弦歩が宵越を持ち上げて止める守備をするけど、そんなこと可能なの?よくあること?

  • 奥武戦でヴィハーンが見せた足技、あんなことってできるの? 足技出している間に捕まらない?

  • 宵越達哉のバック・カット、あれって実際にできることなの?

  • というか、そもそもカバディってどれくらいの大きさのコートで、どんな感じでプレイしてる?

※すみません、先に言っておくと宵越のバック・カットについては、「これぞまさに!」という動きを見たことがないです。
(カバディ経験者、知見者の方、近い動きがあれば教えてください)

この記事では、上記のようなスゴいプレイのことを知りたければ、一番スゴいプレイを見てみればいい!!という191話の山田駿的な発想で、
本場・インドのプロカバディリーグ(略称:PKL)でのプレイを見ていければと思います。

プロカバディリーグと言えば、そうです。
作中でも、久納コーチ、王城父、不破父が活躍した場所。そして、王城正人が、ヴィハーンが、山田駿が目指す場所。
そのプロカバディリーグの試合動画がYouTubeでフル配信されています。
(2023-2024年のSeason10がメイン、来シーズン以降は不透明)

https://youtube.com/playlist?list=PLh2RfdbfOcdv21p7w3PClWHSPyrgqx8Rq&si=tvcaLYU0F-JoVtC-

今回は、
灼熱カバディのプレイって実際にやったらどんな感じなの?可能なの?
という疑問に答えられそうな短い動画を5種、選んでみました。



①ドゥッキって、どんな感じ?(右藤大元)

ドゥーーーッキ!!
と言えば、埼玉紅葉のヒロですね。(初登場:57話)
ドゥッキを知らないはずの高谷煉が埼玉紅葉VS奏和戦で似たプレイをする(127話)のも印象的です。
神畑樹が「ドゥッキはチェーンや守備の下をくぐる技」と紹介してくれていますが、守備を掻い潜るドゥッキはプロカバディにおいても盛り上がるプレイの一つです。

例えば、PKLで最も得点の多いレイダーPardeep Narwal
”ドゥッキ・キング”なんて異名を持っていたりします。(後で出てきます)

「守備を掻い潜る」時の動きやスピード感が分かりやすい、鮮やかなドゥッキがこちら。

↑PKL Season10でプロデビューしたばかりの選手、Sudhakar・M
身長も高い選手のように見えますが、見事に低いところを潜り抜けて帰陣していますね~。
屈んだ時のバネを上手に使って加速しつつ潜り込む動きがとても鮮やか。
(あと最後自陣に飛び込む時の受け身がいつも上手です。217話の神畑樹がやっているでんぐり返しみたいな)

②アンティのパワープレイ、どんなもん?(六弦歩)

「単独最強」
六弦歩の背景に踊るこの四文字を見る度、血湧き肉躍ります。(141話)
まさに単独最強と呼ぶにふさわしい現役選手の1人が、イランのFazel Atlanchaliという選手です。
PKLで最もタックルポイントが多い選手でもあります。

プロカバディリーグはインド出身の選手が大多数を占めますが、各チーム2-4人の外国国籍選手を入れる、というレギュレーションがあります。

Pro Kabaddi auction rules: Know Final Bid Match, squad size and everything else

見どころはコーナーからの確実なアンクルキャッチ
逆コーナーへの素早い回り込みと強い下半身から繰り出されるタックル
うっひょ~つえ~! すげ~! 痛そ~!!!!

六弦は昔、このFazelと逆のコーナーで「超攻撃的守備」をしていたと奏和戦vs能京戦で明かされますが(133話)、まさにこういうプレイをするんだろうなあ、と想像しています。

余談ですが、”Sultan Fazel”という愛称を持ち、守備の印象が強いFazelですが、レイドもまあまあこなしています。
↓3rd レイド(実際の試合だとDo or Dieと呼んでいたり)を決めるFazel。

下半身が強い選手は守備のみならず攻撃でも活躍できるんだなあ、と思います。
かっこいいぜ。

③人を跳び箱みたいに飛び越えられるもん?(宵越達哉)

私的な話で恐縮ですが、跳び箱5段で挫折を味わった人間です。
なので、奏和VS能京戦で宵越が繰り出すバック→守備・六弦を跳び箱のように飛び越えるプレイ(158話)が可能なのか、疑問に思っていました。
あの助走距離で、動く人間を馬跳びのごとく飛び越えるってとんでもない。

でも85kgの人間が、動いている守備を飛び越せるんですよ。

作中で制限体重は80㎏(次年度からは85kg)として描かれていますが、
男子カバディの制限体重は85kgです。

競技規則 - (一社)日本カバディ協会 (jaka.jp)

インドで大人気・かつ昨シーズン最も年俸の高い選手、Pawan Sehrawat

このPawan、某大会での身長・体重登録情報では「181cm 85kg」とありますが、この筋肉量でよく飛ぶんですよ。
まさに”Hi-Flyer”という愛称の通り。

ここでは一番ジャンプが高そうなシーンをチョイスしましたが、他のシーンでもジャンプはもちろん、パワーで押すプレイあり、ドゥッキあり、エスケープあり、タックルあり、で超万能選手なんですね。
そりゃ宵越も飛べるや。スゴイ。

④足技って可能なの?(ヴィハーン)

A.可能です。

足でタッチするって、できるの?足、掴まれん?
と思ってたんですが、足技って結構カバディの試合で使われるんですね。
国内の大会でも割と見るな~という印象です。

PKLの公式サイトで「知っておくべきレイダーのスキル」として、
①バックキック
②ドゥッキ
③ハンドタッチ
④ライオンジャンプ
(先ほど紹介した人を跳び箱みたいに超えるプレイ)
が挙げられています。

Kabaddi skills: Moves you must know (prokabaddi.com)

バックキックでタッチ狙う→フォローに来た守備を飛んで躱して宙返りして帰るNaveen Kumarのプレイがすごい!

このプレイは足でタッチしていなさそう?だけど、5:20~のプレイは足でタッチしていそう。
足技とは少しズレますが、199話「神の帰還」でヴィハーンが、フォローに来た守備を躱して宙返りして帰る(?)動きも含めて、こんな感じなのかなあと思っています。

⑤大量得点って、どれくらいできるの?(王城正人)

1プレイでの大量得点。盛り上がるプレイですね。
作中で大量得点しているシーンで個人的にパッと思い浮かぶのは、

  • 60話 合宿編での佐倉学の7点プレイ

  • 203話 奥武vs能京戦でのヴィハーンの6点プレイ

  • 204話 奥武vs能京戦での王城正人の5点プレイ

あたりですが(他にもまだまだあったかも?)、コンスタントに大量得点を狙う、というと王城正人の印象があります。
作中にて理論上最大10点が狙える(203話)、という話もありましたが、いやいやさすがに漫画でしょ、それは……と思っていました。

いや、あるんです。佐倉学の7点を越えるプレイが。
レコードブレイカー””ドゥッキ・キング”のPardeep Narwalの8点レイド。
コート上の6人全員タッチ+オールアウト 
というプレイです。

(PKL史で1レイドで最も得点の高いプレイ、のはず。再生回数も段違い!)
ドゥッキで下に潜ると見せかけて、手薄になったサイドに動く→キャッチをすり抜ける→背面から倒れ込みつつ、股の下に潜りこんで(これもドゥッキに入るのかな?)手を伸ばして帰陣。何が起きてるんだ!

PKLでは1レイドで3点以上取ることを「スーパーレイド」と言います。
裏返せば3点取るとかなりスゴイってことですかね。

Pardeep Narwalはスーパーレイド数が最も多い選手でもあります。
2位のManinder Singhと大差をつけているので、スコア上もかなり大量得点の多い選手なのかな~と思います。

Pro Kabaddi Player Super Raids | Records for Pro Kabaddi League Teams and Players

Pardeepのプレイより獲得点数は1点少ないですが、
Ajinkya Pawarの7点レイドの動きを細かく解説してくれているこの動画。

逆に守備の目線で見ると、手を確実に掴んでセンターラインを越えさせない、というのは大事なんだなあ、とも思います。


いや、本場のカバディ、すごくない?

5選と冠しておきつつ、5つ以上動画を紹介してしまいました。すいません。
灼熱カバディのあのシーンのプレイってこんな感じなんだなあ!みたいな
イメージが少しでも湧けばなあと思います。
そして、
めっちゃ面白いから、
灼熱カバディを、プロカバディを、もっと見てくれ!!!世界!!!!!
とデカい声で言いたい。

プロカバディ、かなりエンターテイメントとして見やすく、あまりカバディを見たことがないなあという人でも楽しみやすいかと感じています。
個人的ベストマッチとか、スゴイ選手とか、「ウン千万稼げる」って本当なの?とか、そういう話はまた別の記事でしたいと思います。
ここまで読んでくださってありがとうございました。カバディ!

↓灼熱カバディを無料公開で読んだ方向け。
単行本には、結構ボリュームのあるおまけ漫画がついてきたりします。
特典付きの全巻セット、まだある!!

↓カバディ観戦してみたいなーという方向け。
一般観覧可能な大会情報は、日本カバディ協会の公式サイトにあります。

↓手っ取り早く国内カバディの様子が見てみたいよ、という方向け。
国内大会の映像はYouTubeで見ることができます。

↓本場のスーパープレイを手っ取り早くもっと見たい!という方向け。
PKL10(2023-2024シーズン)の公式ベストプレイリストがいい感じ。



(執筆・公開:2024年6月30日)

筆者は何の利害関係も持たない、ただの一読者です。競技未経験・観戦経験も浅いので、誤りや理解が浅い部分ご容赦ください。またリンク先のHP、情報、動画はオフィシャルに公開されていると判断できるものを選んでいますが、何か問題があれば修正するのでご連絡ください。


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