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現役東大生・慶大生が考える「誰もがまっすぐ努力できる世界」のあり方

SEEDsファイナリスト 五百籏頭アレンさんインタビュー

KBCの一大プロジェクトであり、国内最大級・学生団体初のオンラインビジネスコンテスト”SEEDs”。今回紹介するのは、このビジコンで<コネクトスペース>という事業を提案し、見事ファイナルピッチへと駒を進めた、東京大学文科二類2年の五百籏頭(いおきべ)アレンさんと、慶應義塾大学理工学部1年の神田慶樹さんのおふたりです。代表の五百簱頭さんから事業への想いやSEEDsについてお聞きしました!

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<取材・編集 KBC16期 河井彩花>

ー現在の<コネクトスペース>の事業案について簡単に教えてください。

<コネクトスペース>は、自宅で勉強する学生同士をリアルタイムでつなぐオンライン自習室サービスです。コロナの影響で、学生たちはリモートでの学習を余儀なくされていますが、ひとりで勉強していると高いモチベーションを維持し続けるのは困難だと思います。オンラインで仲間の存在を感じさせることによってその課題を解決し、学生がより集中し緊張感を持って勉強できる環境が作りたいという思いで提案しました。

ーこの事業に至った経緯を教えてください。

まずは、相方の神田の誘いでSEEDsに参加すると決めたことが事業を始めた大きなきっかけとしてあります。その時点では何のプランもなかったのですが、事業の方向性を決めるために、コロナの状況で新しく出てきた課題を思いつく限り羅列しました。その上で、自分たちはどの領域で何ができるか、ということを考え抜きました。

最終的に教育分野で事業を起こそうと決めた最大の理由は、話題の身近さです。問題を的確に捉え、具体的な解決策を練り上げるためには、自分たちが情熱を注げるもの、ある程度関わってきたものである必要があると考えました。その点、教育や受験勉強というのは少し前まで受験生だった私たちにとって、とても身近なものです。

私自身、受験生の時に怠惰な気持ちが芽生えて勉強できないことがあり、コロナの渦中におけるオンライン学習の流れは、自分事として問題意識を抱くことができました。受験勉強はどれだけ自分の気持ちを高められる環境に身を置き、集中して勉強できるか、ということが重要になってきます。オンライン学習は、ある意味では独学の世界で、まわりの様子がわかりません。かつての自分と同じように、一人だと怠けてしまい、集中できない人は多いだろうと考えました。

実際に学生にインタビューしてみると、そのように感じている人が多かったので<コネクトスペース>のサービスはニーズがあるということがわかり、最終的にオンライン学習のサポートをするという事業案に至りました。

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(左:神田さん、右:五百籏頭さん)

ー事業を起こしていく中で重要視していることは何ですか。

なぜ、私たちがこのようなサービスをするのかという<why us> を大事にすることです。目標に向かって誰もがまっすぐ努力できる世界を<コネクトスペース>によって作っていけるよう工夫しています。

ー事業を進めていく中でうまくいったこと、うまくいかなかったことを教えてください。

最初はフードデリバリーの領域で考えていたのですが、一次選考の3日前に行き詰まってしまって、0から考え直しました。そこで領域を教育系に変えたことが一番の転換点です。教育で行こうと決めてからも何回かアイデアの変更がありました。


うまくいったことは、カスタマーインタビューに多くの友人が協力してくれたことです。3月まで受験生だった友達や今も浪人生として頑張っている友達が、真剣に生の学生の声を答えてくれたことは本当にありがたかったので、感謝しています。

ー現在、五百籏頭さんは起業準備期間中ですが、もっと早くやっておけばよかったと感じていることは何ですか。


長期インターンです。ファイナンスの知識や起業のアイデアの作り方は、本を読むことである程度の知識を得ることができますが、実際に起業することになった時に、現場でしか学べない知識が必要になってくるからです。実際にその会社の運営に携わり、どのように会社が動いているのかを実地で見るという経験を自分はしてこなかったので、そこは明らかに今の自分に足りていないと思います。

(ライターのコメント)五百籏頭さんおすすめの本は「ビジネスモデル2.0図鑑」「起業のファイナンス」「起業の科学」「成功する起業家は『居場所』を選ぶ」の4冊です。ファイナンスの本を読むことで、起業家としての視点だけでなく、投資家としての視点も養い、資金調達の戦略につなげたそうです。

ーSEEDsに参加してよかったなと思うことはありますか。


たくさんあります!ひとつ目はSEEDsを通じて様々な人と出会えたことです。メンターの久米雅人さんに出会えたことで、事業内容はもちろん、自分自身にも大きな変化がありました。また、ファイナルピッチまで進んだ他のチームに呼びかけて、交流会を開催することになったので、そこでの新しい出会いも刺激になると期待しています。

ふたつ目はプレゼンのコツが掴めたことです。三次選考に向けて3分間のピッチをすることになって、KBC主催の事前のプレゼン講座に参加しました。そこで練習は100回くらいするんだと聞き、自分もやってみようと思いました。実際は100回はできなかったのですが、1週間では20回くらい練習して、友達に見てもらって、フィードバックをもらって、と繰り返すことにより、かなり成長することができました。

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ー大学生活と事業の準備を同時に進めるにあたって、大変だったことはありますか。

あまり大変だと思うことはありません。実は東大2年の春学期は、必修科目があるわけではなく、取りたい授業だけをとればよくて、かなり自由です。だから、大学の授業がもともと自分がやりたかったことですし、課題の量もそれほど多くありません。自分にとって授業や課題がリフレッシュの時間であり、楽しいことなので、多少時間が取られるという部分はあっても、負担にはなっていません。<コネクトスペース>の活動も楽しくて、ずっとやっていても苦にはなりません。オンラインになったおかげで、往復2時間の通学時間がなくなったことも、自分にはプラスに働いています。強いて言うなら、相方の神田が慶應の理工学部で結構忙しいらしくて、大変そうだなと思います。

(ライターのコメント)そんな五百籏頭さんですが、最近はより充実した生活を送るため、友達を誘ってオンラインで朝の読書会を始めたそうです。早起きすることで生活リズムを整え、意識的に読書の時間をとる工夫をしておられます。時間を大切にし、ストイックに向き合う姿勢を、私も見習いたいと思いました。

ー五百籏頭さんは現在、東京大学の2年生ですが、残りの学生生活で成し遂げたいことは何ですか。

ひとつ大きな事業を主催することです。多くの人を巻きこんで、社会の根深い課題を少しでも解決できるようなプロジェクトを始動したいなという強い気持ちがあります。そのために、インターンに行ったり、自分が興味の持てるイベントに応募したりして、いろいろな経験を積んでいきたいと考えています。

他には、大学の勉強をしっかりやっておきたいです。勉強にしっかり向き合うことができるのは時間のある学生のうちにしかできないことですし、同じ興味を持って話せる教授や友人がいるという環境も恵まれています。自分の興味の赴くままに様々なことを貪欲に学んでいきたいと思います。

コロナが落ち着いたら、ひとりで海外旅行にもいきたいですね(笑)。

ー最後に、6月21日に行われる最終ピッチに向けて、一言お願いします!

ピッチでは、緩急をつけて話すことを意識したいです。重要なことを強調しつつ、文脈としてこのサービスを理解してもらうために必要な情報を付け加え、輪郭を鮮明にしていくことで、印象に残る3分間を作り上げます。そして、怠惰という人間の根本的な課題に正面から取り組んでいるということを伝えたいです。絶対に優勝します!!


(ライターのコメント)五百籏頭さんはとても気さくな方で、様々なお話をしてくださり、取材をするのがとても楽しかったです。1時間の取材があっという間に過ぎてしまいました。自分の理想とする世界を実現させたいという熱い気持ちの裏には、緻密な計画と幅広い知識があるように感じました。
ファイナルピッチ当日も、五百籏頭さんの巧みな話術で<コネクトスペース>の濃密な世界を味わえることを楽しみにしています!ありがとうございました。

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<SEEDsファイナルピッチ情報>

6月21日(日) 14:00~17:00 開催!

配信はYouTubeにて。チャンネルはこちら▷https://www.youtube.com/channel/UCsWO4qx0qJ4ynJzwdQz9pbQ



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