欧州スーパーリーグ
サッカー界に激震が走った欧州スーパーリーグはこれから来季が始まるまでとんでもなく議論を呼ぶだろう。
サッカーファンとして中学生の自分であれば大賛成してただろう。なぜなら、有名選手が有名チームに集まって有名なチーム同士の試合を毎週のように観られるというのは中学生くらいのサッカーファンにはドキドキとワクワクが止まらないからだ。
例えるのであれば未遂で終わったUWFインターの『1億円トーナメント事件』を毎月定期的にやるのようなものだろうか(本人が生まれていないので例えが間違っていたら申し訳ない)。
ただ、この構想は10年経って25歳になった私にとって悪でしかない。
まずひとつはこの構想で得をするのはあくまでもクラブそしてそれを所有するオーナーだからだ。
もっといえばスーパーリーグ内でも競争が始まり格差が生まれれば、今以上に移籍金や給与のインフレが起こり会長と副会長に鎮座するクラブとオイルマネードーピングできる数クラブのみが儲かるようにできている。12チームは一定の収入は得られるが、数クラブはその収入が安定をもたらすわけではないということだ。
スーパーリーグは参加しないチームにも利益がいくようにできていると主張してるが、真っ赤な嘘だろう。
確かに移籍金のインフレは起こることで少しは収入が増える可能性があるが、優勝と昇降格しか意味をなさなくなることで真剣勝負が減り消化試合が増える(現行のCLに対して主張されていたことだが)各国リーグに高い放映権はつかず、特にプレミアリーグは減収を余儀なくされるだろう。
こんな馬鹿げた嘘だらけの構想は悪以外になにものでもない。
次にクラブにとってのファンとは誰なのかというのが全く分かっていないことだ。
インターネットの普及により急速なグローバル化が進み、何時でも何処でも世界中のサッカーを観ることができるようになった。
今回のスーパーリーグに参加を表明したチームを中心に欧州クラブは世界中にファンがいる。
その人たちはどの国でも応援するチームのグッズを買うことができて1週間もすれば自分の国に運んでもらえる。このご時世ではなかなか難しいが、スポーツバーにでも行けば同じクラブを愛する、知らない人とコミュニティを作ることができる。
とはいえ言い方は悪いが所詮外国のファンだ。シーズンチケットも持ってなければ、練習場にもやってこない、街中で「期待してるぜ」なんてことは言えない、レストランでちょっとしたサービスもできない。それができるのは地元のファンだけなのだ。
どんなに負けが多くなっても、どんなに試合結果に文句をいっても常に支えてくれるのは地元のファンだ。
そんな大事な存在をコロナのせいか、金に目が眩んだせいか見えなくなってしまったこの集団は、サッカー界の悪人たちだ。
最後に、サッカーとは誰がやるスポーツなのかを忘れている。
サッカーとはクラブが経営で争うマネーゲームなのか?放映権を高く売るためにコンテンツをプレゼンする営業職なのか?もちろんそのような仕事をする人がサッカーを世界で続けていくためには必要な職業ということは分かっている。
ただ、結局我々が毎週末楽しみにしてるのはサッカー選手がプレーしているところだ。その選手が全く関係ない場所で決まったつまらない強欲にまみれたリーグに価値はあるのだろうか?
試合数を減らして選手の負担は減ると主張しているが、人質のように試合をやらされている選手の負担は本当に減るのだろうか?
望まない試合を選手がやらされるなど最も悪であろう。
こんな構想は悪い夢だと願いたい
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