有馬記念展望

有馬記念くらい好きな馬買え!でも当てたいんだよな~。


レース傾向

  • 中山芝2500。わりと欠陥コース。

  • 外枠の逃げ先行はキツい。あとはフラット。

  • 下級条件は先行有利だがG1なので事情が違う。強力な差し馬達が残り1000mすぎあたりからペースを上げるのでロンスパ戦が基本。

  • 勝ち馬の道中ポジションの基本は中団〜やや後ろ目。

  • ただし4角から直線に向く際は前目。

  • つまりコーナーで押し上げる必要あり。

  • 過去5年道中から前目で残したのは2020フィエールマンと2021ディープボンドのみ。

  • 今年は既にタイトルホルダーがピンパーの競馬を示唆。楽に生かすとそのまま勝てる馬だけに後ろも放っておけないはず。ロンスパの差し決着が濃厚と見る。

全頭診断

あいうえお順で。

アイアンバローズ

前走ステイヤーズS1着。スタート後はアフリカンゴールドの番手につけていたが1周目途中から先頭に立って大逃げの形に。その後ペースを落としリードをキープしながら脚をためて6Fのロンスパで逃げ切った。
重賞で馬券になっているのは阪神大賞典にステイヤーズSとスピードがいらないメンバー・条件のレースのみ。また2年連続でステイヤーズSにはマイナス馬体重、特に今年はマイナス10キロと勝負仕上げをしている雰囲気で、状態の上積みも見込めないだろう。重賞馬ではあるが中距離G1馬が揃った有馬記念では流石に能力下位と見なさざるを得ない。タイトルホルダーという強力な同型もおり展開利も見込み薄。

ウインマリリン

前走BCF&MT4着。中団後方からインベタで追走し、直線は馬群を抜けて伸びるも外を回した1,3着馬にキレ負けし先行の2着馬には届かず。1着馬はG16勝馬なのでまあ仕方ないか、と思うが2着馬は次走香港ヴァーズでゼッフィーロに完敗の3着と考えると評価が難しい(一応斤量差が1.5キロあったが)
4歳時に日経賞とオールカマーを勝ち、5歳秋には重馬場のエリ女を先行して2着に残し、その後香港ヴァーズを大外回して差し切りとコース適性と実績は十分。とはいえいくら叩きとはいえ札幌記念とオールカマーは負けすぎであり、ピークアウトは否めないか。
今回がラストランであり陣営は究極仕上げの模様。あとは冬の中山といえばのロベルト系スクリーンヒーロー産駒という強みがあるが…やっぱり厳しいか。

ジャスティンパレス

阪神大賞典1着、天皇賞春1着、宝塚記念3着、天皇賞秋2着と今年の戦績は抜群に安定。天皇賞春は1番枠からルメールが完璧にエスコート。天皇賞秋はスタートいまいちで後方2番手を追走、またペースアップにもつき合わずにイクイノックス以外の脚が止まったところを直線で抜いての2着と恵まれた感が強く、両天皇賞はいまいち参考にならない感が強い。
一番参考になりそうな宝塚記念は後方追走から3コーナーで仕掛けるものの伸びが悪く、直線向いた際に同じ位置にいたにも関わらず進路選択に手間取ったスルーセブンシーズに完敗。騎手がムチを落としていたらしいがそれがなくても結果は変わらなかったと思う。
今回は宝塚記念より距離が延び、勝利経験のある鞍上になるのは明確にプラスだと思うが勝ち切るイメージがいまいちわかない。ミドル~ハイペースくらいの流れで消耗戦気味になったほうが嬉しそうだがどうか。

シャフリヤール

2年前のダービー馬。前走は香港ヴァーズ…ではなくBCターフ3着。中団ラチ沿いを追走し3コーナーから仕掛けたが、膨らんだところをオーギュトロダンに突かれ、またさらに外を回した2着馬には届かず。
ディープ産駒のダービー馬だがキレ味特化という印象はそこまでなく、ドバイシーマを勝ったときのように先行、早め先頭から長い脚を使って押し切るのが本領な気がしている。その意味ではコースに対応さえできれば割とやれるんじゃないか、と思っているが好きな馬なので贔屓目かもしれない。
あとはやっぱり臨戦過程が微妙すぎて、今年で引退なので何が何でもあと1戦使いたいから出るだけなのでは?という気がしてならない。

スターズオンアース

去年の2冠牝馬。前走JC3着。先行できて上がりも使え馬群も割れる万能系牝馬。前走3着だが斤量を考えると世間で「イクイノックスに勝てるのはこいつしかおらんやろ」と思われてたリバティアイランドより強かった。個人的には府中2000~2400なら現役最強だと思っている。
大阪杯と秋華賞はコーナーで進出というよりは短い直線で一気に追い込んできており、道中後方待機は同じ展開で差し届かずになりそう。ただ近2走はスタートにも問題がなく、マイル戦でも先行できるくらいのテンの速さがあるのでルメール騎乗を考えれば後ろすぎない位置を取るのではと予想する。その場合は直線まで好位で脚をためて抜け出す形になりそうで、十分に勝負になると思う。

スルーセブンシーズ

前走凱旋門賞4着。普通にすごい。その前は宝塚記念2着。最後方追走から直線馬群を縫って2着。後方待機馬でワンツースリーと展開が向いた面はあるが進路切り替えがスムーズならイクイノックスを差せたのではと思わせる強い内容だった。また中山は7戦して(4-1-2-0)と大得意の舞台。不安要素は凱旋門帰りと初距離。その点は先着したジャスティンパレスに逆転を許す要素になるかもしれない。

ソールオリエンス

皐月賞馬。ダービー2着、菊花賞3着とクラシック全馬券内だが順調に着順を落としている。皐月賞は重馬場で全頭バテたところを大外から差し切りと状況が特殊。ダービーは前目につけるが馬群から伸びきれず。セントライト記念と菊花賞は大外を回して届かずの同じ負け方。
皐月賞後の3戦を見て感じるのはトップスピードも馬群を割るための加速力もないな、ということ。また馬群を割れず外を回すしかないので皐月賞馬ではあるが中山よりも大箱コースの方が向いているように見える。極端なハイペースで全頭バテバテになれば皐月賞の再現があるかもしれないが普通の流れなら能力的に厳しそうだが。

タイトルホルダー

G13勝馬。ここが引退レース。前走はJC5着。正直なところもっと負けると思ったのでやっぱり強い馬なんだなと再確認した。
有馬記念は2年連続で結果が出ていないが一昨年は大外、去年は凱旋門買えりと言い訳はつく。ただ凱旋門の影響で走りが変わってしまったとのコメントもあり、G1を3連勝したときの強さはもうないと見ている。
コーナー6回のこのコースは逃げ馬は有利に働くはずで、前走よりも条件は好転するはず。引退レースということもあり、大惨敗を覚悟の上でハイペースで逃げることも示唆されているがどこまで本当なのだろうか。
他の有力馬はどちらかといえば後ろ目の馬が多いので展開自体は向くはず。鞍上がギリギリのペースを見極められれば残り目があってもいい。

タスティエーラ

今年のダービー馬。かつ皐月賞2着菊花賞2着と今年のクラシックの主役。皐月賞は早め先頭で抜け出すがソラを使って差される。ダービーも早めの加速で抜け出すが一団で競ったのが良かったのか長い脚を使って勝利。菊花賞は一転後ろ目の位置で追走し直線は届かずの2着。
この3戦を見るに武器は先行力と持続力。反面トップスピードはそこまで。加速力もあるのでダービーのレースをすれば中山コースならポジション利があり、直線では勝負できる位置にいれるのではなかろうか。
ただし近年道中前目で馬券内に残せているのはディープボンドにフィエールマンと春天で勝ち負けできるレベルのスタミナが必要。斤量を活かして立ち向かえるか。

ディープボンド

前走JC10着。流石に何もかも合わないレースだった。その前の京都大賞典は何故か後方から競馬をして3着。春は天皇賞2着に宝塚記念5着と力を発揮していた。特に宝塚記念は1角2桁番手の馬だけで8着までを占めるレースで唯一1桁番手から掲示板を確保しており、スタミナといえばこの馬という印象。しっかり先行できれば好走のチャンスはあると思うが、6歳になり行き脚がつかなくなってきているので、そこがとても不安。

ドウデュース

去年のダービー馬。前走JC4着。秋天はイクイノックスについていって潰れてしまった。JCはスタート急がせずにゆっくり行きたそうだったが前が開いてしまったため結局リバティアイランドの後ろに入ってしまったように見える。もう少し後ろで溜めたかった気もするが直線は力を発揮して4着。スターズオンアースには完敗といった内容だが戸崎さんは十分よくやったのではなかろうか。
中山への対応は京都記念での捲りを見る限り鞍上が主戦武豊に戻るのであれば問題ないと思う。末脚の伸ばし方は天下一品の騎手なので、あとは道中位置と能力的に届くかといったところかと。

ハーパー

前走エリ女3着。秋華賞も3着と力通り堅実には走っている。オークスでは持久力を生かして2着。内枠を引ければ最軽量54キロを活かして粘りこめるか、といったところだが正直厳しいと思う。

ヒートオンビート

前走アル共4着。進路なく大外回さざるを得なかったのは可哀想だった。今年は目黒記念を勝っているがかなりのスローペースからの瞬発力勝負。好走条件は良馬場・スローペース・中長距離が揃ったとき、といった印象なのでペースがそれなりに流れる有馬記念は適正外と見る。

プラダリア

前走京都大賞典1着。ラチ沿いを先行して直線はボッケリーニにぶつけられるも叩き合いを制した。重馬場の持久戦という様相だったがアフリカンゴールドが5着に残っているのでそこまで差し有利という訳ではなかったか。
戦績的には冬場が得意そうなのでスローペースを先行できればワンチャンある気もするがメンバー的に望みは薄そう。

ホウオウエミーズ

前走福島記念1着。道中から最後までほぼ一定ペースのレースを3コーナー付近から捲り切っての勝利。11月の福島でこの内容のレースが出来るあたり有馬記念の適性はあるように思う。半分より上に来ても全くおかしくないと
思うが掲示板は流石に能力不足だろう。

ライラック

前走エリ女4着。ラチ沿いを追走した上位3頭に対し後方外目の追走から上がり最速で馬群を突破して追い込んできた。やればできるじゃん戸崎。前々走の府中牝馬Sでもプラス18キロでこれまでとは段違いの上り33.0を使っているしゴール前でさらに伸びようとしていたあたり持久力が問われるレースの方が明らかにあっているだろう。
消耗戦への適性は昨年のエリ女で示しているし差し有利の展開になりそうなのも脚質に合っている。馬券内に入るには能力上位の倒すべき同型が多いが他馬が崩れたときにはワンチャンスあってもいいのでは。

評価まとめ

能力面だけでざっくりと

Tier 1

スターズオンアース

Tier 2

スルーセブンシーズ、ジャスティンパレス、タスティエーラ、ドウデュース

Tier 3

タイトルホルダー、ライラック

展開

人気馬と上にあげた馬の中でいい枠を引いたな、と思うのは4 タイトルホルダー、8 ライラック、10 ジャスティンパレス。
タイトルホルダーは無理なくハナを取れ、差し馬2頭は足をためられるポジションがとれそう。
イン前を取れそうなのは出していった場合の1 ソールオリエンス、2 シャフリヤール、6 ディープボンド。ただ1枠の2頭がどういう競馬をするかは読めない。どちらも馬群を割れる瞬発力はないと思うので先行した方がいいと思うがどうか。 
ペースはスタートでハナに立ったタイトルホルダーがどこまで上げるか、また7 アイアンバローズがどこまで追っかけるかによるが少なくともミドルペース以上でハイペースになる可能性もありそう。タイトルホルダーに気分よく行かせてしまうとそのまま決まる可能性が十分あるので、後ろの集団も前をほっておくようなペースにはならないのではなかろうか。
また7枠の2頭は前に行かないと勝機がなく、ルメールも道中でポジション上げるのを得意としているため1週目ホームストレッチで隊列が動いても不思議ではない。
そうなると初手の隊列のままジッとしていられる位置を取れ、コーナーで加速し差してこれそうな馬に最終的に展開が向くのではないだろうかと感じる。具体的にはドウデュース、ライラック、ジャスティンパレス。

結論

難しいね。どの馬が勝ってもおかしくない感があります。
以下有力だと感じている馬についてつらつら。

暫定◎ ジャスティンパレス
ミドルペース以上を想定すると展開が向くのは後ろの馬。その中で能力と枠順の総合を考えるとやはりこの馬になるのかなと。土曜夜段階で1人気になるのも頷ける。ただアタマに来るイメージがいまいち持てない。3着以内であれば一番可能性が高いとは思うんだけど、差し損ねて2,3着、になる気がするんだよね。

相手候補4頭
ドウデュース
ジャスティンパレスとイメージは同じ。内枠で脚はたまりそうだけどその分最終的にジャスティンパレスより外を回らされそう。京都記念はそれでも突き抜けたけど、頭数とメンバーレベルが違うので最後届かず、になりそうで。

スルーセブンシーズ
15番枠で池添が絶望していたけどどうせ後ろから行く馬だしそんなに影響はないのでは。単純に届くのか?というところが問題。内を選択して馬群を割っていくにしては馬格が気になる。舞台適性はバッチリだと思うんだけど。

スターズオンアース
今回一番強いと思ってるのがこの馬。それだけに枠が痛恨。後ろからいくならスルーセブンシーズと同じ問題を抱えるし、ドゥレッツァやフィエールマンを真似るなら最後に力が残ってるのか?という問題になる。
能力とルメールで3着に持ってくるのは全然あるとは思うがアタマとなると厳しそうで。

タスティエーラ
内枠に入るのを1番願っていた馬。13番はギリギリ耐えて…ないか。
理想的なのはディープボンドの枠からタイトルホルダーの後ろかその後ろを取って最後チョイ差し、だったと思うがこの枠だと菊花賞の二の舞になるイメージが強い。3着はありそうだけど…という感じ。

穴 ライラック
枠はいいと思う。単純に能力が足りるか、が焦点。
そういう意味では他の有力馬が難しい枠に入ったので相対的に有利なのかも。オッズもつくし買い目には入れておきたい。

☆ タイトルホルダー
問題なく自分のレースが出来そうなのがまず良い。やることやって後は他の馬が強ければ仕方ない、という感じになるでしょう。例年と違ってかなり時計の早い今年の中山なので、高速巡行が武器のこの馬なら逃げ切りもあるんじゃないかと。ピンかパーか、というイメージ。世間もそう思ってるようで単勝だけ妙に売れている。

☆☆☆ シャフリヤール
この馬の真骨頂は2400mを先行してそのまま押し切った2022ドバイシーマCだと思っている。それの再現を狙うとすれば1枠2番は最高の枠で、ディープボンドに譲らずタイトルホルダーの後ろを取り切って欲しい。
巷で言われる不安要素の中山は大丈夫?は走ったこともないのにわからんし、小回りについても前走のBCターフは割と小回りだったので問題ない!
最後に父ディープインパクト母ドバイマジェスティの馬に松山弘平が乗って中山開催のG1に出走したときの成績貼っておくゾ。

ちなみに12/23 21:40時点で9番人気だ!やれよ松山!

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