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あのこと

例の「トウキョウ」を名乗りたいチームのことを浅薄な自分なりに考えてみた。いろんな人が書いてるが、たぶん、一番薄っぺらい上に的が外れ倒していると思う。それが自分の芸風というか文体なのだけど、それでも良ければしばしのおつきあいをお願いしたい。

ま、いろいろあるが、ひとまずこれを見ていただく。

その文字起こしを以下に3つ。まずプレゼン。

次に質疑応答。

次が最後で会長と社長の挨拶。

J-CASTの記事。

宇都宮徹壱さんによる見解(Yahoo!のバイライン記事)

BLOGOSに寄稿された記事。ある意味自分としてはフェアネスを感じる記事だと思うのでご紹介する。

まず、多くの人々が指摘なさってるように、藤田さんは今回のミーティングに至る顛末に於いて、恐らく順番を間違えたのだろうし、その意味では準備不足だったと思う。
彼のプレゼンそのものは、確かに突飛だし、承服しがたい面も含まれてはいるが、スポンサーを増やしたい、チームの原資を増やしたい、とするのは、経営者なら当然の感覚と思って間違いない。
そりゃ、何処のクラブだって、カネは1銭でも1円でも多くあった方が良いに決まっている。実入りがそれだけ多くあれば、それだけ多くの可能性が生まれてくるのだから。

自分の推しチームであるガイナーレ鳥取だって例に漏れない。おカネはたくさんほしいと思う。あれば、選手の人件費に少しでも回せるし、必要経費もたくさん確保しやすくなるだろう。その他、様々な経費の支払いが少しでも楽になる可能性がある。ともかく、おカネはないよりはあった方が良いに決まっている
ただ、そのおカネをどうやって儲けていくかに於いて、何処のクラブも一様に苦戦を強いられているのが現状だろう。それはガイナーレ鳥取のような田舎の泡沫みたいなクラブだろうが、例えば浦和レッズみたいな都市部にあって多くのサポーターを抱えるクラブだろうと、その規模にこそ違いはあれども、収入などを増やすという意味では類似した悩みがあると思える。

藤田さんが提示したのは、そういう面に於ける彼(あるいはサイバーエージェント)なりに練り上げられた方法論であり、将来的な理想とする状態なのだろうと思う。
だから、それ自体が悪いとも思わない。確かに、サポーター的な立ち位置で言えば承服しかねる話もあっただろう。それは仕方がない。彼はあくまでも経営者なのだから。
ただ、しばらくこの騒動を傍観しているうちにふと思ったが、藤田さんもまた、この状況に於いて、戸惑いに似た何かを抱えているのではないか、と思えてしまった。

このプレゼンに於いて「リブランディング」という表現が多用される。これを平たく言えば「命名のし直しによる価値の再創造」とでも言うべきだろうか。たぶんそういうことになるのだろう。
その先にある思想は理解できる。儲かるクラブにしたい、多くの投資を呼び込める存在になりたい、と。だから、それらを旗頭にして進んでいくことは経済の観点からはまったく間違っていないと思う。
これがガイナーレ鳥取では、じゃあFC町田ゼルビアみたいな方法論で行けるのかっていうと、チーム(あるいはクラブ)の置かれた立場や状況が異なるので、その通りには容易にはいかないだろうと思うので、例えば現時点で芝の事業として展開中の「Shibafull」が成功すればいいと思う。

で、藤田さんのプレゼンに於いて、FC町田ゼルビアの名前を改名するに当たって「FC町田トウキョウ」の名前が出て来る。これを聞いてフッと思い浮かんだのが、かつてMLBにあった「ロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイム」であった。
ただ、今はもうこの長ったらしい如何にも折衷案みたいな名前ではなく、創設当時の名称として知られてもいる「ロサンゼルス・エンゼルス」に戻っているのだが。

この球団は、元々ロサンゼルス・エンゼルスだったのが、その後、最も長い期間使われて、通りの良いカリフォルニア・エンゼルスとなり、その後、アナハイム・エンゼルスとなって、ロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイムという長ったらしいチーム名になった挙げ句にロサンゼルス・エンゼルスに再改名した、という経緯を持っているチームだ。

東京の名称を町田ゼルビアの後継名称につけるのは彼らの判断なので別にどうでも良いのだが、半世紀近くの間に、諸事情あってチーム名が二転三転したロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイムのようなことになりはしないかと心配はする。

あと・・・個人的にヤバいなあ、あれは言うべきじゃないのになあ、と思ったのは、質疑応答の後半に登場する「」の件と「ゼルビア」の付帯したチー名称を長いと言ってしまった件。

あの「大旗くらい」というのと「(東京も含んだ状態で)ゼルビアを入れたら(チーム名としては)結構長い」という二点は如何にも言い方がマズすぎた、と感じてしまった。
言葉も足りないし、その言葉に付帯するであろう応援者側の思念に対する考慮も些か軽いというか。そのせいで、応援者を軽んじている、と受け取られても仕方がないように思われるところがあると感じた。
あれらのコメント群は、藤田さんのあのプレゼンがせっかくあったのに、それを全てぶち壊しにしかねないほどの大失策だと思った。

ただ、藤田さんが直接発言した内容でマズいなと思ったのは、せいぜいそのぐらい。プレゼン自体は異論もあるとは思うが、経営者のするそれとして考えると、何となくわかるような気もする。
むしろ、問題だなと感じたのは、彼がそのプレゼンを誰に向けてしたか、を感じ取りにくかったこと。
たぶん、彼のプレゼンはサポーターにではなく、その向こう側にいる何らかのディールの相手に向かってなされていたのではないか、とも思える。
仮にもサポーターミーティングと謳っているのだから、この場での主はサポーターであるべきだったのではないか。ただ、ここでの藤田さんはサポーターでなく、その場にはいない別の人々に向けたプレゼンテーションをしていたのではないかと思えてならない。

そうは言っても、たぶん、責められるべきは藤田さんではない。確かに彼は確かに言葉や行動に於いては何らかの失策をしたかもしれないが、しかしながら蛇蝎の如く嫌われなければならないほどひどいことをしたり言ったりしたわけではないとも思う。
むしろ、FC町田ゼルビアにこういう、つまり藤田さん及びサイバーエージェントというような劇薬じみた役柄の人たちを投入するような選択をさせたもの(それは人かもしれないし企業かもしれないが)にこそ、フォーカスすべきなのではなかろうか。今は、なんとなくだが、そう思っていたりする。

そして、そういう渦中に飛び込んでいるが故に、藤田さんもまたもがいているのではないか、と思えてならない。よって、彼やサイバーエージェントだけを(いろいろと問題はあるにせよ)単純に悪し様には言えないとも思う。

FC町田ゼルビアというチームに関しては、JFLでガイナーレ鳥取としのぎを削り合った仲なので、わりと親近感もあるチームだったりする。向こうはどう思っているかは知らないけど。
そのチームが、今こうして大きな渦に呑み込まれ、翻弄されている状況を見るにつけ、関わる全員ができるだけ不幸にならないように、何とか良い着地点を見つけていただきたい。

スポーツは本来的には、それを見る人々に多幸感を与えるべきだなって漠然と思ったりする。
でも、こういう問題が長期化してしまうと、多幸感なんて誰も感じられなくなるのでは・・・。そこを少し危惧してしまう。そんな状況が訪れないようになれば良い。

何だか、何を言いたいのかよくわからない文章になってしまったが、自分としてはひとまず推移を注視していくしかないのかな、などとも思っていたりする。

基本的に他人様にどうこう、と偉そうに提示するような文章ではなく、「こいつ、馬鹿でぇ」と軽くお読みいただけるような文章を書き発表することを目指しております。それでもよろしければお願い致します。