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寝台特急「出雲」

2006年に廃止になった寝台特急「出雲」を一時期、よく利用していたことがある。

自分がよく利用していた頃は、この列車は2往復していた。元々1往復だったが、寝台特急「いなば」が距離延長して「出雲」に組み込まれた、というわけだ。
実はこの列車の本来の編成についているA寝台個室が好きで、従ってそれが連結されている本来の編成による下りの1号・上りの4号が好きだった。これは24系25型の車両を使っており、電源車つきで12両編成だった。

A寝台個室は1号車についていて、2~4号車と6~11号車がB寝台、5号車が食堂車、という編成だったと思う。食堂車は途中から(自分が利用しなくなってからしばらくの後)営業しなくなったので、ロビーカーになっていたはずですが、自分が利用していた頃はまだ営業してる最中でした。食堂車で食うカツカレー最高だった。味云々より雰囲気が好きだったのだ。

あと、乗車記念に車掌さんに頼んでこういうスタンプを押してもらうのが楽しみの1つだった。今でも、長距離列車とかに乗車すると、こういうスタンプは押してもらえるのだろうか?今はそういう長距離列車に乗ることがないし、そもそも今、そういうのを車掌さんに頼んだことがないのでよくは知らないが・・・。

出雲ではいろんな思い出がある。この列車は餘部橋梁を経由するのだが、強風が吹いていたので、その餘部橋梁で長時間足止めを食ったり、大雨で富士川の橋梁でやはり長時間足止めを食ったりなんてこともあった。
この列車が発車したり到着したりする東京駅の10番線は思い出の場所の1つだ。

1号は8時過ぎに出雲市駅に着くので、朝の宍道湖とか見られて気持ちが良い。逆に東京駅に着くのは7時前であり、結構眠い。ただ、東京駅で朝到着して食べる雑炊が結構幸せの味だったりした。今、サンライズに乗車した暁にそれができるのかどうかは知らないが・・・。

出雲市から先は乗ったことがないので知らないのだけど、恐らく乗ったら、これはこれで浜田まで楽しめたんじゃないかと思う。できることなら、東京~浜田の1号・4号の全区間に乗ってみたかった。

とはいえ、東京~出雲市間だけでも、乗る価値はあると思う。今、サンライズ出雲が東京~出雲市間を走っているが、サンライズは伯備線経由で、岡山までは東海道本線・山陽本線を走る。出雲号はこれに対し、原則的には東海道本線を京都まで走って、そこからは山陰本線を走る。までに、迂回する形で伯備線を経由することもあるが、基本的には京都から山陰本線を経由するルートを通る。

A寝台の個室は、正直言うとあまり広くはない。

サンライズのシングルデラックス(A寝台1人用個室)は広い印象があるのだけれど、24系25型は基本設計が決して新しくはないので、やはりどうしても狭い。とは言え、個室なだけに居住性は普通の開放型B寝台と比較すると格段に良い。

昔のシングルデラックスは、今で言うシングル(B寝台1人用個室)に近いのかもしれない。いつか機会があれば乗ってみたい気もする。ただ、できることならもう一度24系25型のシングルデラックスに乗ってみたい。

出雲号の赤いテールマークは自分にとっては一種の憧れみたいなもので、やはりこれに乗れるのは嬉しかった。

機関車につけるこの赤いヘッドマークもまた、カッコいいと思った。また、これを着けた機関車を見てみたい気がしている。もっとも、今はもう望むべくもないけれど。

もう一度、寝台特急「出雲」を味わってみたいなとずっと思っているが、もう今は車両もないだろう。ブルーのボディにゴールドの帯がとても懐かしく思える。あの列車でまた東京に行ってみたいし、東京から帰ってきてみたいなって思う。今の叶わぬささやかな夢だ。

基本的に他人様にどうこう、と偉そうに提示するような文章ではなく、「こいつ、馬鹿でぇ」と軽くお読みいただけるような文章を書き発表することを目指しております。それでもよろしければお願い致します。