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#ポルセイド浜田 を知っていますか?

日本には老若男女問わずいくつものサッカーチームが存在する。頂点にあるのがJリーグ、とりわけその1部に属するチーム。次が2部、更に3部がある。それぞれ全国展開をしている。

Jリーグが一応建前上はプロという位置づけだとすると、アマチュアの最高峰と位置づけられるのが、JFL(日本フットボールリーグ)だ。

この下に各地域リーグ、都道府県リーグなどがある。これとは別に大学、高校などのリーグが存在する。

女性版ならなでしこリーグがある。現在は2部制になっているはずだ。その下にはチャレンジリーグなんてものもある。

フットサルも全国展開中

一方、フットサルにも全国展開をするリーグがある。Fリーグだ。

これも2部制であり、現在1部には12チームある。但し、うち1チームはFリーグ選抜というものだ。よってこれを除くと、以下の11チームが存在することになる。

エスポラーダ北海道
ヴォスクオーレ仙台
バルドラール浦安
フウガドールすみだ
立川・府中アスレティックFC
ペスカドーラ町田
湘南ベルマーレ
ボアルース長野
名古屋オーシャンズ
シュライカー大阪
バサジィ大分

そして2部。こちらは8チーム。

トルエーラ柏
Y.S.C.C.横浜
ヴィンセドール白山
アグレミーナ浜松
デウソン神戸
広島エフ・ドゥ
ボルクバレット北九州

・・・何で7チームしか紹介しないのか?いや、これから紹介するのがF2のもう1チームであるポルセイド浜田なのだ。

ポルセイド浜田とは?

島根県の西部に浜田市という港町がある。そこには例に漏れずサッカーチームがいくつか存在する。

よく知られているのは、昨シーズンまで中国リーグに籍を置き、現在は島根県1部で戦っている(先日見事に今季の優勝を遂げたばかり)のデッツォーラ島根ECだろう。

所属カテゴリ的には、このデッツォーラを上回っているのが現在中国サッカーリーグに属している(先日残留を決めたばかりの)浜田FCコスモスである。

ただ、今回はデッツォーラ島根ECや浜田FCコスモスなどの話をしたいわけではない。

彼らと同じ島根県浜田市を根城にしているフットサルのチームが存在する、という話をしたい。
それが何度も言っているポルセイド浜田だ。

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このチームロゴには、港町・浜田を象徴する「港」、及び島根県が神々の国と称されることから「海の神」をイメージしたものだそうだ。
よって「ポルセイド」とは、ポルトガル語で港を意味する「ポルト」と、ギリシャ神話に登場する海(と地震)の神「ポセイドーン」からつけられているようだ。
このエンブレムにも登場する三つ叉の矛はネプトゥーヌス(ネプテューンとしても知られるローマ神話に於いてポセイドーンのような立場にいる神様)のイメージがあるのだが、ポセイドーンが持っているものでもあるようだ。
兎にも角にも、平たく言えば「港に宿る海神」ぐらいの意味だと思えばいいと思う。

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元々の成り立ちは教職員チームで、浜田市(H)那賀郡(N)教職員(T)ということで、HNTを名乗っていた。
やがて、より地元への帰属意識を高めるということから、「浜田FutsalClub HNT/どんちっち」に名前を改めている。
「どんちっち」というのは簡単に言えば「石見神楽」を指す言葉で、同時に浜田を象徴する言葉にもなっている。近年では浜田の近くで獲れる鰺(あじ)を「どんちっちあじ」としてブランディングして売り出していることでも知られている。

石見神楽は、このチームの売りにもなっていて、ユニフォームの胸スポンサーでもあるのだが、それ以上に、試合前には神楽の神秘的且つ勇壮な舞が披露される。全国広しといえども、こういうアトラクションをするフットサルチームは他にないだろう。社中を問わず、その舞は概ね勇壮なものばかりである。見ていて心躍ってくる。

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また、選手らの入場時にはこの神楽の囃子方がリズムを刻んで入場するという趣向もある。この様子は、見ると結構クセになる。リズムが実に心地良いのだ。

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このチームがF2リーグへの参加ライセンスを得たのが2017年のこと。そして2018年からのF2リーグ参戦を機に、現在のチーム名に変更している、というわけ。
詳しくは以下の2点をご覧いただければ。

チーム概要
沿革

簡単にポルセイド浜田について説明してみたわけだが、じゃあ、どういう試合をするチームなの?というと・・・

伸びしろはある

これまで・・・

2018年のホーム開幕戦だったボアルース長野戦
2018年の年内最終戦だったデウソン神戸戦
ついこの間見たばかりのY.S.C.C.横浜戦

・・・という3試合を見ている。

このうち、デウソン神戸とは僅差になることが多く、今年になって、そのデウソン神戸から敵地でリーグ戦初勝利を挙げてもいる。そうなると次はリーグ戦ホームゲーム初勝利といきたいところだが、こちらは現時点では、未だに達成されていない。

なお、この前の土曜日(2019/10/5)に久々に見に行った試合に関しては、後ほど紹介するリンクをご参照くださると。大したことは書いてなく、ポエムじみたことを延々書いてはいる(そのポエムの延長線上にあるようなことをこのあとにダラダラと書き連ねていく)のだが・・・。

ポルセイド浜田は、多くの試合結果を見ていただくとわかるように、正直、強いという気はしない。しないのだけど、だから軽視すべきチームだとか、見捨てるべきチームだとも思わない。

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強い・弱いの単純区分をすれば、普通に弱いんだけど、何て言うか、やり方次第では次第に伸びていくんじゃないかと思ってもいる。そういうポテンシャルというか、伸びしろは大いにあると思う。

その伸びしろを伸ばすために、かつてデウソン神戸にも籍を置いた山本尚希氏を新たな監督に迎えている。

とはいえ、監督を変えたというだけで、すぐに飛躍的進歩が遂げられるわけではない。確かに、昨季は挙げられなかったリーグ戦での1勝は挙げた。その意味では進歩している。
しかし、そうなると更にその一歩先を目指したくなる。今のポルセイド浜田は、そこで一生懸命もがいているのだと思う。この前のY.S.C.C.横浜戦で、これまで試合の度に2桁失点ばかりしていたような相手から2桁失点しなかったのは、僅かでも進歩した証だと自分では思っている。

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数字というか、結果だけを見たら、確かに弱いと言われるのもやむを得ないところだが、それだけに、このチームが将来的にどんな風に化けるのか、楽しみになりはしないだろうか?

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ちょっと気になっていること、そしてポルセイド浜田が担っていくだろうもの

単刀直入に言えば、メンバーが少ない。2019年10月7日現在だと、登録選手が都合13人だ。
他のF2所属チームと比較してみると、トルエーラ柏、Y.S.C.C.横浜、アグレミーナ浜松で18人いて、デウソン神戸は17人、広島エフ・ドゥとボルクバレット北九州が16人、どうやらここら辺までが一般的な規模のよう。
逆にヴィンセドール白山が最も少なく12人しかいない。ポルセイドが最少だと思っていたが、上回るチームがいたようだ。やはり、もう少しメンバーがいた方が良さそうだ。

ただ、浜田という街が、住むにはなかなか難しい。確かに人情は篤い。石見地方は気質がとてもオープンでおおらかだ。地理的に広島が近いことも理由にあるのかもしれない。
特に浜田は広島とは関係性が深い。今は浜田道の開通もあって、より緊密な関係があるが、そもそも昔から広浜線という路線バスが普通に走っていた。そういう縁があるから、浜田と広島(特に県都・広島市から北部辺りまで)はソウルメイトみたいな関係があったと思う。
あのデッツォーラ島根ECの初代代表である若三さんが、島根の地に移ってチームを立ち上げたのも、そうした関係性とは決して無縁ではないと思われる。

とは言え、島根の県都は東部にある松江市だ。次いで出雲市。この出雲市もやはり東部に位置する。中西部寄りではあるが、地理的には東部と言える。そして、この出雲市で列車の運行系統がある程度(というか、結構露骨に)分断されてしまう。

松江市や出雲市から浜田市、江津市、大田市、益田市に行こうと思う時、なかなか骨が折れる。島根県は東西に長い。今は多少だが道路事情も良くなったが、数年前までは出雲市から江津・浜田・益田辺りに行こうと思ったら、いい加減嫌になった。距離が長すぎるような気がする。
公共交通機関は、鉄道しかない。しかも、この鉄道の本数がとても少ない。ビックリするほど少ない。

バスはそれなりにある。大田市、江津市、浜田市、益田市とそれなりに運行している。江津市と浜田市とを結ぶ路線はわりと多い。大田市は石見銀山を抱えているので、それなりに便はある。
長距離バスだってないわけでもない。

飛行機は、益田まで行かないと空港(萩・石見空港)がない。しかも、萩・石見空港は便数が非常に少ないと来ている。

まあ、公共交通機関はあまり期待できない。ただ、石見地方はそういう広島との関係性があるせいなのか、実はセブンイレブンが県東部よりもずっと早くからオープンしていたりする。

ただ、買い物をしたり、遊んだりする場所は決して多くはない。少し脚を伸ばして広島に行ったり、島根県東部に行ったりするのが関の山だろう。
仕事をする場所もそんなに多いわけでもない。全く無いわけではもちろんない。ただ、割の良い仕事は、当節何処でもそうだと思うが、なかなか簡単には見つかりにくい。
住むところは、ないわけでもなかろうが、先述の公共交通機関などの本数の問題を考えると、あまり楽観はしにくい。自分の運転などがキーになってくるだろう。つまり、車を持っていないと、かなり生活が難しくなってしまう面がある。

だから若い人々が定着しにくい面もある。これは田舎に共通した課題だとも言える。

ただ、だから田舎には閉塞感しかない、などと言ってしょぼくれていてもあまりよろしくない。魅力がなければ自分らで創造していくのが上策と言えるかもしれない。
ポルセイド浜田が、そうした浜田ならではの魅力の発信源というか、創造主となっても良いかもしれない。無論、いきなり何でもかんでもできるものではないし、当然ながらできないこともある。

ポルセイド浜田の場合、フットサルで地域を発展させるのも当然あると思うけれど、それ以上に、例えば胸スポンサーでもある石見神楽の振興なんて面に目を向けてみたら面白いかもしれない。文化のミクスチャーに寄与することで、チームの可能性を広げていくのはいいと思う。

チーム概要のところにもあるのだが、「フットサルのみ成らず、スポーツの振興、まちづくりを行う団体として活動を展開する。」と謳っているのだから、たとえば石見神楽の振興なんてのもこの枠の一環として捉えることは可能ではないだろうか。

無論、選手たちに神楽を舞えと要求するわけではないが、石見神楽はこんなに勇壮で、自分たちも勇気づけられ、力づけられるものだとアピールしていくだけでも、違ってくると思う。特に県外、あるいはSNSでそれをやっても良いだろう。対外的に広めていくのは手として効果的だ。

もちろん、石見神楽だけではない。たとえば、どんちっちあじなんてのも広めるには好材料と言えるだろうし、赤てんなどは非常にメジャーなので、広めやすいと思う。ポルセイド浜田のスポンサーに今の時点では名を連ねてはいないものの、江木蒲鉾店の「なうなう赤てん」なんてのは、大昔から有名だった。ああいうのも広めるにはいい。

地域の盛り上げに一役買って、より住みやすい地域を自分たちで作っていくのも面白いかもしれない。

結果、若い人が増えていき、フットサルとかサッカーとか、そういうものをやりやすくなる環境がたくさんできれば、浜田の街が今以上に盛り上がるような気がする。

もちろん、それは一朝一夕にできることではないが、何代にもわたりつつ少しずつでも積み重ねていくことが大事だと思う。

そしてこれからもポルセイド浜田は

今はF2の舞台で苦闘を続けているポルセイド浜田だけど、着実にチーム力は上げ潮になりつつあると思ってはいる。

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昨年夏に見たボアルース長野とのホーム開幕戦は、差もついたが、この先の期待を抱くにはあまりにも酷な試合だと思ったことは否定できない。

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全国は広く、そしてえげつない舞台だ。それを知ったことは大きい財産になり得ると思う。
ボアルース長野はこの年、F2リーグを勝ち抜き、アグレミーナ浜松との入れ替え戦を制して、F1リーグに昇格するほどの強豪であるので、よく考えてみればその結果になるのも致し方ない部分はある。

その後、デウソン神戸との試合を見た。本来、この間にY.S.C.C.横浜との試合を見るはずだったが、台風の襲来で試合が中止になったので見られなかった。
デウソンは元々Fリーグ、つまり今で言うF1リーグにいたので、それ相応に強いものだと思っていた。確かに最終的には敗れたが、このチームにはひょっとしたらいけるのかもしれないと思ったのも事実だ。

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この試合ではそんな期待を持てたものの、終盤2連戦は大差の敗北が続き、少し萎んでしまった。

だが、先述のように山本新監督を迎え、チームは新しく一歩を踏み出した。相変わらず負ける試合も多いが、良い試合もできるようになっていて、そしてその成果として、デウソン神戸相手に勝利も得た。結果が少しずつ見えてきた。

先日のY.S.C.C.横浜戦は、分の悪すぎるY.S.C.C.横浜相手ではあったが、失点を1桁に抑えている。これだけでも長足の進歩と言えるだろう。

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まだまだ、この先にやれること、やっていけることはたくさんあるはず。ポルセイド浜田はそういうポテンシャルを秘めているチーム。今は確かに正直言って強さはないかもしれない。けど、この先、どんな風にでも化けていける素地は持っている
そのことは、先日の初勝利や、Y.S.C.C.戦などでも感じたので、これから徐々に出て来るだろうと思っている。
選手も、今は少ないけれど、やがて他チームと同規模の18人程度にはなるかもしれない。その要因はいろいろあるかもだろうけど、そうなったらなったで、わくわくも増えていくかもしれない。
また、メンバーが増えれば、それだけ、例えば戦略的な引き出しの数が増えていくかもしれない。結果、監督の選択肢が強化され得るだろうし、試合の中で試せることが増えたり、実現できる戦術が増えていくかもしれない。
それは間違いなくチームにとってプラスとなり得ることだと思う。無論、それは簡単なことではないけれど、いつか実現できたら良い。

ポルセイド浜田は、今もだけど、むしろ将来に楽しみがとても多いチームだという言い方ができるチームだと思う。
前にもブログに書いたと思うけれど、かつてのSC鳥取(現在のガイナーレ鳥取の前身)を彷彿とさせるものが感じられる。同じように山陰のチームで、こう、目立って強いとか、目を見張るようなプレーをしてみせる選手がいたりするとか、そういうわけでは皆目ないのだけど、一生懸命で伸び伸びと、ふざけているとかではなく、心底楽しんでプレーしているなあ、と感じられるところがあったりする。

今の自分はnoteやブログなどで再三にわたり、ガイナーレ鳥取だとかデッツォーラ島根だとかを応援する立場を標榜している関係上、そう頻繁にポルセイド浜田の試合を応援に行けるわけではないけれども、できるだけ都合はつけて行くようにはしたい。
勇壮な石見神楽も当然ながら見たいし、その神楽と同じぐらい勇壮な選手たちをも見たいものだ。

ポセイドーンがバイタリティに溢れた神様かどうかは知らないが、少なくともその名前をもじったポルセイド浜田というチームには、溢れんばかりのバイタリティが漲っているものと思いたい。
そして、できることなら、たくさんの人々に、このチームが奮闘しているところを見に来ていただきたい。そうすることで、彼らに活力を与えていただきたい。それで少しでもポルセイド浜田の力が増すなら、多くの人が彼らを見に行って、できるだけ声援を浴びせてもらいたい。
プレーヤーたちは、その声援にどれだけ喜ぶだろう。皆さんの側でも、その顔、動きを見るだけでも行って良かったと思うに違いない。
まさに相乗効果が生まれるというわけだ。

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幸い、ホームコートのある島根県立体育館は浜田駅からも近いので、列車さえうまく確保できたら、観戦も楽しかろう。
体育館の近くにはコンビニ(セブンイレブン)もあるので、便利もいいと思う。


ぜひ一度でいいので機会を作って、皆さんでポルセイド浜田の試合を観戦に行ってみてもらいたい
きっと、いろいろな意味でハマると思う。神楽も楽しいし、メシも美味い人情も良い。浜田は良い土地だ。
自分の生まれた土地だから言うわけでは決して無いけれど、行けば好きになること請け合いだ。

ちなみに、そんな自分は浜田が好きだ。生まれた土地だし、住んでいたこともあるほどだ。
その辺りのことは以下にも書いてる。

訪ねる度に懐かしさがこみ上げてくる、そういう場所だ。ポルセイドやデッツォーラ、それに浜コスなどの試合で、時々訪れたいなと思っている。

ポルセイドの試合を堪能するだけでなく、浜田の街並みにも脚を伸ばしてくれると嬉しい。良い街だから。あじや赤てん、のどぐろなどに舌鼓を打つのも良いかもしれない。いろいろな楽しみ方があるはずだ。それを皆さんで見つけていただければ。

ポルセイド浜田と浜田市はあなたを待っている

基本的に他人様にどうこう、と偉そうに提示するような文章ではなく、「こいつ、馬鹿でぇ」と軽くお読みいただけるような文章を書き発表することを目指しております。それでもよろしければお願い致します。