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【シーズン4-3:エグゼクティブの成功マインドを磨くCEOコーチング】「自分」とうまくつきあう③~怒りのいなし方

(1)真正面から受け止めてはいけない


こんにちは。
エグゼクティブ専門コーチの久野和禎です。
 
シーズン4のテーマは、「つきあい上手になる考え方」。

CEO、リーダーの周囲では、振れ幅の大きな出来事が起こるケースが多く、そうした状況を乗り切るためにも、いろいろなことと上手につきあうことが求められます。
5回目以降は「周囲」とのつきあい方、「社会」とのつきあい方も扱っていきますが、今回は第1回、第2回に続き、「自分」とのつきあい方についてお話しします。
 
「自分」とのつきあい方の3回目のテーマは「怒りのいなし方」です。
 
自分の怒りであれ、他人の怒りであれ、ドンと受け止め過ぎると、無傷ではいられません。かといって、相手の怒りを避けてしまうと、相手は「無視された!」といって余計に怒ってしまうかもしれませんし、自分自身の怒りの場合は、ただ避けるだけではどんどん蓄積していって、やがて爆発してしまうリスクもあります。
 
だからこそここでは、真正面から受け止めるのでもなく、避けるのでもなく、その中間くらいの雰囲気をまとった「いなす」という言葉を使っているのです。

(2)「怒り」の要素を分解してみる


まず、「怒り」を構成している要素を考えてみましょう。
 
「論理」や「感情」といった要素がごちゃまぜになっているのが「怒り」です。
ドンと受け止めてしまった感情は処理のしようがなく、そのまま飲み込むことになります。また多くの場合、「完全に論理的」ということはなく、バイアスがかかっています。バイアスがかかっていると、「つつきどころ」があるはずですが、つっついて「相手」あるいは「自分自身」を追い詰めたところで、何かが生まれるわけでもありません。
 
つまり怒りは、感情と論理がくっついているからややこしいのです。であるならば、感情と論理を分けて対処したり、溜め込まずに小出しにしていくのが、「怒りのいなし方」の基本といえそうです。

(3)「期待」と「現実」のギャップに目を向ける


ところで、経営者やリーダーが「怒り」を感じるのは、どんな場面でしょうか。
会社内部の人間、あるいは取引先の言動、あるいは行政等に対して怒りを感じることもあるでしょう。
 
対処法は極めてシンプルです。
すでに知っている人にとっては当たり前のことではありますが、怒りの多くは「期待」と「現実」のギャップによって生じています。期待が高ければ高いほど、現実とのギャップがあればあるほど、不安、失望、怒りは大きくなり、期待が低ければ低いほど、小さくなるだけの話なのです。
 
ですから、「最近、怒ってばかりだな」と感じるなら、「周りに期待し過ぎていないだろうか」と考えたり、「相手に期待するばかりで、自立できていないのではないか」と考えるとよいでしょう。「しっかりと自立してやっていくんだ」と思えるなら、相手への期待は下がります。期待が下がれば、相手に対して怒ることも少なくなっていきます。
 
なかには、「自分だったらこうするのに!」という思いが強過ぎるがあまり、相手が思い通りに行動しないことに対して、怒りを感じてしまう人もいるでしょう。
しかし、自分が自立した存在であると同時に、相手も自立した存在であるわけですから、「自分だったらこうするのに!」と怒るのは、自分勝手ともいえます。
 
たとえば、「部下がいつまで経ってもメールを上手に送れない」という現実があったとしましょう。リーダーとしては「自分が若い頃はもっとできた」とか「自分も若い頃はダメだったな」等々、いろいろな感情が湧き上がってくるとは思いますが、その感情はいったん置いておきましょう。
 
そのうえで、「まあ、いまこのくらいのレベルなのは仕方がない」と期待値を下げると同時に、現実を上げるために「もっとやりやすい方法はないだろうか。作業しやすいように環境を整えられないだろうか」と考えたり、「フィードフォワード」したりすることで、その人が力を発揮しやすいように応援していくとよいでしょう。

慣れてしまえばそれほど難しいことではないのですが、怒りっぽいコンフォートゾーンが出来上がってしまっていると、新しい習慣を身につけるのは苦労するかもしれません。
一歩ずつ、身に着けていけばいいと思います。
 
今回は、「怒りのいなし方」をテーマに、「期待」を下げたり、「現実」を上げたりすれば、期待と現実との乖離は小さくなることをお話ししました。最後までお読みいただきありがとうございます。
次回またお会いできるのを楽しみにしています。


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