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【シーズン4-9:エグゼクティブの成功マインドを磨くCEOコーチング】「周囲」とうまくつきあう④~親子の問題か、事業の問題か

(1)「問題」が生じるのは事業がうまくいっていないから!?


こんにちは。
エグゼクティブ専門コーチの久野和禎です。
 
シーズン4のテーマは、「つきあい上手になる考え方」。
今回は、人によっては一番難しいと感じる「親とのつきあい方」についてお話しします。
 
たとえば、経営方針をめぐる親子の対立。
私も相談を受けることがありますが、「親子の問題」と「経営の問題」とがごっちゃになってしまっているケースがあります。
親から子にバトンを渡すという意味では「親子の問題」といえそうですが、企業には従業員がいて、取引先がいて、コミュニティがあって、背負うものが大きいからこそひずみが生じるというふうに考えれば「経営の問題」と捉えることもできます。
 
経営方針の対立が目立つ場合、たいてい私自身は、「事業」そのものに問題があると考えます。
事業そのものが構造的に古くなってしまって、このまま続けても儲からない、存続すら厳しい、あるいはこれまでのスタイルで継続するのは難しいといった要素が積み重なり、先代経営者と現代の経営者の考え方、あるいは現在の経営者と後継者の考え方のギャップにつながっているのではないでしょうか。
 
つまり、会社が順調にいっていれば、御家騒動は起こらないはず、ということです。そうやって考えると、親から子への事業承継の話ではなく、ビジネスの継続、維持、拡大が上手にできているかどうかの話になってきます。
 

(2)親が意見を聞いてくれない理由


事業には目的があります。
利益を先に置くのか、やることを先に置くのか、関わっている人を先に置くのか――。
それぞれ微妙に違いはありますが、それらは三位一体です。

たとえば、利益や売上を上げ続けることが、従業員や取引先等の関係者を幸せにしたり、社会に価値をもたらします。
もしくは、順番を変えて、社会に価値をもたらすことが従業員だったり取引先の幸せにつながり、結果として会社に利益が残るということもできます。

いずれにしても、そういった状態が維持できていれば、変化の激しい時代においても、次の一手を打つことが可能になり、経営における「親子の問題」が発生する確率はずいぶんと減るはずです。
 
今回はリクエストがあったこともあり、「事業承継」を題材にしているのであって、「親子の問題は難しいものではない」と言いたいわけではありません。
でも、あなたが経営者だとして自分の子どもとどう関わるのか、あるいはあなたが次世代の経営者で、経営者である自分の親とどうつきあうかという話を、親子のコミュニケーションの問題にせずに、事業の問題として捉えて、事業を伸ばすためのスキルを磨いたり、知見を広げてみてはいかがでしょうか。
 
たとえば、子どもの側が「親が自分の意見を聞いてくれない」と思うようなケースの多くは、「ビジネスを任せられるレベルに達していないから聞いてくれない」のであって、息子や娘がそのレベルに達したなら、親も安心して任せるに違いありません。
子どもの方は、自分には力が付いたと思っていることが多いのですが、親が子供の方針に賛成できない時には、実は子供の経営の腕前の方がまだまだ、というケースが少なくありません。

(3)親と子は離れて住んだほうがいい


後半は、事業絡みではなく、一般的な話として「親とのつきあい方の難しさ」について、「コンフォートゾーン」をベースに考えてみましょう。
 
「うまくいかない」と言い切る必要はありませんが、うまくいかないのは「親のコンフォートゾーン」と「子どものコンフォートゾーン」が違うからです。帰省といった短い期間であれば、「相手のコンフォートゾーン」につきあうこともできるでしょう。ですが、同居したり、近所に住んでいると、「コンフォートゾーン」の違いが顕著に感じられます。
 
では、どうするべきなのでしょうか。
 
自分の意見を正直に言わないのはフェアではないので、私の考えをお伝えすると、自立した生き方をするためにも、親と子どもはある程度以上、離れた場所に住むことをおすすめします。
遠ければ遠いほど、双方が自立します。

私の考えに科学的根拠はありませんが、認知科学的には「コンフォートゾーン」は存在します。
「自分のコンフォートゾーン」と「他人のコンフォートゾーン」とは基本的には相容れないものだとすると、近くにいればいるほど、その違いが目について揉め事に発展してしまいます。そうならないためには、離れた場所に住むしかありません。 
 
個々の事情を考えると「年老いた親の面倒をみなければならない」とか「子どもの面倒をみてほしい」といった事情があることでしょう。
ここでは、そうした「利便性」の話ではなく、「自分のコンフォートゾーン」を確立して、自由自在に自分の思う方向に動かしていけるような自分になるにはどうすればいいのか、という観点でお話ししています。
であるならば、依存関係に近い、頼り頼られるような「コンフォートゾーン」を確立しないほうがいいと私は考えています。
 
この連載でも解説している「ゴールドビジョン」においては、「人を巻き込み動かす力」が大切になってきますが、それは「依存関係」とは違います。

「人を巻き込み動かす力」は「ゴール」があるからこそ発揮できる力であり、目指す方向にいる人に引っ張り上げてもらうために欠かせない力です。
 
人は一人では生きてはいけません。でも、誰かに頼るのではなく、自分の両足でしっかりと立つことができる自分になることが必要だと思うのです。
私がサポートしている経営者たちは、いろいろな困難にぶつかりながらも、自分の両足でしっかりと立とうとしています。そういう人だからこそ、結果を出して成功しているのです。
 
私の考えに対して異論がある人もいると思いますし、「家族というのは頼ったり頼られたりしながらやっていくものでしょう」という考え方や、「サポートしたりされたりしないと乗り切れない」という状況があることも理解しています。
 
それでも、お互いがお互いの「コンフォートゾーン」を尊重し合える関係が理想だと私は思います。そして、自立している期間は長いほうがよく、やむにやまれず、物理的に離れて暮らすのが難しくなって依存気味の関係になったとしても、心の自立だけは保ちたいものです。
 
今回も最後までお読みいただきありがとうございます。
次回またお会いできるのを楽しみにしています。

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