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【シーズン3-15:エグゼクティブの成功マインドを磨くCEOコーチング】人を巻き込み動かすための7つの力③~伝える、植える、育てる

(1)「言葉」よりも「無意識」を磨く


こんにちは。
エグゼクティブ専門コーチの久野和禎です。
 
シーズン3では、書籍のタイトルにもなっている「ゴールドビジョン」についてお話ししています。
 
今日のテーマは「人を巻き込み動かす力」を構成する「7つの力」の5番目、6番目、7番目です。「ゴール側のコンフォートゾーン」に受け入れてもらうところから、いよいよ自分のゴールを伝え始めるフェーズになります。
 
では早速、5つ目の「伝える力」からスタートしましょう。
夢をもっている人の中には、相手が初めて会った人であっても、勢いよく「こんな目標を達成しようとしています!」としっかりとアピールする人もいると思います。
ただ、多くの人は、はじめて出会った人の夢を聞かせてもらったとしても、「いいね」とは言ってくれるかもしれないですが、心の中にはそこまで入っていかないのではないでしょうか。
 
だからこそ、「人を巻き込み動かす力」では、まずは応援される土台をつくるために「信頼」を得て、その次に自分のビジョンやゴールを伝えて「共感」してもらうというように、2段階に分けて考えています。
 
信頼を獲得したあと、言葉を尽くして一気に伝えたくなるかもしれませんが、人間のコミュニケーションは、実は「言葉」以外のところでかなりの部分が成り立っています。
もう少し具体的に言うと、無意識同士がコミュニケーションする側面があるため、話をしている人が自分自身のゴールに対して「確信」をもっていることが必要になります。
確信の度合いは、「何がなんでもやるんだ!」という気持ちと「できるんだ!」という思いを組み合わせることで高められます。
 
無意識同士のコミュニケーションによって、伝えたいことは伝わるといっても、「開発しようと思っているアプリケーションの内容、コンセプトについても伝わっていますか?」という問いに対する答えはさすがに「いいえ」です。そういうことではないのです。
 
それでも、無意識同士のコミュニケーションを「主」とすると、言葉はそれを補完する「従」であり、無意識での伝達がしっかりと行なわれてはじめて、言葉が効果を発揮するというイメージをもっていただきたいと思います。
もっといえば、「しっかりとした資料や映像を使ってプレゼンテーションすれば、相手の心は動く」という考え方に、私は疑問をもっています。もちろん、言葉を磨くのも大事ですが、無意識を磨くことで、立ち振る舞い、表情、知性といったものが変化して、相手に伝わるのではないでしょうか。

(2)人はみな「自分で決めたい」と思っている


6つ目の「植える力」は、無意識、脳の力を全開にするものであり、かなりパワフルで、決して悪用してはいけない力です。
 
「これいいよ」「これ絶対やったほうがいいよ」と何度も言われると、気持ちが逆に振れてしまい、むしろ「嫌」になってしまうのが「人間」です。みなさんも押し売りされて、買う気がなくなってしまったことがあるのではないでしょうか。
 
もちろん、しっかりした人間関係ができあがっていれば話は変わってきますが、基本的に「自分で決めたい」と思っているのが人なのです。
それならば、「人は自分で決めたこと以外はなかなか受け入れない」という前提で見た時に、人に動いてもらうには、「いかにして自分で決めてもらうか」を考えればいいことになります。
 
たとえば、購買のステップを設計するならば、購入する本人が自分の意思で決断するステップを設けるとよいでしょう。もちろん、大前提として本人が必要性を感じていなければ意味がないのでその点にも対策が必要です。
 
ここで効果を発揮するのが「植える力」です。
「植える」というのは、相手の心の中に「情報」を植えることを意味しています。
 
本来、人は十分な情報さえあれば、自分で判断して決めることができます。決められないのは情報が足りないからです。そうであるなら、十分な情報を提供すればよいことになりますが、先述したように、人は自分で決めたい生き物であり、「これいいよ」とプッシュの情報が与えられると、本当にそうか?などと思ってしまうのもまた事実……。では、どうすればよいのでしょうか。
 
実はこんな方法があります。
たとえば、「買う」判断をするのに必要な情報が5個あったなら、3つだけ提供して、残りの2つは自分で探してもらえばいいのです。自分で情報を探して決断すれば、「自分が決めた」ことになります。

(3)情報は植えるだけでは育たない


7つ目は「育てる力」です。
情報は一度ではなく、少しずつ植えていくことになりますが、相手が忘れてしまわないようにリマインドする必要があります。
種を蒔いて、芽が出たら、水をあげたり、肥料をあげたり、光をあてたりするように、タイミングを見ながら「育てる」コミュニケーションをしていかなければなりません。
 
「育てる力」は目立たない力ではありますが、たとえば、一流の営業パーソンならしっかりやっていることでもあります。
植えた情報をしっかりとリマインドして、場合によっては、足りない情報を探すように促すことで、情報は育っていくのです。
 
情報をすべて与えたら、妥当な判断、適当な判断をするだろうと思うのは錯覚です。すべての情報を網羅した完璧なプレゼンをしたからといって、相手がこちらの思うとおりの選択をすることはなく、むしろ、必要な情報が5個あるのなら、1個、2個は残しておくことも実は効果的なのです。
 
今回も最後までお読みいただきありがとうございます。
次回またお会いできるのを楽しみにしています。

追伸、『フィードフォワード』が増刷になりました。
地道にコツコツと必要な方に届いているようです。
ありがとうございます。

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