トリチウムは量では語れない

福島第一原発事故で発生した高レベル汚染水。
政府は、ALPS(多核種除去設備)処理した処理水を、海洋へ放出することを決定した。
このALPS処理では、トリチウムを取り除くことができないため、海水で希釈するとしています。
最近の報道では、トリチウム以外も取り除けていないことや、実際には処理水タンクの内部の水の性状が調査されていないことなどが発覚しており、政府の主張する安全性の根拠が大きな問題となっています。

今回はこのトリチウムについての調査をまとめます。
政府や東電に媚を売るような専門家は、よくトリチウムを量で語ります。
基準値以下だから安全、だとか、すでに日常的に放出されてる、だとか。
すでに日常的に放出されていることは事実ですが、なぜそれを問題視しないのでしょうか。
その専門家らの発言は、科学的な根拠に基づいているとは言えません。
なぜなら、トリチウムは量では語れないからです。

トリチウムは、その量で健康被害が決まるのではなく、トリチウムを取り込んだか否かで決まります。
生物の中に取り込まれたトリチウムは、その一定数が有機物と結合することでOBT(有機結合型トリチウム)に変化します。
OBTは一度体内に入ると、なかなか体外へ排出されないという特徴を持っています。
OBTは、染色体などの重要器官に結びつく作用があり、高分子結合を行います。
OBTが半減期の12.32年を経てベータ崩壊し、ヘリウムへ核壊変することでその高分子結合が壊れます。
これは重要細胞が壊れることを意味し、そこから白血病やがんにつながるという報告があります。

カナダの重水炉型原発周辺や、日本の玄海原発周辺では、トリチウムによるものとみられる健康被害が報告されています。
カナダでは、ダウン症の80%増加、新生児死亡率の増加、小児白血病など。
日本でも白血病による死者数が、原発周辺では全国平均よりも大幅に多いという報告が上がっています。

実際の健康被害や、トリチウムの化学的性質による影響は、多くの専門家は述べません。
原発が稼働するだけで、トリチウムは放出されます。
処理水の海洋放出だけでなく、原発自体も早急に止めていかなければならないと思います。

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