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なぜ会社を辞めたのか(年収◯千万円の生活を捨てた理由 その1)

年収の話をするととてもイヤらしく聞こえるように思うけど、ある程度想像のつく金額をお伝えしないと面白くないと思うので申し上げると、先日辞めた会社でいただいていた年間の給与はボーナス込みで額面○(片手の半分くらい)千万円くらい。
同世代との比較だと、統計上は大体上位1%以内になるらしい。
100人に一人以下の割合。
想像に難くないと思うけど、会社や上司からの、成績やパフォーマンスに対する期待値は高くプレッシャーも大きいが、実働時間はそんなに毎日徹夜するほど酷くないし(30代は毎日午前様だったが、40代超えてくるとそんなでもない)、やっている仕事や会社の人間関係に満足していて円満であれば、誰も辞めようなんて思わないだろう。
給与の水準だけ見れば、おおよそサラリーマンなら大半が羨む金額だろう(そんなでもない人も世の中いっぱいいるのは承知している)。
それでも辞めたいと思ったのにはいくつかの理由がある。
その理由について、これから何回かに分けてお話ししたいと思う。

ちなみに、会社と上司に辞めるという話をした時は、転職経験は何度もあるのに、毎回とても緊張して慣れない。
やはり自分がどうしたいか、よりも上司や同僚のような周りの人々にどう思われるか、ということに心奪われていたんだなと、今は思う。
そして、会社を辞めてもうすぐ5ヶ月になるが会社が傾いたとかトラブルに巻き込まれたという話しは一切聞かないので、私一人が辞めたところで会社も上司も同僚も世の中も変わらず回り続けるのだから、会社を辞めたいと思ったらいつ辞めてもオッケー、No worry。
周りの人は、大抵「なんで辞めるんだ?」とか、「次は何をするつもりなのか」と心配している振りして(本当に心配してくれる人もいるはず)羨ましく思いながら聞いているんだろうなという反応もあれば、「いつ戻ってきても良いよ」と有難いコメントもいただいた。
まあ、戻らないけど。
そういった今まで一緒に仕事してきた人の反応が面白くて、やはりこういった時に人間性が出るなと思った。
ちなみに会社でトラブルが起きた時の危機対応も、それに関係する人や周りで見ている人の言動にその人の人間性が色濃く出るので、そういった観察も面白いと思う。

さて、会社を辞めた理由、その1。
それは年齢と、仕事に対する気持ちの整理。
会社を辞めようと決意したのは、50歳という節目を迎えて、これからも今の仕事を続けるのか、あるいは人生リセットするのか、本当に自分がやりたいことは何なのかと自問した時に、今の仕事ではないな、と思ったから。
うちの奥さんに「今の仕事が好きか?」と聞かれて、好きと即答できなかった。
何かモヤモヤする部分を突き詰めていくと、もう20年近く続けてきた仕事に対するプライドと、それを好きではないと言えば自己否定に繋がるから、だと思う。
でも結局好きじゃなかったのよね。

あと辞めるに当たって考えたのは、もちろん将来の人生設計。
仮にもう5年頑張って辞めれば55歳、もう10年頑張れば60歳。そんな年齢になった時に、初めて、ずっと夢として描いてきた職業にトライしたい、こういった趣味に挑戦してみたいと考えたところで、体力は衰えていく一方、そして気力というか気持ちがついていかなくなり、やりたいことができなくなる、という最悪なシナリオが容易に想像がついたので、もう少し頑張るというのは選択肢ではなくなった。

20代、30代、40代とサラリーマン人生一筋で、色んな上司や先輩を見てきたので、こうなりたいという人間像(というかRole model)はイメージできていたが、結局それは自分がこうなりたいというインナーチャイルドが求めている像ではなくて、周りから自分がどう見られたいかという虚像だったんだな。
面白かったのは会社を辞めるという話しが全体に行き渡った時に、声をかけてくれる人の大半が「羨ましい」「自分もできれば早くに卒業したい」「楽しそう」という反応だったこと。
そんなに思うんだったら、早々に辞めた方が良いと思う。
もちろん家族の生活や家のローンを抱えて脱サラするなんてリスキーって思うだろう。
会社を何歳で辞めようが、辞めた次の日からその肩書きはなくなる訳で、それは定年退職する時も今辞めるのも同じ。
今まで○○株式会社営業部の□□です、と挨拶していたのが、急にただの□□です、と名乗るようになるのはちょっと不安というか心細いかも、って私も脱サラするまでは思ってた。
でも辞めてしまえば、むしろ何にも縛られない、何もないところからのスタートと感じることができてむしろ清々しい。
色々と背負っていたものを脱ぎ捨てて、今まで大事に思っていたものを手放していくと本当に自分にとって何が大事か分かる気がする。
家のローンだって、それに束縛されるよりも、家を売って賃貸に変えた方が肩の荷が軽くなるだろうし。

何かに縛られて辛いのを我慢するのが、肉体的にも精神的にも害があることを知ったから、もう我慢するのは止めた。
辛いのを我慢してでも自分や家族や大切な人のために仕事をやることを否定はしないけど、私にはもうそんなことをする体力も気力もございません。
辞め時が分からないという人がいるかもしれないが、それは周りが色々騒いで無駄な情報が入ってくるからだと思う。
他人がどうこう言おうが無視して、自分の直感を信じて決めるのがいい。
好きなことをして自由に生きていきたい、それが叶うなら自分はそちらの道を選びます、というお話しでした。

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