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なぜ会社を辞めたのか(年収◯千万円の生活を捨てた理由 その3)

ずいぶん昔の話になってしまったけど、昨年になぜ会社を辞めたのか、理由のその3を書いていないことに気づいたので、少し触れておきたい。

会社を辞めた理由、その3。それはコロナ騒動が勃発する直前に母親が他界し、最期の会話で、私たち残されるものに対して、「あなたたちは自由に生きなさい」というメッセージを受け取ったから。

大学を卒業してから、金融関係のサラリーマンになったことで、うちの両親は安堵したようだが、そこからの25年間はかなりキツい人生だったように思う。トレードオフとしてお金には困らなかったが、周りに気を遣うことばかりで、仕事がストレスの原因となって、失うものも多かった。そしていつしか自分自身も黒いオーラを纏い、家に帰ってもストレスが溜まるという悪循環。そんな中で自分の母親が癌で亡くなった。

癌がわかった時にはステージ4で施しようがなかった。そんな中、病院の先生からは当然のように抗がん剤治療を勧められたが、それを母親は全て拒否した。理由は自分の母親(私にとって祖母)がやはり癌になった時、抗がん剤治療の酷さを痛感したから。もっと良い死に方(というか生き方)が選択できたのに、抗がん剤治療に不安が過ぎったのにそれを始めたらあっという間に体調が悪くなって、血色が悪くなって、苦しんで、そして亡くなっていった祖母。それを見て、自分は一切抗がん剤治療をしないと腹を括ったようだ。結果として、亡くなる前日くらいまでほぼ通常通りの意思疎通もでき、それなりの食事も出来たし、おそらくそれは本望だったと思う。

一方、癌になってしまった理由はおそらくストレス。と言うか、精神的な強さゆえの力みが原因だろう。父親、姑、義理の姉妹との確執が、精神的なダメージとして蓄積され、それが身体にまで影響したのだろう。今の世の中であれば、もっと簡単にそこから離れることもできたかも知れないが、昭和の世代の田舎生活は体裁なんかを重んじるもんで、なかなか飛び出すことができなかった。だからこそ、自分たちに最期のメッセージとして、自由に生きろ、と言ったのだ。

母が亡くなって、コロナが始まり、自分もリモートで仕事をするようになり、今まで抱えていた問題点がより浮き彫りとなり、そんな状況をなんとか夫婦というか家族で乗り越えていくために脱サラと移住をした訳だけど、結果としてはこれが大正解。自分自身は随分無職生活が長いが、そのおかげで力みもストレスも取れて、いい感じで緩んできて、家族関係も良好で、皆んながハッピーになっている。

ただ、昔の価値観や力みはまだ取れていない。たまに、昔の「俺」が発動して、鬼が出てくる。この鬼は一体なんなんだろう。うちの家族が代々引き継いでいるカルマなんだとうちの奥さんは言うが、そうなのだろうか。この鬼退治が出来た時にはもっとハッピーな自分になる気がする。

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