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2023年振り返り

変化が多い一年だった。「今年を漢字一文字で表すと?」が流行っているのだろうか、2人ぐらいから質問を受けてその時に出たのは、”繫”かな。

丸紅を辞めてマイクロ波化学に転職。それを機に東京から大阪に移り住んだ。住む場所と働く場所が同時に変わった。それに伴い付き合う人も変わった。そういう意味で変化は多かった。

大前研一氏曰く、人間が変わる方法は3つしかなく、時間配分を変える、住む場所を変える、つきあう人を変えること。そういう意味で2/3が変わったわけだから変化も大きいはずだろう。

“繋”としたのは、自分の人生における過去、現在・未来、これまでやってきた仕事と現在の仕事、一見大きな違いがあるけど、何かしら自分の中では繋がったような、そんな一年だった。変化を起こして点が生まれて、その点が薄く繋がったような気がする。

ただし、ただ繋がっただけ。そこからの線を伸ばすことは出来なかった。変化についていくのに必死で、点を打つことに必死で、その点と点をどう結びつけて、今後どう描いていくのかを考えて、それに向けて能動的に動くことはできなかった。その点で不甲斐なさも残る一年だった。


来年はこの線をより太く、より長く伸ばしていけるような、そんな一年にできればと思う。


付き合う人の変化という点では、以前は商社マンや海外のエネルギー企業、銀行マンが多かったが、今は研究者やエンジニア、スタートアップ経営者と共に働く時間が増えた。

業務領域についても電力やインフラ分野からエネルギー、化学、鉄鋼、非鉄と幅広く広がった。一緒に仕事する人も化学メーカー、鉄鋼メーカーの研究者、営業マン、将又国立研究所の研究者など担当エリアの領域も職種も何倍にも広がった。

全く知らない業界についてキャッチアップするのは大変だが、大変さよりも知らないことを知ることができる面白さの方が上回った。


まだ言葉には言い表せてはいないが、日本の産業・技術・エネルギーの領域で革新的な技術を事業化し、世界に展開していきたい、という思いは強固になった。人生を懸けてこの領域で何かしらやっていきたい、という決意が芽生えた。

化学や鉄鋼など全く知らないのに、feelingだけで飛び込んで本当に良かったと思う。

とはいえ、ただ薄く広く知って「へー」と頷くことは知的好奇心は満たされるものの、1円にもならなくて、事業化するまでの道のりのハードルの高さも痛感した。既存のプロセスがある中でそれを新しいシステムに置き換える難しさも理解した。

大変なことはとても多い。スタートアップは金もないし、人も常に足りないし、技術も開発中。ないものだらけの中で国際競争力をつけて技術を事業化しなければならない。

かなりの数の案件が同時に動いているが、人もいないので物理的にそれぞれに割ける時間は限定的。でも、絞りすぎるとリスク分散にならず下手すると会社が倒産してしまうリスクもある。エネルギーや化学の領域はタイムラインも比較的長く、どの領域が来るか、なんてそう簡単にはわからない領域でもある。薄く広く戦略はdeep techが取りうる一種の戦略としてはあるのだろう。でも、1000億円の会社を目指すのであれば、どこかのタイミングで跳躍が必要で、選択と集中をかける必要があるのだろう。

とてつもなく遠く長い道のりに圧倒されてしまうこともあった。それでも、清濁併せ飲んで進んでいきたいと思うし、大変なことが多いのは壁が高く、目標が高いという証拠。ここで数年必死に踠いてみよう。カーボンニュートラル実現に必要な事業を作り上げるべく頑張ろうと思う。

「男たちの好日」の牧さんのように「我日本の柱たらん」と胸を張っていえるほど何もやっていないが、全身全霊体当たりすれば光が見えるはず。そう信じてやるしかない。


もうすぐ29歳になる。20代最後の一年。より線を長く太くするためにとにかくやってみよう。バランスを調整して後に倒れるのではなく、崩して前に倒れるような勢いでとにかくやってみよう。常識を疑って、誰もやらないことを本気でやってみよう。


お陰様で新しい会社でも人に恵まれている。自分はとても運だけはいいのだとつくづく思う。

自分が全く知らない領域の専門家である研究者・エンジニア、人生を懸けて会社を起こした創業者。半端なく働き者で、頭がキレキレで手足も動く同僚たち。一緒に働く仲間と未来に向けて新しい事業を創っていくのは本当に楽しい。熱意に溢れたお客さんからも学ぶことは多いし、刺激的だった。


今年一年出会ったすべての人たちに感謝申し上げたい。

#今年のふり返り

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