モテようとすな | 2024.07.14
・こんにちは！ 質問に回答する箱に届いたやつを回答していきます！
・とても長かったので一部抜粋・要約とさせていただきました。
◆自分は推しているシンガーがいます
ワンマンなどはまだできない規模で、ライブ出演といえば数名のシンガーが出演するフェス形式のライブにたまに呼ばれるくらいです。
ファンの分母が少ないので現地参加するファンもいつメンばかりです
それは別にいいのですが、 一人とてもはっちゃけた人がいて、 よく言えばライブを盛り上げようと一生懸命なのですが、 悪く言えば悪目立ちが過ぎるように感じています
具体的には、声援というよりは野次を飛ばすのが気になります
少しのミスにちゃんとやれーなどと大声を出したりするのです
エモく歌い上げてさよならの挨拶をし幕が下りる寸前に忘れ物をしたというポストに対するもう忘れ物するなよーと言ったりです
場の空気が読めておらず雰囲気も余韻もぶち壊しです
コールのある曲では誰よりも大きな声で率先してコールしたりするので、 彼女を推しているのは間違いないのですが、野次だけは受け入れられません
現地参加がいつメンばかりなのでイベントごとにどうしても顔を合わせますし、流れで打ち上げに行ったりする時は同席したりもします
正直最近は彼がいる現場には行きたくない状態です
けれど、推しには会いに行きたい
彼女が彼をどう思っているかはわかりませんが立場上無碍にできないのか本当に気にしていないのか、彼の野次にもレスポンスするし、配信でも彼のコメントを拾ったりするので、それがまたモヤモヤしてしまいます
彼のせいで彼女の現地の客入りが増えないのではとも思い心配です
自分は彼に一言物申すべきなのでしょうか?
それとも彼女にDMなどでホントは嫌なのではないかと確認するべきなのでしょうか?
矢口さんが経験した現場にはそういったお客さんがいたことはないですか?
お気が向いたらでかまいませんのでご意見いただけたらと思います
・質問というか、わりとマジめのお悩み相談的な長文が届いてぎょっとしました。原稿用紙4枚分、データサイズにして4キロバイト程でした。これはすごい。
・ジャンルによって色々と異なる場合はあるでしょうが、作品を楽しむのにファンダムの在り方が関わってくるというのは面白くもある一方で難儀なものだなと思います。
ちなみに自分は、何かを楽しむのに自分を含む消費者（ファン）が主体に関わる必要は全く無いというスタンスなので、そういった迷惑？なお客さんがいる現場に遭遇したことがあったとしても記憶に残さないし残りません。
・さて、何事もまず、発端を捉えることが大切です。
質問者さんの仰っている「はっちゃけた人」（以下、ハッチャケマン）は、なぜ質問者さんの推しのシンガーさん（以下、推シンガー）に対しそのような振る舞いをしているのでしょうか？
A. 推シンガーのことを実は嫌っていて、嫌がらせをするために生きている
B. 推シンガーにモテようとしている
丸一日マジメに考えたのですが、たぶんこのどちらかかだと思います。
・Aという線はまあ、捨ててもいいのかもしれません。毎回ライブの現場にいるし、コール&レスポンス？もちゃんとやっているうえでの嫌がらせをしているなら、もうその気合は尋常ではありません。
この手の勢力は直接的な危害を加えてこない限り、むしろお金払いの良いお客さんでもあるので、推シンガーさんもあえて泳がせているのかもしれませんね（この質問の本質はここでほぼ捉えられている気もしますが一応続けます）。
・とすると、Bしかありません。
ハッチャケマンは、モテようとしているんです。
・ならば、質問者さんのすべきことはひとつです。
肩で風を切りながら臆せずライブに参戦し、当然のようにいるハッチャケマンがまた野次を飛ばそうものならば、負けないくらい大きな声で「モテようとすな〜〜〜〜👆！！！！！！」と叫びましょう。
野次に勝つ方法は、完全に無視をするか、それを上回る野次で返すしかありません。
「モテようとすな〜〜〜〜👆！！！！！！」
「モテようとすな〜〜〜〜👆！！！！！！」
「モテようとすな〜〜〜〜👆！！！！！！」
「モテようとすな〜〜〜〜👆！！！！！！」
「モテようとすな〜〜〜〜👆！！！！！！」
「👆👆👆👆👆👆👆〜〜〜〜👆！！！！！！」
「モテようとすな〜〜〜〜👆！！！！！！」
これで勝ちです。現場は騒然としているでしょうが気にしないでください。
気付けばハッチャケマンは自らの愚かさに赤面で逃げ帰り、次のハッチャケマンの称号は質問者さんが引き継ぐことになるでしょう。
復讐の連鎖です。
この世は逃れられぬ絶望の輪廻の理のなかに渦巻いています。
・しかし、どうしたって周りの存在を慮ることのできるスキルは人によって練度に差が出るものです。
皆が皆、他人が不必要なまでの迷惑を被らないように自らを律することができる者であれば、道端に転がっている汚ねー空き缶や弁当ガラはもっと減るでしょう。
そういった輩にエンカウントすること自体は珍しくも何とも無いので、仕方ないんです。
・そもそもですが、このお悩みの着地点は「自分（質問者さん）が気持ちよく推シンガーを楽しめる環境じゃないから嫌だ、何とかならないものか」というところに終始しています。
問題解決のために"他人を動かす"という手段は、あくまで最終手段です。
他人を変えることほど難しいことはなく、自分が変わって解決するのであればそれが最も簡単で効果的な方法だからです。
・というのを踏まえた上で、質問者さんが提示している選択肢を検討してみます。
＞彼女にDMなどでホントは嫌なのではないかと確認するべきなのでしょうか?
・こんなことはしてはいけません。しても意味がないです。
推シンガーは庇護欲という名の歪んだパターナリズムを直接的に向けていい相手ではありませんし、何でも素直に聞いてくれるお母さんでもありません。
「そうなんです、実は嫌だなと思ってたんですよ〜〜」なんていう応えはまず返ってきません。
質問者さんも仰っているように"立場上"があるからです。それが活動を続けていくための前提能力なのです。
もしかすると本当にお金のために我慢をしているのかもしれませんし、そもそも迷惑だなんてハナから感じていないかもしれません。そういった多角的な理由によってハッチャケマンを抱えたまま、現在も活動を続けていることを選択しているのでしょう。
いち個人のファンである質問者さんに対して、私情の入った具体的なアクションを必要とする回答はしないと思います。
（もし聞いてみてしまったとして「そうなんです、実は嫌だなと思ってたんですよ〜〜」と返ってくることがあれば、そこにはまた別の問題が生じます。普通にヤバいですそれは。）
・そして、このお悩みの大部分は質問者さんの主観でしかありません。
私はその一連の状況に立ち会ったわけではないので正しい判断は難しいですが、律儀にライブに通い盛り上げ、なんなら打ち上げに合流までしているハッチャケマンさんが本当に「はっちゃけすぎている」ようには思えない節もあります。
私からしてみたら特定のライブ現場の伝統芸能である「お水おいしい？」的な声掛けですら恐怖と畏敬によって忘れ去るべき対象ですが、意外と質問者さんの通う現場の文化圏ではそれくらいのはっちゃけは許容範囲なのかもしれません。
こうなってくると恨むべきは「目立ちたい」という人間の原罪ですが、一旦そこは置いておきましょう。
＞自分は彼に一言物申すべきなのでしょうか?
・クローズドな空間で、且つ個人間での指摘程度に済むのであれば、それもありでしょう。
ただおそらくそれは叶いません。ここで周りに迷惑をかけぬよう己をゾーニングする配慮ができる人は、最初から公の場ではっちゃけないからです。
そうして漏れ出た諍いは推シンガーとその他大勢が属するファンコミュニティに波及し、皆が不幸になります。
その不幸はコミュニティの成長にとって必要な不幸だともしかしたらお考えになるかもしれませんが、質問者さんにしろハッチャケマンにしろ、いちファンが成長を司るほどの影響力を持つことの弊害は気にするべきでしょう。
質問者さんは外部から見た推シンガーのブランディングを気にされているようですので、それが不本意であろうことは自明の理です。
・質問者さんに出来るのは、ただ信じることです。
こういった問題に対する最も穏便で本質的な解決方法は、一部のハッチャケマンが覆い隠され相対的に目立たなくなるほどのより多くのファン母数を獲得することですが、それが出来るのは推シンガー以外にありえません。そのようにグングン成長していく可能性を信じるしかないのです。
ハッチャケマンのような人がいるせいでファンが増えないのでは……というご心配もよく理解できますが、それが事業拡大上の障壁になっているとすれば、それを最終的に何とかするのはファンではなくアーティスト側です。
・それと、質問者さん含め多くのファンがこの問題を深刻に捉えているなら、アーティストはもっともっと深刻に考えているはずです。
ファンが思う「成長性の心配」とアーティストが思う「成長性の心配」には、そこにつきまとう死の匂いの濃度に圧倒的な差があるからです。
・何かしらリミットを設けるのは良いかもしれません。
いついつの節目までに状況が変わっていなければ、もう質問者さん自身が変わるしか道はない、と考えることもできます。
そのときはそのときで、第一線のファンを退いたり、楽しみ方を変えたり、よりストレスのない消費方法に切り替えましょう。
・ただ、モテようとしている奴には例外なく野次を飛ばしてください。絶対にです。
周りの迷惑も顧みず、楽〜にモテようとしている奴は総じて駄目です。
人差し指を天に向けながら叫んでください。
・そうすればこの国も少しだけ良くなります。
ご質問ありがとうございました。さようなら。
・引き続き、質問がある人はすべての質問を送るように。
・noteでのみ扱うのでTwitter上で回答することはありません。世の中はもっと狭くあるべきだから。
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