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静的熱狂と豆腐の本質 | 2024.07.10

・先日、明朝の散歩で見つけた「礼」を捨てるごみ箱。そんな捨てるもんじゃないぞと思った。

・さいきん気がついたこと→自分はこれまでの人生で「盛り上がった」ことがあるのだろうか?

・無感情クールキャラ(瞼が平行の線として作画されており、飲食物を袖の余った両手で抱えて口に運び、いついかなるときもボソボソと喋る)みたいなことを言ってしまって本当にすみません。

・ここでの「盛り上がり」は、何らかの状況下において場そのものの興奮と云うべき大きなエネルギーに便乗して、ワーっと気持ちの高まるままに大きな声を出したり動作をしたりというものを想定している。自分は大きな声を発したり飛び跳ねたりすることで良い気分になった実体験が無く、熱狂とはいつも己の内側だけに乱反射するものでしかなかった。自分は静的な熱狂でしか熱狂できない。

・だから正確には色々な場面で盛り上がっているし盛り上がるのも好きではあるはずだ。その指向性が外に向いているかどうか、具体的なアクションを伴って出力されているかどうかの違いだったりもするだろうし、体験価値の源泉を他との連帯ではなく自己に求める比重が高いのかもしれない。

・とここまで記してきたが根本はもっと単純で、パーティ・ピープルしぐさに分別と思いきりを以て迎合できぬまま良い年齢になってしまったというだけなんだろうな。大衆アトモスフィアなる波に巻き込まれ突き動かされる悦びを知らず、集団に属することにさえ逆張り続ける哀れなオタクが私なのだ。

・「クラブという場所が、知らないダンスミュージックに身を任せ踊るのではなく、知っている楽曲をみんなで合唱する場所になりつつあるよな(意訳)」というような内容のアレを某所のおすすめで不本意ながら見かけた。

・ここでの「クラブ」という単語の意味する範囲がデカすぎないか、とは思ったが(例えばそのクラブがアニソン等に類するジャンルを流すイベントの実施中であれば、そりゃ合唱とかして盛り上がりを作るのが作法であろうし)、おそらく上述の内容を投下した人は、クラブを"静的な熱狂"の場であるべきと自身の中で定義付けているのだ。知ってる曲をみんなで合唱することで発生するタイプの「盛り上がり」を必要としていないし、それもカルチャーのいち側面であることを理解はしていても納得できていない。

・そうっすね……自分もそういう性質なので気持ちは分からんでもないというか、結構ちゃんと分かるっすね……と思いながら、口に出すのもおぞましい某所のアプリをそっとタスクキルした。



・質問に回答する箱に届いたやつを回答していきます!

◆いま熱いコンテンツを教えてください。

・「ダンジョン飯」。ずっと熱い。漫画とか設定資料とかをKindleで揃えていて、もう3周くらい読んでいるのですが、たまに見返しています。
異世界ファンタジー×グルメという大枠にラベリングされた作品ではあるものの、その皮を一枚剥がしてみると、緻密に考証されたSFと哲学とヒトのドキュメンタリーが姿を現し、ある種の寓話が持てる最大質量のヒューマニズムと人間讃歌が核に詰まっていると感じました。本編はそんな大袈裟な話ではないのですが、だからこそ大袈裟に受け取ってしまう説得力があります。食を真摯に描くことは即ち人間を描くことなのだなと思いました。
もうアニメも放映終わっちゃいましたが2期も決まりましたのでね、良ければ観てくださいね。
あとはなんだろう。「ぼのぼの」作者のいがらしみきおさんとか、芸人の永野さんのYouTubeチャンネルとか、岡本太郎作品とかが熱いです。

◆愁子さんのプロデュースも矢口さんなのでしょうか。オリ曲が楽しみで仕方ありません。

◆日々の業務や作品作りなど、お疲れさまです!素敵な作品に触れていつも元気や感動をもらっています。最近では、先月公開された、愁子さんの「ばらの花」カバーMvが素晴らしかったです。概要欄のクレジットを覗くと、インストに加えてRecやMix、chorus(これは長瀬さんも!)に至るまで矢口さんが担当されていることに驚きました。愁子さんらしい等身大な歌声がこの楽曲にピッタリでした。そこで、今回の江ノ島での撮影に限らず、Mvを作る上でこだわっているポイントや気をつけていることなどあればお訊きしたいです。また、プロデュースをしていく上で一番嬉しいことはなんでしょうか?併せてご回答いただけると幸いです!これからの活動も応援しております!

愁子さんというのは、弊レーベル(所属タレント総数2人)に所属しているこの方のことですね。
自分は愁子さんのデビュー立ち上げと、音楽面のお手伝いのみをやっているだけで、プロデュース的なお仕事には現状ほぼ携わっていません!(楽曲とかがリリースされるときは自分も関わってるかも) 
なので自分も映像含め普段の活動に対しては、半分くらいただの視聴者というかファンの気持ちで、次は何やるんだろうな〜と楽しみにしています。
こだわりというアレじゃないのかもしれませんが、音源も映像もほぼセルフDIYで作っているようなので、なんか色々と迸っている感じがするし部活みたいでカッケーな〜、と思っています。
プロデュースしていく上で一番嬉しいことはたくさんありますが、アーティストのお給料が多い時は嬉しいです。お金って大切だし音楽って全然儲からないので……。

◆豆腐の美味しい食べ方なにかご存知ですか?

・ゴーヤチャンプルー等の炒め物にエイヤッとやるのが、なんだかんだ豆腐という存在の有り難みを感じるに最適な気もしますが、多分そうじゃないんだな。
この有り難みというのは消極的な有り難みといいますか、生姜焼きに相対する白米とか、出汁鍋に相対するお揚げとか、それと同じカテゴリな気がする。キャンバスとしての有用性を評価しているのであって、素材の本質ではないという気がしてならないのです。牛乳とかチョコレートと混ぜて冷やし固めてスイーツにするみたいなのも同じじゃないでしょうか。真の熱狂は己の内にのみ存在するはずです。
だから少しの薬味と醤油だけで良いでしょう。そのうえで「豆腐って極めてふつうの味がするな」と再認識しましょう。

・思ったより長いnoteになってしまった。

・引き続き、質問がある人はすべての質問を送るように。

・noteでのみ扱うのでTwitter上で回答することはありません。世の中はもっと狭くあるべきだから。

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