新年の挨拶 2020.1.1

1.はじめに  明けましておめでとうございます。昨年に引き続き、本年も当連合会の活動に対して宜しく ご支援・ご協力の程お願い申し上げます。  昨年も変化の大きい年でした。世界的には、相変わらず米中貿易摩擦、英国のEU離脱騒動 や冷え込む日韓関係を始め、世界各地での紛争など、政治・経済を問わずめまぐるしい1年で あったといえましょう。一方、日本に目を転ずれば、年号も「平成」から「令和」に変わると共に 「即位礼正殿の儀」も無事に執り行われ、文字どおり新しい時代を象徴する1年でした。日本経 済も消費税増税などはあったにせよ、雇用・所得環境の改善、公共投資等の内需にも支えられ、 まずまずの1年でした。唯、秋口には想定外の台風襲来もあり、あらためて災害時における医 療機器や医薬品の安定供給の大切さを思い知らされた年でもありました。  又、私事ではありますが、昨年6月にやむを得ざる諸般の事情から、私自身が昨年35周年を 迎えた当連合会の会長として24年ぶりに再登板することになったことも、あらためてご報告 申し上げる次第です。 2.新たなる抱負  さて、それでは今年はどんな1年になるのか、又、したいのかを考えてみたいと思います。 昨今は「ヘルスケア」の分野でなくても「AI・IoT・ロボット・5G」などの表現が「キーワード」と して飛び交っています。一方で、「サイバーセキュリティ」「再生医療」など、進むほどに倫理的 な課題や規制、そしてコストの問題もあらためて浮上してきております。しかし、それらにめ げていては前に進めないでしょう。  更には、昨今「データの利活用」をめぐっての議論も盛んに行われています。これなども、「臨 床研究法」を基に大いにビッグデータを駆使して研究開発を進めようという側の立場にとって は「個人情報保護法」による個人情報の漏洩の防止という壁にぶち当たれば、自ら研究開発の矛 先は鈍るでしょう。  一方、国際的にはすぐお隣の大国「中国」に注目せざるを得ません。「米中通商摩擦」は、簡単 に解決出来る問題ではないでしょう。決して日本企業にとっても「対岸の火事」とは言って済ま せる問題ではありません。当連合会でも、本件にあらためて正面から向き合い解決していく為 にも、昨秋から新たな組織体をつくって対処していこうと実行にかかっております。御期待頂 きたいと存じます。  やはり、とにかく医療(機器)産業にあってのスローガンは「未来を想像し、それを創造する こと」だと、私は思います。より具体的に申せば、「医療機器産業の将来」は「イノベーション」 と「海外展開」にかかっていると申しても過言ではないでしょう。 しかし、この2つとも勿論この1年で終結するものではありません。秋の夜長に手にした1冊 に「2030年の世界地図帳—あたらしい経済とSDG’s未来への展望—(落合陽一 著)」がありまし た。要は「医療」の場合でも、イノベーションも海外展開も、余程夫々の国、夫々の地域ごとに 各々の「シーズ」「ニーズ」に合うことをやらなければ「費用対効果」からしても自己満足に過ぎな いことになってしまうということだと思いました。 3.結びに  ・以上の先行きのみならず、この1年だけでも「働き方改革、スタートアップ企業への対応、 人材育成、改正薬機法対応」など、私どもの産業でも取り組まれなければならない課題は 山積みしております。  ・「単回使用医療機器再製造推進協議会」が2年がかりで「産・官・学」のもと進めてきた結果、 当該製品第1号が昨年8月30日に承認されました。安全性・医療費削減・環境問題解決にも 有効なことであるだけに、本年もその動きに注目していきたいものです。  ・当連合会加入の21団体・構成企業の皆々様にとって、本年が良い年であることを祈念して 筆を置きます。

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