新年の挨拶 2016.1.1

 新年あけましておめでとうございます。本年も皆様方のご指導、ご協力を賜りたく、何卒よろ しくお願い申し上げます。 2014年11月に医薬品医療機器法が施行され、早くも2年目を迎えましたが、この1年、業界と して運用の適正化について行政と共に取り組んでまいりました。特筆すべき点として、医療機器 分野でのイノベーションを推進するためのリーダー人材育成の大学講座を、昨年10月に日本で 初めて東北大、東大、阪大と連携して立ち上げたことが挙げられます。  新年を迎え、業界としての課題と今後の取り組みについて考えを述べてみたいと思います。 1.医療保険制度改革への対応  (1)毎年改定に反対 28万品目にのぼる特定保険医療材料は短期間で実勢価格調査を行うことが難しいこと、 調査精度が問題になること、販売業者にとって大きな負荷となること、毎年の価格引き下げ は投資インセンティブの阻害となるなどから毎年改定に継続して反対する。  (2)消費税増税時の価格改定は増税分に見合ったものとする  本年4月の診療報酬改定に続き、2017年4月には消費税増税に伴う価格改定が予定されて いる。この改定は増税分に見合ったものとし、具体的には平成元年のように償還価格に一定 の割合を乗じるなどの策を講ずることを求める。加えて、実勢価格調査を実施しないことを 求める。  (3)外国価格参照制度の廃止  厚生労働省資料によると内外価格差については、すでに平均値が外国価格の0.8となって いる。すでにこの制度の意味が限界にきており、同制度の廃止を求める。加えて、症例数が 分散している日本の医療事情や、地震のある日本の医療ライフライン確保における流通の役 割といった特有の事情を踏まえた償還価格制度のあり方を求めていく。  (4)機能区分の細部化推進  イノベーションの適切な評価をさらに推進すべく、特定保険医療材料価格制度における 「機能区分の細分化」を促進することを求めていく。 (5)医療機器の特性を踏まえた診療報酬を求む  在宅医療機器への適切な評価、保守管理や診断精度向上への貢献といった医療機器の特性 を踏まえた診療報酬について要望していく。  (6)費用対効果の評価導入について慎重な検討を求む  医薬品のようなQALYが機器には適用できないこと、機器の使用者のスキルの要素を考慮 せざるを得ないこと、改良のサイクルが短いなどの医療機器の特性を踏まえ、制度設計を慎 重に検討するように求めていく。さらに保険収載の遅延を起こさないようにすることや、評 価データベース構築、人材育成などで業界に過度な負担がないよう配慮を求めていく。 2.医薬品医療機器法の運用への対応  医薬品医療機器法の施行2年目を迎える本年は、法と運用について業界内で引き続き周知徹 底を図るとともに、「一変不要範囲の拡大」も含めた運用面での課題についても行政と連携して 早期解決を図る。 3.諸外国の規制への対応  ブラジル、インド、台湾、ロシア、中国などに対し、厚生労働省、PMDA、関係省庁と連 携して規制の緩和、簡略化、その他の問題などへの対応を進めているが、本年も引き続き継続 すると同時に、アジアを中心に日本の規制に対する理解を進める。 4.コンプライアンスの徹底  より高い倫理観とより高い事業活動の透明性・公正性が求められており、「透明性ガイドラ インに係る実務指針」及び「競争法コンプライアンス規程」について引き続き、19団体に対して 遵守の徹底を図る。 5.イノベーション人材の育成

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