新年の挨拶 2017.1.1

新年あけましておめでとうございます。本年も当連合会の活動にご支援、ご協力頂きますよ う、よろしくお願い申し上げます。  最近、海外から帰国すると日本の元気の無さを感じます。先進国に限らず中国やインド、シン ガポールなど主要都市の活気と比べても、かつて世界有数の大都市と謳われた東京も今やその勢 いは感じられず、明らかに日本の地盤沈下が始まっていることを実感させられます。日本には少 子高齢化と言う経験したことのないサイレントクライシスが忍び寄っています。この危機を乗り 越える鍵は、誤解を恐れずに言えば、スイス化です。自然に恵まれた観光資産でさえ、何十年も 手をかけてその魅力を維持し続ける一方、世界的な製薬や化学企業、金融、研究開発型の企業や 国際機関の誘致などを進めてきました。しっかりとした長期の観点を持ち、我慢しながらしかし 積極的な投資を行って来た結果が今の同国をつくりあげたと言っても過言ではありません。少子 高齢化の波を生き抜き、次の世代へと引き継いで行くには、高付加価値経済と文化・自然をベー スにした観光が鍵ではないでしょうか。  高付加価値経済を支える一つの要素はイノベーションであり、我々医療機器産業にとっては生 命線です。私はイノベーションを、「現場にインパクトのある新しい価値を持続的に届けること」 と定義づけています。毎日のように新聞等でイノベーションの文字を目にしますが、幾度言葉を 唱えても何も起きません。実践することが大事なのです。ご存知のように、Biodesignを取り入 れた医療機器開発プログラムを一昨年より三大学に導入しました。現在は第二期生が頑張ってい ますが、第一期生の中にはその成果を起業家として取り組んでいきたいという方々が出てきまし た。嬉しい限りです。  我々医療機器産業にとってもサイレントクライシスは重要な課題であると同時に成長機会でも あります。その機会を生かすには一歩でも二歩でも踏み出すことなしには何も始まりません。是 非、皆様と一緒に、本年をチャレンジの年としてイノベーションをベースに世界の保健医療に、 より一層貢献して行きたいと思います。

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