新年の挨拶 2022.1.1

みなさま、新年あけましておめでとうございます。  新型コロナウイルスのパンデミックから 2 回目の新年を迎えることになりました。この原稿 を書き下している 12 月初頭は、新たな変異種の出現により、感染再拡大への警戒感ならびに世 界経済への影響を懸念する声が高まっています。年が明けた今、世界は、日本は、どのように変 化しているでしょうか。  一昨年はコロナ対応一色の一年でしたが、昨年はさらにそこへ追い打ちをかけ、海運の混乱継 続による物流停滞と運賃の高止まり、半導体をはじめとする各種部材や原材料の需給ひっ迫及び 価格高騰が激しさを増し、会員団体・企業の皆様におかれましては、これまで経験したことのな い苦しい対応を迫られた一年であったと思います。そのような中、医療機器の安定供給確保を最 優先にご尽力頂きましたこと、心より御礼申し上げます。今年こそは収束に向かうことを切に願っ ております。  さて、昨年の会長就任時に、コロナは負の側面だけでなく、我々に「変化の必要性を気づかせ る」と言ったプラスの側面があることをお伝えしました。今回のパンデミックはあらゆる変化の スピードを劇的に加速させています。デジタル化しかり、脱炭素化しかりです。そこで大切なの は単なる時代の流れに乗っているだけの「変化」ではダメだと言うことです。例えば DX(デジ タルトランスフォーメーション)一つ取り上げても、「D(デジタル技術)」はあくまでも手段で しかなく、「X(トランスフォーメーション)」が非常に重要となります。そもそも、誰の、何の ために、デジタル技術を使ってどのように変革するのかが明確でなければ、結局は業務効率の成 果だけに終わってしまいます。効率化自体は医療現場において大変重要であることは否定しませ んが、これが最終目標ではありません。我々は、これまでに無い価値を提供することにより、新 たな医療を創り上げ、医療に携わるステークホルダーや患者さんに貢献することをゴールとすべ きと考えます。パソコンの生みの親と呼ばれる米国科学者アラン・ケイは「未来を予測する最も 確実な方法は、それを発明することだ」との名言を残しています。まさに我々も医療の将来を予 測することはできませんが、新たな医療を切り開くことは不可能ではありません。我々は、一過 性のブームに流されることなく、変化を恐れずに、是非、次の医療を切り開いていきたいと思い ます。  最後に、私の今年の抱負を 2 つお伝えしたいと思います。  コロナの影響は当面続くことが予想されますが、最近巷でも、ようやくポストコロナについて の議論を耳にするようになりました。しかし、ややもすると日常に戻ろうとするだけの発想から

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