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2023年12月23日(土)中山10R第146回中山大障害(J-G1)

絶対王者で歴史的名馬だったオジュウチョウサンがターフに別れを告げたのが1年前のこのレース。
今年は次なる王者を目指して様々な馬が障害重賞を制した。

阪神SJ ジェミニキング
中山GJ イロゴトシ
京都HJ ダイシンクローバー
東京JS ジューンベロシティ
新潟JS サクセッション
小倉SJ テーオーソクラテス
阪神JS ジューンベロシティ
東京HJ マイベルグロン
京都JS エコロデュエル

この中からダイシンクローバー、ジューンベロシティ、マイネルグロン、エコロデュエルの4頭が中山大障害に駒を進めた。他にも昨年の覇者ニシノデイジー、J-G1で3着が2度ある小さなおじさんマイネルレオーネが参戦。多士済々なメンバーが顔を揃えた。
中山GJの1着イロゴトシ2着ミッキーメテオの回避は残念ではあるが、群雄割拠本命不在の楽しみな1戦となる。ここを勝利して現王者となるのはどの馬か…

そしてこのレースを最後にステッキを置くことになった平沢健治ジョッキー。まだ42歳と若いが来年からは攻め専調教助手として第2の競馬関係者人生をスタートするそう。まだJ-G1制覇はない。神と呼ばれた名手がこのまま無冠でターフに別れを告げるのはあまりにも寂しい。渾身のラストライドに期待したい。


パドックメモ

エコロデュエル~ダイシンクローバー
ニシノデイジー~ヤップヤップヤップ

◎4ジューンベロシティ

素直に今年の重賞で最上位の成績を残している同馬を本命に指名。

今年に入ってから6戦を消化しており戦績は3-1-0-2。
2着となった春麗JSはレース中に鼻出血を発症しながら勝ち馬テーオーソクラテスと0.2秒差の内容で決して悲観する内容ではなかった。

馬券外となった2走は中山GJと東京HJ。

中山GJは初のJ-G1挑戦、直前での出走表明で臨戦過程にかなり不満があった状態、道悪競馬とかなり厳しい条件での出走だった。道中の進みはかなり悪くほぼ最後方からレースを運ぶ流れとなってしまって勝ち負け争いには全く加われず。飛越についてはほぼ心配なく終始安定しており、西谷Jが手応えを感じている様子だったのが印象的だった。
スタミナの問われるタフなレース展開だったがその中でもメンバー中2位となる42.1秒の上がりを使えたのは体力の証。

東京HJはゲート自体はスムーズに出て先行できそうな気配があったが、道悪の影響かその後の進みが悪く勝ち馬マイネルグロンにポジションを取られてしまって動けなくなった。その後は外から各馬が仕掛けていったことによってズルズルとポジションを下げてしまってここでほぼ勝負あり。
ラストは絶望的なポジションから鋭い脚で追い込んできたが4着が精一杯だった。ここで無理しなかったことが今回に良い影響を及ぼすのでは?

春の東京JSを勝利した直後に中山大障害をハッキリと意識したコメントを西谷Jが残していたのは印象的だった。
阪神JS→東京HJ→中山大障害というローテーションは早めに決めていたようで狙いすましてここに参戦できたというのは非常に頼もしい。

また春に中山GJで大障害コースの経験を出来たということも大きなアドバンテージとなるはず。

良馬場での開催が濃厚かつ今開催の中山はかなり時計の速い馬場設定となっており持ち時計のある同馬にはかなり有利なトラックとなっているように思える。

ここは好位を取って王道の競馬をしてくるはず。そうなると勝ちに一番近いポジションにいるのは西谷誠とジューンベロシティだと信じる。

◯3マイネルグロン

勢いは間違いなく今年の出走メンバーの中で1番。
3連勝でここに参戦しており文句なしの勢い。

極悪馬場で開催された昨年の清秋JSくらいから馬が変わってき出した印象。
全て違うコースで好走しているのはこの馬の環境適応能力の高さゆえだろう。
中山(不良)→阪神(重)→福島(良)→東京(重)と異なる条件で好走を続けてきたのは高い能力と言える。
さらには逃げてヨシ、先行してヨシ、差してヨシとポジションを気にしなくて良いのも非常に大きい。

近3走ともそれなりのハイレベル戦を戦ってきたように思えるが、内容自体は目を見張るほどのものはない点が若干気掛かり。

3走前の阪神でのオープンは出走全馬がスタートからラスト600mまでの平均3Fタイムより上がり3Fで加速しながらゴール出来たほどのスローペース。

2走前は自身で逃げの手を打ててしまうほどのスローペース(大外枠だったので距離ロスをなくすために逃げた)。逃げながら最速上がりを出せたところからもペースについては想像がつく。

前走は道悪馬場で単純に時計の比較は出来ないがあまり流れずに淡々とレースが進んだ印象。ジューンベロシティの西谷Jが超スローペースだったとペースについて言及しておりかなり遅く感じたのは事実だろう。
また人気のない立場(8番人気19.5倍)での出走で上位人気2頭が後方に待機していて、マークが薄くなり少ないストレスでレースを走れたのは大きかった。

今回は良馬場での開催が予想される。前走のパフォーマンスを見ると馬場が渋った方が相対的に高いパフォーマンスを繰り出せた可能性はある。

中山コースへの適性は十分で1-2-0-1。特に昨年の清秋JSは好内容。※その時も極悪馬場

初の大障害コースへの対応、良馬場への対応と人気を背負ったJ-G1でどれだけストレスなく進める事が出来るかこのあたりは大きなポイントとなりそう。

目下の勢いやレース振りを見ると評価を下げる要素は見当たらないが◎の方が加点材料が多く序列的には対抗評価。3連複は1列目に塗りたい。

▲1エコロデュエル

5月に未勝利戦を突破したフレッシュさが武器。
ここまで5戦3勝の成績を残しており前走の京都JSで重賞初制覇を達成した。
同馬の武器は溢れんばかりの闘争心と並々ならぬスタミナ。

3走前の中京で行われたオープンでは全馬がスタートからラスト3Fまでの平均3Fタイムより上がり3Fで減速するほどのスタミナ比べを制したことでスタミナの高さを証明。しかもとんでもないほどチグハグな競馬でとても勝負にならないと思わせる手応えだったのにしっかり伸びてきておりこれは闘争心の高さを証明した格好。

2走前の阪神JSは初の重賞挑戦かつ初の襷掛けコースで終始リズムを作れないままに大敗した。

前走の京都JSでは三段跳びであやわ落馬寸前のよろめきがあって大減速。もう勝負にならないだろうと思われたが、勝負所でのすさまじい加速で一気に差し切った。しかもゴール後には草野Jを振り落とそうかというほどの元気が残っていたことには心底驚かされた。

襷掛けコース、バンケット、高い障害、最内枠と乗り越えないといけない壁は高いがその不安を凌駕するほどのポテンシャルの持ち主である可能性は十分にある。

最内枠で色気を持って出していくとコントロールが効かなくなる可能性も否定はできないが、おそらく腹を括って後方からレースを進めていくはず。
前走のように勝負所で早めに仕掛けていってスタミナと末脚で暴力的なレースをすれば頭まであっても不思議ない存在と考える。

昨年の中山大障害でのニシノデイジー、今年の中山GJでのイロゴトシと入障年度浅いキャリアで一気にJ-G1制覇までたどり着いている。今年該当する馬は同馬のみ。一気の戴冠を狙う。

△5ダイシンクローバー

春の中山GJではしぶとく伸びてきて3着を確保。
今年に入ってからの充実ぶりは目を見張るものがある。中山新春JSは61kgを背負って快勝。ヤマニンマヒア、ジェミニキングを倒してのもので価値は高い。
ペガサスJSではビレッジイーグルには敗れたものの中山GJを勝利するイロゴトシやヤマニンマヒア、アサクサゲンキ、ナギサに先着している。
中山GJから1ヶ月後の京都HJでは待望の障害重賞初制覇を達成した。

秋は2戦しており東京HJ8着→京都JS4着と結果が残せていない。
ただし明らかな叩き良化型のタイプ。
昨年の東京HJ~今年の京都HJまでは8ヶ月の間に7走。走れば走るほどにパドックでの出来が良くなっていった姿が非常に印象的だった。

本当に調子がいい時の彼のパドックは惚れ惚れするほど素晴らしい全身運動が出来ていて首の使い方が抜群に上手い。外めを大きくリズム良く歩けていれば非常に楽しみ。

上記のパドックメモでも掲載しているが改めて…

飛越は非常に安心して見ることが出来るレベルにあるし、操縦性の良さはここに入っても上位のレベルにある。パドックでの出来如何では1列目に上げたい。

×7ネビーイーム

入障から11戦連続で掲示板を外していない超堅実ホース。
特に近走の充実ぶりは素晴らしく今年に入ってからの4戦はいずれも馬券内を確保。

特に目を引いたのが3走前に勝利した阪神でのオープン。小牧加矢太Jが減量騎手時代の勝利で他馬より1kg軽い斤量だったことがあるにせよ最後の直線で馬群を縫って伸びてきたその姿に同馬の確かな成長を感じた。
平地力に課題があると言われ続けてきた中で脚力強化と勝負根性の高さを同時に示してくれた一戦となった。

前走の阪神JSはジューンベロシティとホッコーメヴィウスには大きく差を付けられたものの4着のエイシンクリックに対しては6馬身もの差をつけており自身の成長は十分に示してくれた。
しかも上がり時計はジューンベロシティ次ぐ2位の37.7秒を記録。3位のエイシンクリックよりは0.8秒も速い上がりを記録して価値が高い。

このレースはスピード質に振れたためにスピード能力に長けた上位2頭には差を付けられたが、今回の大障害は前走と比べるとスタミナと飛越力の要求値が上がってくる。そうなるとスタミナに長けた母父Singspielの血が作用する可能性はある。
また同馬はサンデーサイレンスとGlorious Songを経由してHaloを4×4でインクロスする配合形。この予想記事では再三掲載しているが片側にサンデーサイレンスを介さないHaloのインクロスは機動力を引き出す傾向にある。
トリッキーな大障害コースにおいて機動力の高さは大きな武器になってくる。

サンデーサイレンスとGlorious Songを経由してHaloを4×4でインクロスする

小牧加矢太Jは昨年中山大障害初騎乗ながらケンホファヴァルトで逃げの手を打って驚かせてくれた。彼の跳ばせる能力の高さは大障害コースでより輝くと期待して5番手評価とする。

紐①11マイネルレオーネ

昨年のJ-G1でともに3着に好走したスタミナオバケの小さなおじさん。
なんといっても特徴的なのはゴールデンサッシュとサッカーボーイの2×2の全兄弟クロス。11歳にしていまだに衰えない闘争心はこの血統構成だろう。
そして11歳にして能力の衰えが少ないのはノーザンテーストの凄さ。『ノーザンテーストは三度変わる』という成長力の高さゆえだろう。

ゴールデンサッシュとサッカーボーイ2×2の全兄弟クロスは狂気の沙汰

生き物は年齢を重ねるとスピード能力が衰えてくる傾向にある。
オジュウチョウサンですら晩年は前哨戦のスピードコースで取りこぼして大障害コースで巻き返すというパターンに突入していた。

同馬もスピードはさすがに衰えてきたが飛越力とスタミナはいまだ健在というところ。

大外枠で難しさはあるがラストライドとなる平沢Jに最初で最後のJ-G1タイトルをプレゼントできるか…

岡田総帥が亡くなって最初のレースだったペガサスJSで別れの勝利を上げた馬。人との別れにしっかり応える情に厚い馬ならここは激走してくる。

紐②9ニシノデイジー

前年の覇者。昨年と同じオレンジ帽を引けたのは吉兆か。
また久しぶりに良馬場でレースができるのは大きい。

前走の東京HJの時に見解を述べていたがニシノデイジーは良馬場でこその馬という印象。


最近は気難しさが顔を覗かせており、身体と気持ちのバランスが上手くいっていない。

昨年のこのレースを勝利して以来勝ち星がないというのは驚き。ここで復調なるか。

今年に入ってからの3戦は敗因明確。
阪神SJは62kg +石神Jと初コンビ
中山GJは道悪競馬
東京HJは道悪競馬+62kg +順回り

どこかで綺麗にスキップして気持ちよくレースを運ぶ事が出来れば頭まであっても驚かない。

紐③8ヤップヤップヤップ

飛越巧者。
脚は速くないがとにかく堅実に跳べる。
3000m超のレースでは0-1-1-1。直線芝コースに限れば0-1-1-0で複勝圏内100%。

マークされない立場なだけにプレッシャーはない。綺麗に回ってくれば1席狙える可能性はある。

買い目

3連複フォーメーション
4.3.5-4.3.1.5.7.2.8.11-4.3.1.5.7.2.8.11(46点)

3連単フォーメーション
4→3.5→3.1.5.7.11.2.8(12点)
4→3.1.5.7.11.2.8→3.5(12点)
3→4.5→2.4.5.8.11(8点)

1-4.3.5.7.2.8.11(14点)

ワイド流し
10-4.3.1.5.7.11.2.8(8点)

パドックでもう少しスリム化させたいところですが果たして…

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