クワイエットゼロのその先とプロスぺラが犯した間違い【水星の魔女2Season】
水星の魔女最終回が放送され完結された。
当初は学園と百合ものだった世界観が終盤になり忙しくガンダムぽいことをし始めたので正直戸惑ったまま畳みかけられて終わったという感想が強い。
結局パーネットスコアとデータストームがなんちゃらとか、クワイエットゼロによるプロスぺラの間違いなども含めてイマイチ説明が少なく見えなかった人も多かったと思うので整理しつつ、
クワイエットゼロのその先とプロスぺラが犯した間違いは何だったのか書いていこうと思う。
パーメットスコアとデータストーム
パーメットスコアとはMSと人間が一体になる強度のレベル数値として見ればわかりやすいだろう。
GAND技術は元々医療用の製品として開発されたものだったが、GUND ARMとして軍事転用されMSと人間が一体になるための技術として使われていった。
そのMSと人間の一体となるパーメットスコアが上げていくことで、操縦士とMSの連動や性能も上がっていくことを表す数値だった。
そしてその数値を上げることで性能が上がっても、人間の負荷がかかるというのが今作の新たなシステム。その代償として現れた赤い斑点こそがデータストーム。
データストームの耐性は人によってまちまちであり一般的な人間にはスコアレベル1に耐えられればいいところ。そのためデータストームを耐えられるよう強化人士として生まれたエランやプロスぺラの目的のため作られたスレッタは、その概念によって生まれた新たな人種であり被害者でもある。
そしてプロスぺラはそのパーメットスコアを8にまで上げクワイエットゼロと連携させ、人間全てを粒子レベルにまで持っていきパーメットネットワークで死者をも実体化と繋がれる世界を作り出そうとする。
スコア8の数値を用いてエアリアルのネットワークを地球圏全体に大規模に広げ、エリクトのデータストームを起こさせるのがクワイエットゼロの役割だったということです。
クワイエットゼロとその先
プロスぺラは当初クワイエットゼロによって世界を書き換え、悲しみのない世界を作り出すと言っていた。
エラン4号のようにパーネットネットワークとデータストームを利用して不特定多数の人間にも記憶と意識を書き換えることがおそらくできるのが、クワイエットゼロ。
だがプロスペラは結局自分の復讐とエリクトの復元という大きな願望のために一方的にネットワークを作り出し、不特定多数の意識を書き換えようとしただけであったのが今回のスコア8とクワイエットゼロの話でした。彼女の魔女たる所以もそちらにたどり着く。
クワイエットゼロがもしその先を行けば人類がお互いに分かり合うシステムになることはあったでしょう。
ガンダムシリーズの永遠のテーマである「互いを分かり合う」ためのNTなどの概念もあったが、クワイエットゼロのその先はそれを担うシステムだったかもしれない。
ただプロスぺラはエリクトの復元とスコア8までの世界観しか見ていなかった。それこそがプロスぺらの復讐で一方的に動いていた行く末であり犯してしまった間違い。
皮肉なことにエリクトとスレッタは互いに分かり合う大切さを既に分かっており、プロスぺらだけがそれを聞き入れずスコア8のその先へは進むことがなかったという話でもある。
最後も人類は結局スコアのその先にたどり着くことはできず、現実世界の争いの仕組みから変えていくという建設的な結論で終わっていった。
プロスペラも自分の作り出したクワイエットゼロによる亡くなった仲間や家族から未来を向くよう諭されてようやく気づき始めるという皮肉な終わりでもあったが、
どんな人の選択肢も咎めないこの作品の全体的な雰囲気を見ているとプロローグから決まっていた結末だったようにも見える。
そして大人の責任は次の世代が後ぬぐいをして幕を閉じる。
母親の呪いだけは何一つ顧みないから怖いということも分かる何だかんだ非常に楽しく見させてもらったガンダム作品だった。
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