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創造論にスポットを当てたエイリアンシリーズ前日譚【映画「プロメテウス」】

古代宇宙飛行士説を描いた作品としても代表されていたらしい「プロメテウス」をアマプラにて今更見た。

リドリースコットの作品として見ていたがエイリアンの前日譚であったのをラストシーンで知った。

それほど話としても群像劇の方が多くて微妙かつエイリアンに全て繋がるともわからない内容ではあるが、

誰が死ぬか分からないエイリアンシリーズに対して今作の探索隊プロメテウスの死に方はキリストやSF文化の宗教信仰によって生き残る人間も描かれているように見えたのでその辺の感想を書きたい。

あらすじ
世界各地の古代遺跡から、奇妙なサインが発見されていた。2089年、それらが地球外知的生命体からの招待状と確信した科学者らの調査チームは、宇宙船プロメテウス号ではるか彼方の惑星を目指す。やがて目的の星にたどり着いた彼らは、人類のあらゆる文明や常識を完全に覆す世界を目の当たりにする。

話は太古に地球に降り立った異星人「エンジニア」が古代遺跡と創造論の発想として人類の謎を解明する創造主だと語り、2093年プロメテウス号は惑星惑星LV-223に向かい探索していく。

正直映画全体を占める探索隊たちの群像劇自体はたるくて微妙だったので、古代宇宙人説を元にするエンジニアの存在と行動に至るそれまでの背景をもっと描いてほしかったのはある。

ただエンジニアがなぜ最後にショウやデヴィッドなどを殺そうとしたのか謎は多いが、人類は野放しにした好奇心により創造の謎についてまで近づきすぎた結果、エンジニアにとっても驚異の存在になってしまったがためだろうとは考えられる。

この辺りは旧約聖書の楽園にも似たかなり宗教感の強い題材にしたものだった。

プロメテウスという名もギリシア神話に出てくる人物の名でゼウスから火を盗んで人間に持ち出した結果、身体を温め調理もできるようになったと同時に結局武器の製造や戦争にも発展してしまわせたという話の人物らしい。

プロメテウスの探索隊は冒頭から武器を持ち出し地球外生命体に使用していた人間から死んでいるのもエンジニア視点から見たら一つの皮肉でもあったと思える。ホロウェイが惑星のウィルスに感染し最後に殺されたのも火であり、人間の脅威の象徴を描いていた。

だからこそエンジニアも創造主として人間から火の脅威をなくすために生物兵器を実験し地球に拡散しようと考えたのだろう。

ショウが最後まで生き残ったのは武器を一度も使用していないというフラグ立てがないのもあるが、進化論ではなく創造論による信仰を誰よりも信じ語っていたのは彼女だけだった。

最後に彼女はエンジニアの人間に対して思想転換の謎を究明すべく彼らの惑星に向かうと話して終わるが、どこまで究明に関わろうとするのかが彼女の生死にも関係していくのだろう。

エンジニアも創造主だとしても全てに超越した存在である神だとは言えない。ショウが首輪を通じて神に語り掛けたことや、後のエイリアンをエンジニアが生むことになってしまうのもその結論で崇める存在ではなかった。

そういう意味ではエイリアンとは別のシリーズとして神話の信仰をSFに持ちかけて上書きし、創造論に一つ折り合いをつけようとした作品だったのは感じる。

その辺りも既に続編のコヴェナントに結果は出ているのだろうがそのうちアマプラにも追加してほしい。予告見る限りはそんな作り上げた今作のテーマもなかったことにされている雰囲気だったので普通に同じようなことをもう一回やりつつエイリアンだけ出て終わっている気もしている。








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