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どんなときも一人の人間として大切にしたい 自信を失った自分がどう採用と向き合ってきたか

こんにちは、カズサックと申します。
このたびは、CASTER BIZ recruitingの企画である #採用アドベントカレンダー の23日目を担当することとなりました。お声がけいただいた森数美保さん(@MihoMorikazu) 本当にありがとうございました。
また人生で初めてnoteを書くという今年最後の大きなチャレンジにもなりました!

今回は、私自身が約10年間の人事経験の中で、時には採用担当であることに悩み苦しみ自信を無くす中で、どのように自分が採用する大切な人たちと向き合ってきたのか。そんなことについてリアルな話をさせていただきます。

こんな人に読んでもらいたい。

・自身が採用担当であることに戸惑いを感じたり悩んだことがある人
・入社後に社員から相談を受けどう向き合うべきか悩んだことがある人

あっ、遅くなりましたが最初に簡単な自己紹介です。私は愛知県のとある自動車部品メーカーに新卒で入社後、製造部での経験を得たあとに人事として約10年間、採用から人材育成などその他にも人にまつわること全てに携わってきました。仕事以外にも社外コミュニティなどにも積極的に参加をしながら、素敵な人に出会い、自分自身の能力を磨いていくことが大好きです。
それでは早速内容に入っていきますね。

1、入社した社員から寄せられる悩みに向き合う中で

周りの同級生が大企業に就職する中、私は広く名も知られていない中小企業への就職で「名前も聞いたことがないけれど大丈夫なのか?」などと馬鹿にされながら入社した現会社。

入社後は製造部配属でしたが、当時の人事は”人がすぐに辞めてしまう”という問題を抱えていたことから「お前は忍耐力がありそう」という理由で、当時の人事総務部長の意向により急に人事部署へ異動となったのです。

人事といえば採用というイメージが強いですが、私は最初から採用、配属、教育、評価、退職など会社の人にまつわること全てをやってきたので、その中で採用というのはごく一部でした。

その中でも、第1ステップとして会社を選んでもらい採用するということは、とても重要な任務であると思いながら仕事に取り組んでいました。
この10年で一番やりがいを感じた仕事でもあります。
元々まともな採用の仕組みなどもなく数年間課長も不在だったことから、何が正しいかも分からない中、自分たちで何とか形にしていきましたが、気づけば会社から与えられた数や質ばかりを追い求めてしまっていました。

その結果、採用した社員が以下のような理由で突如の退職や相談に来るといったことを目の当たりにするようになりました。

・入社数か月で自分には会社があっていないことに気づいた
・入社前にイメージしていたような成長が出来る環境がないので辞めたい
・人間関係で困ってしまい続けていくのも、、、
・そもそも自分には働くことの意味が分かりません

そして、このような思いを抱くようになりました。
採用は結婚と同じでゴールではなく、あくまでも通過点に過ぎない。そこからより良い関係を相互に気づいていくことが大事である。
また会社には、どうしても変えられないものが存在し、全てが自分の思い通りにはいきません。せっかく会社を選んでくれた仲間が壁にぶち当たった時、本当にその決断をしてしまってよいのかどうか考えるきっかけを与える存在になりたい。

その後、採用した人たちに対して仕事だけではなく、その人個人として興味を持とうとしました。もちろん人との関わり方に関する本などもたくさん読み漁りました。
しかし具体的にやってきたことはシンプルで、朝の挨拶時に必ずプラスアルファの声かけ、休憩時間を共に過ごしリラックスした状態での会話を楽しむ、飲みの誘いは社交辞令で終わらせず本当に飲みに行ったり、自宅に招きタコパをやったりなどです。

また助けを求められたときは、いつでもどこでも最優先して時間を確保して向き合うことを徹底して続けてきました。

そして、どんな理由であろうと辞めようする人に、適当に向き合うことは絶対にしないことを貫いてきました。例えば、入社半年で「自分の思っていたのと違ったので辞めたい」と退職を申し出た18歳がいました。業務中に居眠りを繰り返し、最終的にはどこの部署からも必要とされずに、上司からも「もう引き留める必要もない」と言われました。

周りから必要とされなくなった社員でも、私にとっては採用時から携わり、学校を卒業して一社目として自社を選んでくれた大切な社員。だから相手がいくらおかしなことを言っていても必ず最後まで向き合うと決めています。初めて入社した会社で、”最後まで大切にされた”という経験は本人にとって必ず心に残ると信じています。

人事とは、一人の人間の人生に関わらせていただく重要な責務があると思っています。だからこそ自社だけで活躍してほしいとも思っていません。大きく成長するために羽ばたいていくのであれば、会社の人事という立場を超えてでも全力で応援をしたい!

このように「〇〇課の〇〇さん」ではなく、一人の個として付き合っていくことで大切なことに気づきました。
応募者が採用時に見せてくれる表情や姿はごく一部であり、入社後、壁や悩みにぶち当たりながら成長していく姿にとことん寄り添うことで、立場を超えた信頼関係を築いていくことが出来る。
常に、少しでも「入社してよかった」「働きやすい」と思えるような会社にするために、教育制度や評価制度など小さなことでも一つずつ改善や改革をしていこうと熱意をもって取り組んできました。こうした地道な活動や一人ひとりと向き合い方を変えてきた結果、些細な悩みでも必ず相談してくれたり、本当の退職理由を私にだけ教えてくれる人、何かトラブルになった時も私が言うのであれば仕方がないと言ってくれる人もいました。

2、真剣に向き合うが故に自分自身も悩み苦しみ社外へ

しかしここ最近の2年は、仕事人生の中でも、とことん悩んだ2年間でした。
一緒に戦ってきた仲間たちの退職や部署異動が重なり、メンバーも一新されたことから、自分一人で新人4名を育てないといけないというプレッシャーや、自分自身が同じ部署にずっといることから伸び悩み、今のままこの会社にいて良いのだろうかと思い始めてしまったのです。そう思いだしたら止まりませんでした。さらには自動車業界が変革期を迎えて、今後の先行きが不透明になったことで採用担当者として自信を無くし、採用する学生に対して申し訳ないという気持ちになっていたからです。

今まで会社の魅力を自信もって伝えることが出来ていたのに、自分自身が思い悩んだり業界的な不安から、自信をもって伝えることが出来なくなってしまいました。
皆さんも自信をもって自社の売り込みが出来なくなったら、主戦場で本気で戦うことに悩みますよね。そして仕事で自信を持てなくなってしまった事で自分自身に嫌気がさし、次第にプライベートでも自信を持てなくなっていったのです。

思い悩む中、私のことをよく知る同僚に相談したところ、「あなたは社外でも必ず通じる能力を持っている。社外に出て自分の能力に早く気付いた方がいい」と言われたことがきっかけで、自分に自信を取り戻すためだと思い社外の地域コミュニティに参加することを決めました。
まずは一年やってみるという気持ちで始めて、普段関わることのない方々とイベント開催を目指し取り組んでいくことにしました。半年経ったある日、「全体のとりまとめをできないか」と声をかけられ、自分への挑戦だと思い受けることにしました。さらには世界的に有名な技術開発者の登壇用トークを一緒に作り上げる役割も担うことになり、約半年以上一緒に伴走してやりきることができました。

最初は圧倒されて気遣いばかりしていましたが、月日を重ねる中で信頼関係を築き、一流の方々と対等に話し会える関係になれたのです。それどころか「あなたがいたからこそ、ここまで無事にイベントを終えることが出来ました」と言っていただけました。
そして何より、今の会社で一生懸命取り組んできたことは、しっかりと実力として身につき成長できていたということに気付くことが出来ました。

3、自分に自信を持つことで、より人に寄り添える

最初は中小企業に入社したことで周りから馬鹿にされ、採用担当者としても自信を失いかけていましたが、再び自信を取り戻し、自分なりの人事としてのスタイルや人との向き合い方を見つけることが出来ました。

社外活動を通して感じた事は、
「大事なのはどこで働くかじゃない。どう働くか」
まさに半沢直樹が放ったセリフでした。

徐々に自信がついていく中で、採用時に候補者に接する時の姿勢や新入社員への向き合い方も変わりました。
自分自身の経験談を基に「働く場所がどこであれ今まで身に付けてきた自分自身の能力で、世界一流の人たちと肩を並べて戦うことは可能である」ということを伝えられるようになったからです。さらには知名度もなくナンバーワンがない会社でも、自分自身が意思をもって働けば、社外で通用する能力や地域社会に貢献する能力が身に付けられることを知りました。

自分に自信を持つことで、より深く熱く、人に接することが出来るようになり、信頼関係を築くことで、ただの採用担当と候補者という関係から、人と人との付き合いへ変えていくことが出来ると思います。

4、最後に

採用に向き合っていく中で、自信を無くしたこともありましたが、人に寄り添うという熱い想いだけは忘れずに駆け抜けた10年間でした。もちろんこれからも駆け抜けていきます。
中小企業の採用担当は、人にまつわる全ての業務を兼任しながら、時にはやることに追われて意識がぶっ飛びそうになることもあります。
でも私たちは向き合い方次第で、”人として大切にされた”というかけがえのない記憶を残すことができます。そのためには採用する自分自身が自信をもって、自分なりの人との向き合い方が出来るようになることが大切なのかなと思います。
思い悩んだ時は、思い切って社外にでてみることで分かることもたくさんあるというのも学べました。今後も社員と向き合うときに、この経験を活かして一人ひとりを幸せにできるような人事担当を目指していきます。
まさに人事として「俺は俺の責務を全うする」という言葉がふさわしいのかなと思いますし、これからも心を燃やし続けていきます。

初めてのnoteで拙い文章ではありましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました。

明日は片岡 俊行@ゆめみ代表さんです。お楽しみに!

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