見出し画像

どこまで提案すれば良い?マーケティング戦略の視座の話。

こんにちは。
上場事業会社でマーケティング責任者をしている「かずたか」です。


事業会社で新しいプロジェクトに参画し、マーケティング戦略について提案する際に、こんな悩みを抱えたことはありませんか?

「この提案、どこまで踏み込むべきだろう?」

私は支援会社と事業会社の両方を経験してきました。

支援会社では、リード数や目標CPAをゴールに設定し、その数値から逆算して戦略を立てれば良かったのですが、事業会社ではそう簡単にはいきません。

事業会社で現状分析を進めると、例えばこんな疑問が頭をよぎります。

「リード数が増えても、今の営業体制で対応できるのだろうか?」

「事業のビジョンに基づいて、ユーザー体験を考えると、この機能がないとまずいな…」

「今のデータベースだと、掘り起こしが難しいから修正が必要かも?」

こうしてプロダクト全体の課題が次々と浮かび上がってくることがあります。

しかし、いざ戦略案を提案してみると、

「プロダクト全体の話も大事だけど、まずはリード数を増やすことに集中してほしい」と言われたり、逆に「リード数だけじゃなくて、もっと高い視点から提案してほしい」と言われることも。

このような目線のズレがあると、分析や提案のやり直しが必要になり、時間も労力もかかってしまいます。

できればこのような問題は避けたいところですよね。

提案のゴールは「選ばれる仕組みを作ること」に設定するのが吉

こういった問題が発生する原因の一つに、「マーケティング」という言葉の曖昧さがあります。

マーケティングの定義は様々で、統一された認識がない場合がほとんどです。

数ある定義の中で私自身が最も納得しているのは「商品やサービスが顧客から選ばれる仕組みを作ること」という考え方です。

そのため、マーケティングチームのミッションを設定する際には、まず「商品やサービスが顧客から選ばれる仕組み作り」を大前提にし、リード数やCPAといった目標はその仕組み作りの一部として位置づけます。

この考え方をもとに、私はマーケティングチームのミッションは「選ばれる仕組みを作ること」であると明確にした上で、できるだけ視座を高くして、プロダクト全体の課題にも踏み込んで提案するようにしています。

もしその上で、「まずはリード数を…」と言われた場合には、「はい、分かりました。まずはリード数の増加に注力して、足元を固めることから始めます」と、柔軟に対応するようにしています。

もちろん、このように定義すると業務範囲がかなり広範囲に及びますが、コミュニケーションだけで変えられるものや提供できる価値はごくごく僅かなので、プロダクト全体に踏み込んだほうがダイナミックなやりがいを感じることができるはずです。

マーケチームひいては自分自身の視座を高くするメリット

これまで、マーケティング戦略の提案では、できるだけ視座を高く持つことが重要だとお伝えしてきました。

では、マーケティングチーム、そして自分自身の視座を高くすることにはどんなメリットがあるのでしょうか?

メリット① 成果が近づく

視座を高くして提案を考えることで、成果をより早く達成することができます。

マーケティングコミュニケーションだけに注力しても、それはプロダクト全体の一部にしか影響を与えません。

しかし、プロダクト自体が100点満点で、あとはターゲットにリーチさえすれば勝手に売れるという状況はほとんど存在しないでしょう。

そのため、コミュニケーションの工夫だけでなく、プロダクト全体をより良い状態にする必要があります。

視座を上げて担当領域を広げることで、得られる成果により早く、より確実に近づくことができるのです。

メリット② ポジションが上がる

事業会社でマーケティングに携わる方なら、より上流の仕事を手がけることの重要性を理解しているはずです。

自分自身のポジションを上げるためには、

  1. 自分自身の視座を上げる

  2. 組織に対して新たな役割や機能を提案する

この二つが不可欠です。

マーケティングの重要性や期待値は多くの人がなんとなく理解していますが、具体的にどのような機能を導入し、どのくらいのリソースを投入すればどんな成果が得られるかをイメージできている人は少ないでしょう。

このような状況で、自分のポジションを上げるためには、自分で課題を設定し、新たな役割や機能を提案して、存在感を高めるしかありません。

より広い領域に対して発言権を持つことは、ポジションを上げるための大きなメリットとなります。

メリット③ マーケティングが楽しくなる

多くのマーケターが、意味のわからないKPIを追いかけながら、「何のためにやっているのだろう…」と感じたことがあるかもしれません。

もちろん、広告運用をコツコツと続けるのが楽しいという方もいるでしょう。

しかし、私は、自分が手がけたサービスが多くの人を喜ばせる経験をしたいと思っています。

そのためには、さまざまな手段を駆使して、より良いプロダクトや体験を提供することが重要だと考えています。

視座を高めて提案を行うことで、より良いプロダクト作りやユーザー体験の提供が実現しやすくなり、その結果、マーケティングが一層楽しいものになるでしょう。

この考えに共感していただける方には、ぜひ視座を上げ、より高い視点から提案することをお勧めします。

まとめ

マーケティング戦略の提案において、視座を高く持つことの重要性についてお話ししてきました。

事業会社でのマーケティングは、単にリード数やCPAといった目標を追いかけるだけではなく、プロダクト全体の成功に寄与するために広範な視点で課題を捉え、解決策を提案することが求められます。

「選ばれる仕組みを作ること」をミッションとすることで、リード数の増加やCPAの改善といった短期的な目標だけでなく、長期的なビジネス成長を支えるための戦略を考えることが可能になります。

視座を高く持つことで得られる成果、ポジションアップ、そして仕事の楽しさは、マーケティングに携わる人々にとって大きなメリットとなります。

マーケティング戦略を立案する際には、ぜひ視座を高く保ち、全体像を見据えた提案を心掛けてください。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?