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テーマ2.無為の思想

老子の思想を代表するのが「無為の思想」である。
無為(為さ無い)というのは、放任、無策ということではない。人間の本性を悟っていた老子からの哲学的メッセージとして受け止めたい。

ハーバード・サイモンが「限定合理性」という概念を提唱する二千年以上前に、老子は人知の限界、人為の欺瞞性に気づいていたのかもしれない。
人間が何かをやろうと意図して動く時に、その裏側にある欲望が歪みを生じさせることを、老子は知っていた。「有為」が行き過ぎ、間違いを起こすことに警鐘を鳴らしたのである。

ここでは「無為の思想」に関わる八つの章句を紹介する。
「無為」の定義から始まり、「無為」によって目指すべき状態、「無為」の発展形について言及している章を選んでみた。最後に「無為の思想」にも限界があるのではないかという私の正直な思いも記している。

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