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地球儀

昔は世界制覇を志す悪役は、大体において机の上に地球儀を置いていました。なんか地球儀を見ると地球を小さく感じることが出来て、もしかしたら手に入れることが出来るかもなんて思えるのかもしれません。

ご多分に漏れず、小学生の時に地球儀を貰った記憶があるのですが、それは確か百科事典のおまけについてきたものでした。おまけといってもかなり高級感のあるもので、国別に色分けされたものではなく、標高に合わせた色がついているものでした。実際の何倍も強調されたものですが、山は少しだけ盛り上がっていて、立体感もありました。また南極を上にも出来るニ軸回転のもので、地表の二点間の距離を測ることが出来る物差しまで挟み込まれていました。そうそう月球儀もあったのですが、こちらはどういう訳か小物入れに化けました。

地球儀は思ったよりも置き場所に困るので、中学生になった頃にはどこかにしまい込まれ、その後、どうなったのかは記憶にありません。もう人工衛星が飛んでいる時代でしたから、地球の姿を見るのはもう特別なものではありませんでしたが、普段見る向きだけではなく、南極を手前にするなどして、いろいろな向きから眺めていたのを覚えています。

もともと地理は好きな方で、中学受験の頃には、うっかり国の名前と首都の名前を世界の7割位までは覚えていたのですが、その後、随分と国の数が増えたのと忘れてしまった国も多いので、今では半分もわかりません。その頃はまだ海外旅行なんて行ったことは無かったのですが、大人の話を聞いて、どうして飛行機で欧米に行くのにアンカレッジを通るのか地球儀を見ながら納得した覚えはあります。

今は地図を球に貼り付けただけではなく、音声で説明してくれたり、スマホと連動するようなものも出ているようですが、そういう説明は思ったよりも早く陳腐化してしまうので、シンプルなものが一番です。ということで、ちょうどコロナが始まる少し前に、ヘッダ画像にある地球儀をあらためて買いました。

今回は敢えて国別に色分けされたものにしました。だって地球儀でないと、こんな地球は見られないですからね。本当の地球は国ごとに仕切られていないのに、人間は勝手にこんな線を引いて暮らしているのです。そしてこの塗り分けは今の瞬間であって、数年後にはどこかの線の位置が変わっているのかもしれません。こんなことを考えながら、時折、地球儀をクルクルと回すのです。

地球儀

#地球儀 #ニ軸回転 #色分け

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