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PC-9801 - 良くも悪くも愛されたNECの16ビット機シリーズの元祖

レトロPCを振り返る記事たちも、そろそろ8ビットの時代が終わりに近づきボチボチと16ビット機が出始める頃になりました。個人的には8ビットな時代はAPPLE][を使い続け、次のPCは漢字をまともに使えメモリもたくさん積める16ビット機にしようと固く誓っていました。パソコンってソフトの蓄積が大事ですし周辺機器も結局、揃えることになるので、浮気をしてプラットフォームを変えてしまうと、道具を揃えるだけでなかなか大変なんですよね。

APPLE][ユーザならMacに行くのかと思いきや、その頃のAPPLEは独自路線に突き進み、欲しいと思った時期にはちょうどプアなハードウェアと貧弱な漢字環境だったので魅力的なものでは無かったんですよ。まあスティーブがいなかった時期でしたしね。それでPC-9801F2を買ったわけです。

前置きが長くなりましたが、今回はそのPC-9801の初号機である無印PC-9801です。まだMSXが登場するより早い1982年の秋に発売されたのですが、その時点ではPC-8801の資産を活かしつつ(BASICには互換性があります)、ビジネス向けもターゲットと出来るようなものを用意しましたという感じでした。まだMS-DOSも日本語が使えるようになっていない頃ですから、まずはソフトの蓄積が必要で普及には時間がかかりそうな雰囲気でした。

PC-9800シリーズ

PC-9801シリーズ

CPUは8086の5MHz、メモリは標準で128Kでした。基本的にはN88BASIC(86)を使い、ドライブも内蔵していなかったので多くの場合8インチの外付けを接続していました。特筆すべきはテキスト画面として漢字を扱うことが出来ることでVRAMに2バイトのコードを書き込めば、搭載している漢字ROMのフォントをテキスト画面に出すことができました(漢字ROMはオプション)。またμPD7220というグラフィック・コントローラー(GDC)を2つ搭載し、線を引くのにCPUが1点ずつ座標を計算して処理することなくGDC任せで済むようになりました。お値段は本体だけで約30万円。他に高解像度カラーディスプレイ、外付けドライブ、プリンタは必須でしたから合計すればハードだけで50万は軽く超えるコストが必要でした。

PC-9801 メーカーサイトによる詳しいスペック

こうしてその後、爆発的ヒットとなり日本の国民機とも言われたPC-9801はヒッソリと船出したのでした。まだ時代が追いついていなかったのでしょうね。

PC-9801 --- 日本のパソコン“標準機”

国民機「PC-9801」の誕生

本体のデザインも初代88に似た重厚な感じで、目立つのはファンクションキーが5個から10個に増えたことくらいでしょうか。またスペースキーの右に主に日本語変換で使われるXFERが追加されています。この辺りは端末としての利用を重視していたのかもしれません。

いずれにせよ、とても長い期間に渡り多くのバリエーションを出し続けたPC-9801シリーズがここにスタートしたのです。このPC-9801の640✕400という画面や拡張バスなどのハードウェアのスペックは、これが基本となり拡張されながら引き継がれていきました。その後MS-DOSも用意されソフトが充実するに連れ「98で無ければPCにあらず」とまではいきませんが、かなりそれに近い環境になったのは事実です。

PC-9800シリーズ年表 デスクトップ

NEC PC-9801 / PC-9821 資料室

思い起こせばF2に始まりVM2、UX21、DA2、そしてPC9821XaとRa、さらに互換機ノートPCであるPC-286Lと実に多くの機種と付き合ってきた記憶が蘇ります。もちろんこれ以外にも大学や職場でも多くの98達と付き合ってきました。それぞれの機種にはその時代に応じた使い方と苦労があったのですが、それらは機種ごとにボチボチとまとめていきたいと考えています。

ヘッダ画像は、以下のものを使わせていただきました。
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:PC-9801-1st-001.jpg
MH0301 - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=106075103による

#レトロPC #16ビット #NEC #PC9801 #8086 #GDC

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