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PC8801 のキーボードと文字コード

いよいよPC8801のキーボードです。PC8801については、

PC-8801 - 8ビットの頂点

に書きました。多くの後継機もあり、キーボードも微妙に変わっていくのですが、今回は元祖88です。

PC-8001と比べると、省略されていたタブなどの機能キーが追加され、矢印キーも使いやすく独立したキーとなりました。

何も押さない状態
シフト状態

フルキーの右上にあったSTOPが押しやすい左上の移動し、隣には画面コピーで使うCOPYが並びました。INS/DELはテンキーからフルキーに移ってきましたが相変わらずDELにはシフトが必要です。やはり消えちゃうのは慎重にということなんでしょうか。他にもROLL UP/DOWNやHELPなどが増えています。かなり今のキーボードに近づきました。

カナ・モード
カナでシフト

カナ・モードに特筆すべきものはありません。GRPHキーは以下の通り。

GRPHキーを押しながら

図形文字や半角漢字に関しては、PC-8001から変わっていないようです。

キーボードの物理的なお話は以下のページに丁寧に書かれていました。

PC-8801 Keyboard


文字コードはPC-8001と同じです。

NEC PC-8801mkIIMR N88-BASIC GUIDEBOOK より(P.155)

キーボードの状態を直接読み取るスキャンコードについては、以下の170ページあたりを理解してください。

PC‐8801 N88‐BASIC解析マニュアル

https://ia800702.us.archive.org/4/items/PC-8801N88-BASIC/PC%E2%80%908801%20N88%E2%80%90BASIC%E8%A7%A3%E6%9E%90%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%AB%20%E5%B7%9D%E6%9D%91%E6%B8%85.pdf


さてPC8801では、キャラジェネとは別の漢字ROMと呼ばれたROMからフォントデータを読み出してグラフィック画面に描画するのですが、漢字を使うことが出来ました。入力はローマ字またはカナ入力からの文節変換です。変換に関わる専用キーはありませんが、ファンクションキーを使うことで、変換モードの切り替えが行えました。

また文字列の中に漢字を含むことも出来るのですが、漢字コード自身は(シフトJISではなくて)JISコードで表現していたようです。通常の文字コードから漢字モードに切り替えるのにKI/KO(KanjiIN/KanjiOUT)というモード切替シーケンスを使っていて、この切り替えシーケンスがベースとなるBASICによって微妙に異なるようでした。

BASIC とその漢字コードについて

このため漢字を含む文字列の長さを数えたり、編集する時は細心の注意が必要でした。このあたりはPC-9801になっても残ったものも多くありますね。漢字コードは実に面倒なので、それだけで記事を書かないとならなさそうです。そうだ、この時代はプリンタの方に漢字ROMが載っていないことが多かったので、画面に表示された描画データをプリンタに送って印刷していることが普通だったような記憶があります。

(参考)
NEC PC-8801mkIIMR N88-BASIC N88-日本語BASIC GUIDE BOOK
https://necretro.org/images/6/61/PC8801mkIIMR_N88BASICGuideBook_JP.pdf


ヘッダ画像は、以下のページにあるものを使わせていただきました(Creative Commons Attribution)。
https://retrocdn.net/File:PC8800_set.jpg

#PC8801 #レトロPC #キーボード配列 #文字セット #漢字コード

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