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Apple][互換機たち

Apple][は、とにかくお高かったこともあり、また日本国内での代理店も最初は決まっていなかったので、パクリ品がたくさん出ていました。ほとんどの部品が汎用品で回路図もマニュアルに書かれていますし、基板も二層の時代ですから見ればコピーできます。

日本よりもアメリカ(や香港)で出回っていましたが、これを輸入するとよほど上手にヤラないとかえって高く付くこともあり(当時は関税が複雑で間違っても計算機として輸入したら大変なことになります)、国内産が多かったです。

Apple クローン

最初は基板とパーツのセットでキットとして販売されるなど、少しは遠慮がちでしたが、組み立て済みキットと称するものも売られていました。最後には堂々と別の名前をつけたパソコンとしても出てきます。だいたい果物の名前なのですが、Lemonとかもあったかもしれない。この名前をつけるのは勇気があるなぁとは思いました。

Apple][で汎用品ではないのがキーボードで、さらにこれを制御する部分にマスクROMがあって、これは手に入りません。汎用品のキーボードを繋ぐことになるのですが、互換にするためにはどうしても本体側のモニタROMを少しだけ修正する必要がありました。それから電源ユニットが優秀(スイッチング電源はそんなに出回っていなかったのです)で、同等のものを手に入れるのは困難でした。ここは汎用の少し重い普通の電源にせざるえなかったです。ということでGrapeという名前のパソコンが出回ったわけです。

互換機の時代

本体は何かと心配で今ひとつでしたけど、DISK][を含め周辺機器のコピー品は、それなりにみんな便利に使っていました。誤解のないように補足すると、当時は少なくともソフトウェアの著作権は認められておらず、基板もデザイン性を認められないということで対象にならないと考えられていました。互換機の問題はメインフレームの富士通と米IBMの係争を始め、NECとEPSONの98互換機でも再燃し、そもそも権利者がライセンスを提供することもあり、一筋縄ではいきません。

なおOrangeはデザインこそ似ていますが、CPUはSC/MPで6502ではなく、独自仕様のパソコンです。

オレンジという名前のマイコン

このSC/MP(スキャンプと読みます)は、なかなか良く出来た石なのですが、何せ流行っておらず、BASICこそ内蔵していましたが、自分で何もかも作っているウチはともかく、買ってきて済ますという時代には対応できず消滅していきました。

パーソナルなコンピュータのプロセッサ事情 (第4回: 変り種)

SC/MP

ナショセミは、この後も16032(32016)とか素敵なCPUを作るのだけど、どうも普及しないんですよね。

Apple II (互換機の項目は最後の方)

ヘッダ写真は、以下から使わせていただきました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:ITT2020-front-view2.jpg


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