見出し画像

ダンプリストとチェックサム

8ビットパソコンが華やかだった時代、プログラムのやりとりはカセットテープで行われることが普通でした。雑誌に記載されたプログラムは、CDの時代のように書籍に同梱するわけにもいかず、印刷されていた16進ダンプを「セッセと」打ち込むのが日常でした。

6000:7E 6F 90 7E 63 05 71 D4 - 15

ASCII に記載されていたダンプリストの一部

最初の頃はPCのメモリも少なかったですし、ダンプリストも数ページに収まるようなことが多かったのですが、だんだん記載されるプログラムも大掛かりなものとなるにつて、十数ページに及びダンプリストが記載されるようになっていきました。

16進ダンプ

ダンプは16進数が並んでいるだけなので、見ただけでは間違えていることを発見できません。普通は何らかのチェックサムが付いており、打ち間違いはかなりの確率で発見できるはずなんですが、ダンプが長くなると偶然というかたまたま間違え方がうまいと見つからなくなることもあり、こうなるともうどこが違っているのか探すのは絶望的です。

ダンプ入力とチェックサム

だいたいダンプはタイプライターのような品質の文字ではなく、8✕8程度のドットからなるプリンタの出力でしたから、”0”(普通は斜線が入る)と”8”それに16進の”B”の見分けが難しく、これを打ち間違えるとたまたまチェックサムもうまく見間違える数字に見えてしまうこともありました。

雑誌の方はカセットテープを送ってくれるサービスを始めたところもありましたが、これが値段以上に届くまで時間がかかるので、やはり打ち込むしかありません。結局、二人の人間が独立して打ち込み差分を採るというのが、こまかい間違いを目を皿のようにして探すよりも効率が良いことを発見し、パソコン部の主な活動?のひとつになりました。

そもそもタイプライターという道具も、予め手書き文字があって打ち込むような使い方が殆でしたし、ワープロも原稿があるのが普通で、今のようにいきなりキーボードを叩いて文章を作るようなことは滅多に無く、清書をするための道具でした。その意味でダンプリストを打ち込むのも清書みたいなもので違和感は無かったのですが、なんとも不毛な作業を強いられていたものです。

今でも古いパソコンのプログラムは書籍に残っているものしか見つからなくなったりするので、スキャンしてOCRをかけて入力するなんて言う事態があるようです。カセットを頑張って再生してマイクから取り込んで0と1を判別するプログラムを書くよりはマシなんでしょうが、APPLE][のフロッピーに比べればなんとか読み出せそうで羨ましいです。

#レトロPC #ダンプリスト #打ち込み #チェックサム #パソコン雑誌

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?