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ッフッ、ハハハ、ハハハ…
 そんな顔しないで良いって!
 誤解しないで欲しい。
 僕これでも昔はけっこうモテたし、親友の一人や二人はいる。
 馬鹿騒ぎする仲間達もね。ちょっと悪さをして、繁華街のお廻りとは顔見知りにもなれた。
 素敵な恋もした。良い出会いもたくさんある。
 本当に楽しい人生を送らせてもらった。
 時々、僕に社会的に意見や考え方、怒りを聞き出そうとする輩が現れる。まったくね。
 「そんなものは、クソだ。」
 僕はただやりたい事があればそれで充分だと思う。別に杓子定規のように、障害者だろうが、、少数派だからっていちいち問題提議しないで、言いたいことがある人がたくさん居るだろうし、僕なんかより立派な考えや、怒りを持って居るのだから、そう言う人たちにお任せします。僕はもっと…もっと自由に生きれば良いと思うんだ。

 二年前、急に首から肩、腕の筋肉が悲鳴を上げて動けなくなった。痛みで夜も寝る事もできずに、数ヶ月が過ぎたよ。
 「嗚呼、これで終わって行くのか?旅に出る事もできず、劇場に通う事も、街をふらつき美味しいものを見つける事もできずにいられようか?」
 いろんな病院に行っても、強い鎮痛剤と緊張を和らげる為の安定剤を効果が強い順に処方されるだけで、それでもダメでペイン治療が出来る大学病院に行ったとき、言われたよ。
 僕の身体は普通の人より二十年加齢が早いってね。
 って事は七〇歳?ありえない❗️と思ったさ。
「この僕は無茶しないといけないんです。僕でいるために。」
 医者は笑っていたよ。
 痛さで声も出ずに泣く日々だった。
 …
 疲れ切っていたんだ。身も心も。
 痛み止めを煽る様に呑んで、意識が遠のいて行く。毎日がぼんやりと過ぎ行く…。
 僕の人生ってもう何にも無い。死んでるのも同じ…。
 ただ、心臓は動いていた。早く止まってこの痛みから解放されたかった。
 
 ッフ、うん…!
 そんな時出逢ったんだ
 

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