イスラエルのネタニヤフ首相の二つ目の「偉業」

 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、4月の総選挙で勝利を収めた。この結果ネタニヤフが首相ポストの在任期間の長さで記録を作ることが確実になった。現在の記録の保持者は、1948年の建国時の首相を務めたデービッド・ベングリオンである。約14年の間、首相のポストにあった。ネタニヤフの方も、これまでに13年間も首相を務めている。そして今回の選挙での勝利で、続投が決まったので、首相在任期間の記録の更新が確実視されている。確かに、これで歴史に残る政治家となるだろう。

 しかし歴史に残るのは、首相在任期間だけではないかも知れない。というのはイスラエルの検察当局が汚職の疑惑で同首相を起訴の方針だからだ。現職の首相の起訴は、イスラエルの歴史上では例がない。この面でもネタニヤフ首相は「偉業」を「達成」してイスラエルの歴史に名前が、より深く刻まれるのだろうか。

 その偉業の達成を阻止する手段が一つある。それは現職の首相は訴追されないという法律の制定である。現にフランスでは、そのような法律が存在する。となるとネタニヤフ首相が議会を招集して自らの訴追を阻止する法案を通過させるのが先か、検察当局が訴追手続きを始めるのが先かとの競争になってきた。

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