マティス国防長官小

カナリアが死んだ、マティス国防長官の辞任

この師走になってトランプ大統領がシリアから米軍を撤退させると突然に発表した。これを受けて、マティス国防長官が2月末に辞任すると表明した。これで、トランプ政権には「まともな大人」がいなくなると懸念の声が高まっている。

マティスは1950年生まれで、海兵隊員として戦いキャリアを登り詰めて将軍として退役した。そしてトランプに請われて国防長官に就任した。この将軍は、「狂犬」というニックネームで知られている。もう一つのニックネームは「修道士」である。なぜならば、大変な勉強家として知られているからだ。その蔵書は1万冊とも報道されている。テレビを見ないし、持ってもいないと報道されている。この面では究極のテレビ人間であるトランプとは好対照であった。そしてトランプのブレーキとしての役割を果たしてきた。

筆者に言わせれば、実はマティスは、修道士でもなければ、狂犬でもなかった。カナリアだった。昔は鉱山に入る際にはカナリアの籠を帯同した。この鳥は、悪い空気に弱い。もしも毒ガスが発生すると、人より先にカナリアが倒れる。それで、人間にも危険だと分かる。そうしたガス検知器の役割をカナリアは果たしていた。

同じように、トランプ政権という空気の悪そうな場所で、マティスが生存できれば、米国にも救いがある。マティスが辞任する時には、この政権は危ない。そうした思いで、世界がマティスという人物に注目していた。そのマティスが政権を去る。トランプ政権の内部には、いよいよ毒ガスが充満してきたのだろう。カナリアは死んだのだろうか。


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