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アイアン・ドームは破られたのか?

ガザ地区の武装組織とイスラエルの間の戦闘が、とりあえず止まった。それなりのイスラエル側から譲歩があったようだ。14日からイスラエルのテルアビブで開催されるユーロビジョンを前に、停戦を実現させたいとの強い意向が譲歩の背景なのだろう。

しかしガザの武装組織とイスラエルの間の停戦が、このまま永遠に続くとは誰も思っていない。ユーロビジョンの後にガザのロケット問題を「最終的に解決」しようとの声がイスラエルで高まるであろう。「ガザ全体を駐車場のように平らにする」というようなレトリックさえイスラエルでは使われている。しかし「解決」の前に、ガザからのロケットの雨が再び降るだろう。

そこで気になるのが、イスラエルのロケット対策である。今回の衝突ではガザから600発以上のロケット弾が発射された。イスラエルのアイアン・ドームという迎撃システムが大活躍した。イスラエル側はロケット弾の落下地点を推測できる。そして、それが人のいない地域であれば無視する。被害が出そうであれば迎撃する。素晴らしいハイテクの力である。それでもイスラエル側に4人の死者が出ている。ガザの武装組織の方は、狭い地域に多数のロケット弾を集中させてアイアン・ドームの鉄壁の守りを破ったと豪語している。ガザのロケット問題を解決するためには、少数とはいえイスラエル側も犠牲を避けられない。この命の重さの評価が、イスラエルの次の一手を決めるだろう。

写真は、ロケット弾を迎撃するアイアン・ドームから発射されたミサイルhttps://twitter.com/Giotto_mkd/status/1125308131951685638


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