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ボルトンの首の皮

 トランプ大統領の安全保障問題の補佐官のジョン・ボルトンは、強硬な外交姿勢で知られる。北朝鮮に対しても、そしてイランに関してもである。しかし、トランプ大統領と補佐官の間の不協和音が最近は鳴り響いている。たとえば、北朝鮮のミサイル実験に関して、ボルトンは国連決議違反と主張しているが、大統領は「気にしない」と発言している。

 イランに関してもボルトンは、補佐官就任以前から現イスラム体制の転覆という議論で知られている。ところが日本訪問中にトランプ大統領は、「政権の転覆を求めているわけではない。単に核兵器の保有を許さないだけだ」との旨の発言であった。そして日本の安倍晋三総理のイラン訪問に賛意を表した。

 これだけ意見が違うのに、なぜボルトンの首が飛ばないのだろうか。恐らく、その理由はボルトンを推薦したのがカジノ王のシェルドン・アデルソンだからだろう。世界有数の富豪として知られるアデルソンは、共和党への支援者として知られる。トランプ大統領にも気前よく寄付をしている。

 ボルトンの首の皮はアデルソンの推薦である。しかし、既にトランプがボルトンの件でアデルソンに接触したという報道が流れ始めた。ボルトンを罷免した場合のアデルソンの対応の感触を得ようとしているのだろう。アデルソンというボルトンの首の皮が、いつまでつながっているのかは、どうも明らかでないようだ。


写真はジョン・ボルトン補佐官(Gage Skidmore)

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