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シンガポール、または「進化」ポール

 旅が多いと、どうしても飛行機会社のサービスを比べてしまう。最近シンガポール航空を使って、そのサービスに改めて感心した。まずビジネスクラスだと必ず「お客様」ではなく「ミスター」を付けて名前を呼んでくれる。これは前から素晴らしいと思っていた。名前を呼ばれると一人の人間として尊重されていると感じる。

 かつて国際会議の司会を経験した。参加者の顔ぶれを見るとインド亜大陸の方が多かった。ここの皆様は話好きで止まらない。国際会議で一番大変なのは日本人にしゃべらせることと、インド人を黙らせることだとの名言があるほどだ。どうしようもないと覚悟した。そして一つだけ準備をした。インド人の難しい名前を全部覚えて、会議では必ず名前を付けて呼びかけた。努力が報われたのか、インド人を黙らせることにも成功して会議は無事に終わった。名前を付けて呼ぶのは大切である。

 今回のフライトで二つ目に気に入ったのは、テーブルである。高さが調整できるようになっている。これは書きものをするときに有難い。背中を丸めなくてもすむ。これは前からだっただろうか。少なくとも筆者には新たな発見であった。

 三つ目はチェック・インである。フライトのかなり前からチェック・インしてラウンジでくつろげる。ホテルを正午に追い出されて、南アフリカ行きのフライトまで15時間ほどの待ち時間があった。このアーリー・チェック・インに助けられた。かつてロンドンに出張の多かった際に、ホテルを昼頃に出てヒースロー空港に行くと、成田行きのフライトのチェック・インが始まるまで相当な時間待たされたのを思い出す。重い荷物を持ったまま身動きのできない状況だった。今は改善されただろうか。今回のシンガポール航空の早めのチェック・インに感謝しながら、思い出した。それにしても常にサービスの向上に努めている。色々な面で、航空会社を含め、このシンガポールという国に感心する。どこまで、この国は進化するのだろうか。まさに「進化」ポールと洒落(しゃれ)てみたくなる。


シンガポール航空機

(写真は、以下からhttps://commons.wikimedia.org/wiki/File:Singapore_Airlines_Airbus-A330-343.jpg)

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