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ドローンは一機で飛ぶとは限らない!

皇居周辺でドローンらしき飛行物体が目撃されたとの報道が続いている。もちろん飛行禁止区域である。にもかかわらず操縦者もドローン自体も見つかっていない。日本では余り報道されなかったが、昨年末にドローンの侵入によりイギリスのロンドンのガトウィック空港が長時間にわたって閉鎖された。今日に至るまで犯人もドローンも見つかっていない。ドローン対策は、どの国にとっても頭の痛い問題のようだ。

とはいえ首都の中枢でドローンが飛び回るというのは、テロ対策という面からはゆゆしき事態である。軍事用に開発された高度な性能のドローンでなくとも、市販の業務用や娯楽用の製品に爆発物や化学薬品などの危険物質を搭載すれば人を殺傷できるからである。中東ではIS(「イスラム国」)が既に市販のドローンを兵器として使用した例が報告されている。

日本の警察は、2016年の伊勢志摩サミットの警備の予行演習をマスコミに公開している。その際にドローンを捕獲する訓練の様子を披露している。心強い。しかし映像からは、一機のドローンを捕獲する様子しか確認できない。懸念されるのは複数のドローンが同時に使われる事態である。

それも数機とかではない。数十機でもない。数百機の同時の飛来である。2018年に韓国の平昌(ピョンチャン)で開かれた冬季オリンピックの開会式では、主催者が同時に1218機のドローを飛行させて夜空に様々なデザインを描いた。観衆を魅了した。筆者は映像を見て怖くなった。これだけの数のドローンが同時にテロに使われた際に、どう対応できるだろうか。と心配したからだ。最近のドローン騒ぎは、日本の警備当局への警鐘である。この面でも十分な対策を御願いしたい。ドローンは一機で飛んでくるとは限らないからである。

写真は平昌オリンピックの開会式でのドローンによる光のショーhttps://commons.wikimedia.org/wiki/File:Intel-Drone-100-Light-Show-980x653.jpg


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