見出し画像

蝋梅の早い開花と侘助椿

二十四節気では小寒の一月六日の連休初日。
心拍を上げて血流を促し、鈍った身体と脳の澱みを取り除くべくロードバイクで走り初めをしてきました。大した距離では無かったものの、やはりリフレッシュ出来て心地よい。冬の装備ですと大汗をかきました。そう、暑かった。小寒だと言うのに。
そのせいか、帰路に寄った野川公園では、はや蝋梅が開花し、初春のような甘い香りを大気に満たしていました。

野川公園 自然観察園の蝋梅

まだ雪山に登れておらず、自身の感覚としては冬を迎えられていないのですが、もう春が訪れたのかと、ややせわしないような、一方では空気が華やぐ心地よさもあるような。

少し移動して神代植物公園へ。この時期は人も少なく静かに散策ができます。
すると正門を入ってすぐに、これまた甘い香りと共に紅梅が。。

神代植物公園の八重寒梅

いくらなんでも早すぎるだろうと驚いていたのですが、こちらは八重寒梅と言う元来早咲きの種で、季節感の崩れでは無くて何やら少し安心を致しました。

冬から初春にかけて楽しめる花と言えば、椿も好んでいます。
中でも一番好きなのが、素朴な藪椿。
先ほどの八重寒梅の近くで咲き始めていました。

神代植物公園の藪椿

故郷の京都では、鹿ヶ谷に群生があり、学生の頃から好んで散策していたのも、この野趣を最も好む理由かもしれません。
降雪や雨後の石畳に落ちた藪椿の風情はたまらなく惹きつけられます。

いつぞやの京都鹿ヶ谷の藪椿

話は戻って神代植物公園。
正門からだと一番奥、深大寺寄りに椿園があるので、そちらに向かってそぞろ歩き。お目当ては藪椿に次いで好きな種の侘助。
 幸いに大きな株が見頃を迎えていました。

神代植物公園の侘助椿 「数寄屋」

花は桜も梅も、八重ではなく一重のものを好んでいます。椿も同様。
一重の椿が好きな私、中でも侘助は、幾つかある種のいずれもが小ぶりで優しい風情を湛えている姿に惹かれます。残念ながら好きな白侘助は見当たりませんでしたが、数寄屋と名付けられたこの淡い桃色の種にも惹かれます。

もっとも、数多くある侘助は自然種ではなく、いずれも観賞用に人の手によって改良された栽培種。雄蕊が退化して、上述の藪椿のように黄色い花粉をつけず白い姿なのも、そのひっそりとした風情に貢献していると思います。ただ、雄蕊が退化しているので当然に種はできず、中国の宦官のようと言うと極端にしても、同じく桜の人工種である染井吉野のようです。自然界では奇形であり、少し複雑な思いも致します。

とは言え、難しく考えずに目に映るありのままを楽しむこととしましょう。

さんざん一重の花が好きと言いつつも、絵画として大好きな速水御舟氏作の「名樹散椿」は華やかな五色八重散椿であり、その姿も好きなのですけれどね。
近づいて花を愛でるのではなく、離れて樹全体を景色として眺めるのであれば、八重も華やかで良いものです。

神代植物公園 山茶花にも見えますが種類は未確認

こんな風に。

花々のおかげで、ロードバイクによる身体の心地よい疲労と共に、心も豊かになることができました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?