ハゲについて思うこと
私はハゲで坊主にしている。
坊主っていうのは職業もあるから、ここでは丸刈り(2mm)としておく。
つまり、ハゲで丸刈りにしている。
だいたい三十くらいからM字型に進行していた。
その頃から、潔く丸刈りにしはじめた。
M字ハゲは他のAタイプ(おでこの真ん中から進行)やOタイプ(天頂部より進行)よりまし、と思ってる奴が多い。ハゲコミニティの中にヒエラルキーを作っている。
ハゲが丸刈りにすると褒められることも多い。正確に言えば、話題に触れられることが多い。褒められることもあるし、ネタにされることもある。それを受け入れるかどうか。ちなみに丸刈りにするやつにはM字が多い。
よくあるパターンが
『俺もハゲたら、潔く一雄みたいにするよ』
というもの。
それをカミングアウト派と呼んでいる。
私も自分自身、ハゲ散らかして見すぼらしい、言わば、落ち武者スタイルは真っ平ごめんなので、丸刈りは気に入っている。中途半端に髪が伸びるとむしろハゲが気になる。三十手前くらいのときなど5センチ以上伸ばしたときは、エスカレーターの途中のミラーや、電車がトンネルに入ったときの窓ガラスに不意に映った生え際に
『うっ…ちょっと薄くなってる…』
とショックを受けたものだ。
先程は見すぼらしいと書いたが、結局ハゲはハゲ。カミングアウト派が落ち武者派にマウントしたいだけ。『俺のが潔くてかっこいいぞ』と。
しかしどうだ?
よくよく考えると、落ち武者派も捨てたもんじゃない。私はスラムダンクの三井のようなあきらめの悪い男をカッコいいと思うし、ベルセルクのガッツのように運命を受け入れずに足掻くものに憧れている。
ハゲという遺伝的要素が強い個性を諦めて受け入れずに必死で抵抗する姿、かっこいい。
サラリーマン時代、定年過ぎた先輩が
『俺ももう少しハゲたら、武智みたいに丸坊主にするよ』
と言ってきたので、私は
『え?◯◯さん、今は何ていう髪型っすか?』
『俺はずっとシチサンだよ』
『え?それバーコードっすよ・・・』
ということがあった。
きっと、ショックだったろう。
考察すると、本人は変化に気付かずにずーっとシチサンのつもりなのである。バーコードもシチサンと言えなくない。でも、時間的変化をメタ認知するのが下手すぎる。
そう、万物は流転する。
世界はもちろん、自分自身が置かれた状況、そして、自分自身の内面そのものも変化している。そのことにどれだけ敏感でいられるか、意図的に敏感でなくても、変化を察せられるか。
まあ、鈍感でもそれもいいけどね。
まとめるとハゲはハゲ。
M字でもAもOも大して変わらない。
潔いも足掻くもどっちも良い。
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