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アムウェイより苦情の多いD2C企業一覧 化粧品・健康食品 通販企業の苦情グラフ

ネット広告で商品の宣伝をしている会社について、苦情件数を分析し、グラフ化した。


この文書の意図

ネット広告は怪しいものが多い、という認識が広まっている。おそらくその広告の中には、悪質な会社もあるだろう。

筆者は、それぞれの企業の「悪質性」を、何らかの形で定量的に表現できないかと考えていた。そのひとつの手段として、苦情件数に着目した。

一般消費者としては、「苦情が多い会社の商品は買いたくない」と考えるのが普通だろう。通販で商品を買う際の参考にして頂きたい。

なお、分析しているのはあくまでも「苦情件数」のみだ。筆者としては、有益な指標のひとつになるだろうと考えているが、これだけで悪質性を強く断言できるとは思っていないので、その点を最初に申し添えておく。

データの出典など

苦情件数の期間は2021年7月~2022年6月の1年間。出典はPIO-NET毎日新聞の記事だ。

PIO-NETは、「苦情相談情報(消費生活相談情報)の収集を行っているシステム」だ。日本各地の消費生活センターと、独立行政法人国民生活センターに寄せられた苦情相談情報が記録されている。

各社の売上情報については、決算公告や、信用調査会社の有料レポートなどから得た。

苦情件数グラフ - 年間件数

筆者が調べた苦情件数のグラフは下記の通り。

会社ごとの年間苦情件数(2021年7月〜2022年6月)

筆者が調べた中では、ファーマフーズへの苦情が最も多く、4,510件だった。

なお、化粧品・健康食品について、PIO-NETに記録された苦情件数は、全企業の2021年年間総合計で 73,989件 だ(44,608件+29,381件)。

化粧品・健康食品の苦情件数(国内全件)
出典:消費生活年報2021

国内の苦情の年間総合計が 73,989件 であるのに対し、ファーマフーズへの苦情件数は 4510件 だった。この件数から、ファーマフーズは、化粧品・健康食品の苦情全体の6.09%を占めている、と算出できる。

算出式は単純な割り算だ。以下の通り。
4,510件 / 73,989件 = 6.09%

苦情件数グラフ - 1億円あたり件数

上記グラフは、単純な苦情件数だ。一方、「売上が大きくなれば苦情も比例して大きくなるのが当然だ」という考え方もあるだろう。

そこで、上記の年間苦情件数を各社の年間売上(概算)で割り、売上1億円あたりの苦情件数のグラフを作成した。結果は以下の通りだ。

売上1億円あたりの年間苦情件数

各グラフで比較しやすくするために、横方向の会社の並び順は固定してある。

売上1億円あたりの苦情件数は、トラストラインが 220.7件 と飛び抜けている。なお、トラストラインについては決算公告を見つけられなかったため、信用調査会社からレポートを買い、それを基に年間売上を10億円と見積もった。

トラストラインが販売しているのは、歯磨き粉のミカホワイト、健康食品のキラーバーナーなどだ。

なお、どの商品に苦情が集中しているか、という点については、筆者は把握していない。

苦情件数グラフ - 1億円あたり件数(拡大)

上記グラフではトラストラインの件数が大きすぎて、それ以外の会社の件数がわかりづらくなってしまった。そこで、各社の数値を比較するにあたり、グラフの縦軸を拡大する。

上記グラフを拡大したものは下記。

売上1億円あたりの年間苦情件数 縦軸拡大

苦情件数グラフ - 基準とする企業

まず上記グラフの中の「日本アムウェイ」と「ウエルシア薬局」に、それぞれ水色、緑色の矢印をつけた。この2社は、比較対象として良い基準となる。

売上1億円あたりの年間苦情件数 縦軸拡大

日本アムウェイ

最初に、水色の矢印をつけた「日本アムウェイ」について言及する。

アムウェイを知る人は多いだろう。「マルチ商法」で有名な会社だ。おそらく、悪い印象を持っている人が多いと思う。筆者もその感覚に同意する。

この日本アムウェイの苦情頻度は、売上1億円あたり0.27件だった。

日本アムウェイは10月、消費者庁から6ヶ月の取引停止命令を受けている。行政から悪質だと判断された会社だ、と言えるだろう。

日本アムウェイは既に問題を起こし、話題になっている。この日本アムウェイよりも苦情が多い会社は、問題のある会社かもしれない、と考えるのは自然だろう。その観点でグラフに書き込んだ。

ウエルシア薬局

次に、右端の緑色矢印、ウエルシア薬局について言及する。

ウェルシア薬局は、関東圏を中心に実店舗を展開しているドラッグストアだ。おそらくほとんどの人が「健全な商売をしている会社」だと考えているだろう。筆者もその認識だ。

各社の苦情件数を論じるにあたり、その比較対象として「健全な会社への苦情件数」を把握すれば、他の会社の悪質性を判断しやすいだろう、と考え、上記グラフに入れた。ウエルシア薬局の苦情件数は0.01件/億円であった。

アムウェイとウエルシア薬局を比較すると、アムウェイの苦情件数は0.27件/億円、ウエルシア薬局の苦情件数は0.01件/億円なので、アムウェイへの苦情頻度はウエルシア薬局の約27倍ということになる。

この要領で、上記グラフの各社について言及する。

例えば、前述のトラストラインへの苦情件数は 220.70件/億円 なので、トラストラインはウエルシア薬局の 約2.2万倍 の頻度で苦情が発生している、と言えそうだ。

苦情件数グラフ - 上場企業

前述のグラフの中で、上場企業に赤矢印をつけると以下のようになる。

売上1億円あたりの年間苦情件数 縦軸拡大
上場企業に赤矢印

それぞれの上場企業とウエルシア薬局を比較しよう。

ファーマフーズ

8.69件/億円
→ ウエルシア薬局の約869倍の苦情

北の達人

5.49件/億円
→ ウエルシア薬局の約549倍の苦情

ジェイフロンティア

5.13件/億円
→ ウエルシア薬局の約513倍の苦情

プレミアアンチエイジング

0.49件/億円
→ ウエルシア薬局の約49倍の苦情

スギ薬局

0.03件/億円
→ ウエルシア薬局の約3倍の苦情
※筆者としては、スギ薬局はウエルシア薬局と同様に健全な会社だと認識している。しかし、平成29年11月に一度、消費者庁から措置命令が出されたことがあるため、念のため個別に調べた。概ね健全と言える結果と思う。

ビタブリッドジャパン

0.90件/億円
→ ウエルシア薬局の約90倍の苦情

ユーグレナ

1.15件/億円
→ ウエルシア薬局の約115倍の苦情

一般論としては、上場企業は信頼性が高い、ということが言える。しかし、化粧品・健康食品の分野では、そうではないのかもしれない。

苦情件数グラフ - 企業グループらしきもの

今回の調査を進めていく中で、少し奇妙な共通点のある会社があったので触れておく。ツインガーデン、グロリアス製薬、FUMENTの3社だ。

この三社は、何らかの形で繋がりを持っているのではないか、と筆者としては感じた。

グラフに、この3社について紫色で着色した。

これらはいずれも非上場企業であり、グロリアス製薬とFUMENTについては、売上の情報を得ることができなかった。そのため、売上あたりの苦情件数は計算できていない。

売上1億円あたりの年間苦情件数 縦軸拡大
「奇妙な共通点」の会社に紫矢印

最初に出した苦情件数のグラフにも紫色の矢印をつけた。これら3社の苦情件数を合計すると4353件。トップのファーマフーズに匹敵する。

年間苦情件数
「奇妙な共通点」の会社に紫矢印

この3社は、ひとつひとつの会社としても苦情件数が多い。何らかの繋がりを持つ企業グループだったとすれば、強い注目に値するだろう。

なお、「奇妙な共通点」の具体的な内容については、言及を避ける。

消費者としての判断基準

ここまで、いくつかのデータを論じた。消費者側としてどの企業からの購入を避けるかについては、かなり感覚が分かれると思う。

そこで、考え方の例として、筆者の私見を述べる。

筆者の私見 - アムウェイより数字が悪い会社は避ける

筆者の個人的意見としては、アムウェイよりも苦情が多い会社の商品は、買うべきではないように思う。

アムウェイは悪名高い会社であり、直近でも、消費者庁から処分を受けている。そのアムウェイよりも苦情が多い会社の商品は、買わないほうが良いのではないだろうか。筆者はそう考えた。

その基準に基づき、避けるべき会社を列挙する。

苦情件数が日本アムウェイよりも多い会社

苦情件数が日本アムウェイよりも多い会社は下記だ。筆者は、これらの会社の商品を買わない。

年間苦情件数
筆者が考える「避けるべき会社」

売上1億円あたりの苦情発生頻度が日本アムウェイよりも多い会社

売上1億円あたりの苦情発生頻度が、日本アムウェイの 0.27件/億円 よりも多い会社は下記だ。筆者は、これらの会社の商品を買わない。

売上1億円あたりの年間苦情件数 縦軸拡大
筆者が考える「避けるべき会社」

消費者として身を守るための参考にして頂ければ幸いだ。

以上


■2023年12月14日 追記
6ヶ月進行版を作成しました。

【2022年版】苦情の多いD2C企業一覧 化粧品・健康食品 通販企業の苦情グラフ

以上

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kazuo dobashi
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