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ABEMA「アフィリエイト」お前が言うな お前は喋れ

ABEMA Timesの下記記事を読み、YouTubeの番組も見て、非常にムカムカしたので書く。

私のムカムカポイントを書こう。

現在のアフィリエイターは法人である

この番組冒頭で、アフィリエイトの仕組みを説明する画像が表示された。下記だ。この図で、「アフィリエイターと呼ばれる個人が広告を作成して掲載」と説明が添えられた。この説明は間違っている。

確かに、10年前くらいまでは個人アフィリエイターは力を持っていた。しかし、現在のアフィリエイト業界は、ほとんどが法人で占められている。会社組織である法人が、アフィリエイターとして事業を行っているのだ。

このことは、今回のアナウンスの前段となった消費者庁検討会の報告書で指摘されている。抜粋はこちら。

消費者庁「アフィリエイト広告等に関する検討会」報告資料 P8抜粋

今回のABEMAの番組は、最初の一歩でこの前提を見誤っている。

この間違いは、これまでさんざん繰り返されてきた。私が2020年4月にABEMA Primeに出演したときも、この説明を何度もした。

アフィリエイト業界の外の人たちが、「アフィリエイターは個人だ」と思い込んでしまうことは理解できる。アフィリエイターという言葉は、もともと個人を想定された言葉だからだ。

しかし、前述の消費者庁検討会資料で示した通り、現状のアフィリエイト業界を占めているのは、経済規模としてはほとんどが法人だ。

あまりに汚い広告だらけだから、会社組織である法人がそんなことをするわけがない、と考える一般の人も多いだろう。しかし、いま流通している汚い広告を作りまくっているのは、基本的に法人だ。

夏野氏、お前が言うな

番組内では、株式会社ドワンゴの夏野氏が、出演しているアフィリエイターに厳しい質問を投げかけていた。一般の人の感覚を代弁しているという意味では、適切な質問であったと思う。

しかし、夏野氏は、その質問をするために適任ではない。夏野氏が社長を務めている株式会社ドワンゴは、アドアフィリエイトの出稿を受け入れ、違法な広告で収入を得ていた。

下記は、私が寄稿した記事だ。この記事を作成する際、株式会社ドワンゴが運営するニコニコニュースに表示される広告に、特に着目した。編集部から、ドワンゴに取材を当ててもらっている。

※下記記事は長いので全文読むのは時間がかかる。ドワンゴからの回答のページだけ読みたい方はこちら

夏野氏は番組内で、「ネット上はお金が介在したコンテンツだらけだから、情報を信用できない」というような趣旨のことを言っていたと思う。

しかし、夏野氏は自身が経営しているドワンゴで広告を表示していた。しかも、嘘だらけの違法な広告だ。お前が言うな、と、私は心の中でつぶやいた。

おそらく、夏野氏はたまたまこの日に出演を依頼されて、たまたまこの話題にぶつかっただけなのだろう。不幸な事故ではあると思う。

また、違法広告をサイト内で流通させていたことについても、基本的には悪意はないのだろうと思う。最も悪いのは、違法広告を入稿してくる広告主だ。それは理屈としてはもちろんわかる。

ただ、私としては夏野氏にムカムカした。

ハヤカワ五味氏、お前は喋れ

この番組には、ハヤカワ五味氏も出演していた。

ハヤカワ五味氏の、番組内で展開された言説自体には納得感があった。

しかし、私はムカムカした。ハヤカワ五味氏も違法広告に加担した過去があるからだ。ハヤカワ五味氏は、小さくはあるが、今回のこの法規制が必要となった原因の側の人だ。

彼女が代表を務めている株式会社ILLUMINATEのサイトに、その時のお詫び文書がまだ残っている。

彼女は、無知によって違法広告を行ってしまったのだろうと思う。このお詫び文書を今も残していること自体も、誠実性と反省の現れなのだろう。だから、もう忘れても良いことなのかもしれない。

しかし記憶に残ってしまっている私としては、やはりムカムカした。

小悪の連鎖

私は、夏野氏にも、ハヤカワ五味氏にも、基本的には悪い感情を持っていなかった。上に書いたように、ふたりとも自分自身の意思で悪事をしようと考えたわけではないと思う。

スタンスとしては受け身で、結果的にちょっと悪いことをやってしまった、ということなのだろう。

しかし、そのような小悪が連鎖することによって、現在の醜悪なネット広告が流通しているのも事実であると思う。ネット広告業界は、この小悪の連鎖を断ち切ることができなかった。

だから消費者庁が動くことになったのだ。

以上

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