~思い出話①~守るべきものを間違えてしまった

23年間続けていることの思い出。

僕は現在33歳ですが、10歳の時にソフトボールのスポーツ少年団に入り、現在まで野球を続けています。
まさに青春の全てを捧げました。
「かずひろの記録」として思い出話を書き記していこうと思います。
着地点が見えないスタートになりますが、よろしければお付き合いください。

10歳のある日、友達が家に突然やって来て、「キャプテンが呼んでるからグローブ持ってついてきて!」と言い意味がわからないまま自転車で近所の神社へ向かいました。

そこには見慣れた顔の同級生や上級生など10人くらいが集まっていて、また突然「入団おめでとう!」と僕を迎えてくれました。

商品説明もされないままに契約書にサインを書かされたようなあの日が、僕の人生にとっては大きな大きな転機でありました。

練習は毎日で、そのほとんどが僕達のみで行う自主練のようなもの。
監督は酒屋を経営していたため仕事の合間に指導に来てくれました。
監督にはよく怒られたな。
誰かがミスをしたら「集まれ〜!」
とにかく怒られたくなくて、監督に何か言われたら「はいっ!」と大きな声で返事をすると、「白と黒まぜたら、灰!」など生返事を見透かされて拍車をかけて怒られたりもしました。
この返事や話を聞く態度、挨拶には特に厳しい監督でしたが、今となってはあの日々の教えには感謝しかありません。

ドッジ弾平やスラムダンクの人気によって、ドッジボールやミニバスケのスポーツ少年団に入団する小学生が多く、お世話になったスポーツ少年団は、僕達の卒団とともに団員不足のため無くなってしまいました。

何年もの間、当たり前のように元気な声が響いていた神社の広場や酒屋の蔵が急に静まり返った時、監督はどんなことを思ったんだろう。

僕も大人になってようやくこんなことを考える人になりました。
当時の僕がやらなければならなかったことは試合に勝つことやソフトボールが上手になることじゃなくて、長い間そこに在ったものを無くさないようにすることでした。
気付くのが遅くなって本当にごめんなさい。

かずひろの記録