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追込クリオグリとスコーピオ杯優勝したトレーナーの攻略ノート

ウマ娘、スコーピオ杯お疲れさまでした。

なかなかに荒れたチャンピオンズミーティングとなりましたね。個人的にチャンミは毎月とても楽しみにしているコンテンツでして、試行錯誤を繰り返しながらいつも育成に取り組んでいます。

ちなみに今回の結果はグレードA決勝にて、追込クリオグリが1着、先行ヤエノムテキが2着、差しグラスワンダーが6着となりました。

今回のチャンミに思うところもある方がいるのは承知していますし、すごく久々に、しかもウマ娘の記事を初めて書くくらい私も思うところがないわけではありません。思わず筆を執りたくなった次第ですが、とりあえずこの記事では私がどんなことを考えながら、スコーピオ杯を攻略していったのかを文章に残しておきたいと思います。

これからチャンミで勝ちたいと思うトレーナーさんたちの、参考のひとつにでもなれば幸いです。


攻略の要、3つの最重要区間

レースで勝つには強いウマ娘であることが必須ですが、コースの特徴を正しく理解した上で、正しく適性のあるウマ娘を育てることがトレーナーの務めとなります。

今回のスコーピオ杯の舞台は京都2200m中距離、芝良右外晴秋、エリザベス女王杯でした。このコースを攻略する上で特に重要となるのが「3つの区間」だと私は考えて育成をスタートしました。

まずはその3つの区間を確認していきましょう。


・第1区間(上り坂)

第1区間は、中盤から始まる少し長めの上り坂です。

レース全体のスピードが上昇していく中盤のタイミングで、少し長めの上り坂を迎えます。ここで求められるのは十分なスタミナとパワー、そして良ポジションを獲るための賢さやスキルとなります。

上り坂を越えるとゴールに向けてのハイスピード区間に突入するため、ここで周囲に後れを取ると大きな足枷となります。前方脚質であれば後ろを突き放し、後方脚質であれば前との距離を詰めねばならない場面です。


・第2区間(下り坂)

第2区間は、スパートが始まる下り坂です。

ゴールに向けてのスパートが始まるこのタイミングは最も重要で、ここで確実に加速して最高速度を目指すことが勝利への絶対条件です。十分なスタミナとパワー、そして何よりもひとつでも多くの加速スキルがないと勝負になりません。

また、第2区間に入った時点で最高のスパートを決められるポジションを獲れていないと、出遅れに繋がります。その意味でも第1区間をどうやって走るのかが重要となるのです。


・第3区間(最終直線)

第3区間は、少し長めの最終直線です。

後はゴールを目指してひた走るだけですが、この最終直線はそこそこ距離があるため、対策次第で最終順位が変動してきます。十分なスタミナとより高いスピード、さらには速度スキルや追い比べの根性も求められます。

これら3つの区間でベストな走りが出来るウマ娘が「勝てるウマ娘」です。それぞれの区間をどうやって走るのか、そのイメージを明確に持ってどんな戦略を立てるのか、そこにトレーナーの手腕が試されています。

もっと厳密に言えば、スタート直後とか色々な要素がありますが、ひとまずこの記事では無視して3つの区間について検討していきます。


脚質の候補について検討する


個々のキャラやスキルを考える前に、まずは3つの区間を念頭に置きながら各脚質について検討していきます。その上で、私が実際に採用したキャラを簡単に解説したいと思います。


・真っ先に候補から外れる「逃げ」

まず真っ先に候補から外れるのが「逃げ」です。

逃げはレース前半にスパートをかけるため、後半にいくほど速度が低下し、有効なスキルもスタミナも減っていきます。今回のように上り坂や下り坂で後半に体力を削られるコースとそもそも相性がよくありません。

第1区間では失速しやすく、第2区間では決め手のスキルに欠け、第3区間は距離の長さゆえに大失速する可能性すらあります。最終直線がやや長いというのが肝で、後述しますが今回は先行がかなり強いため中途半端な逃げでは競り負ける可能性が非常に高く、勝てる逃げを作るのはかなり高難易度の育成になります。

キャラやサポカが充実している上級者向けの脚質のため、自分で逃げを作る選択肢は早々に消えました。

また、対戦相手が中途半端な逃げの場合は第3区間で必ず失速するので全く怖くありません。仕上がった逃げならば逃げ切られる可能性はあるものの、頻繁に遭遇するとは考えづらい条件です。したがって、逃げが不利なこのコースでは、逃げが負けるレースやそもそも逃げが不在のレースになる可能性が高いと事前に予想されますし、実際その傾向にありました。

今回逃げで勝てた方は相当な凄腕トレーナーです。
称賛に値します。


・最有力のエース候補「先行」

次に「先行」ですが、先行は最重要な第2区間の下り坂で確定発動する「決意の直滑降」がもの凄く強力なので、どのウマ娘でも最有力のエースになれる脚質です。他にも「快進撃」や「決死の覚悟」などの有効スキルが目白押しで、サポカのSSRスピタキオンとの相性も抜群なので文句がありません。

ただ、唯一の欠点があって、それは対戦相手も当然先行を出してくるため、先行過多の状況になりやすいということです。

バ群に囲まれるとスタミナを著しく消耗し、ポジション取りも思うようにいかなくなるため、第1区間で大失速する可能性が出てきます。上手くバ群を抜け出せれば3つの区間を理想的に走れるものの、抜け出せなかった場合はほぼ勝ち目が消えてしまうのです。

つまり、複数の先行編成はリスクでしかありません。

先行3編成はただの自滅行為です。自チーム内で互いに足を引っぱってしまいます。先行2編成ならぎりぎり選択肢に入るかもしれませんが、私はヤエノムテキひとりを先行エース候補にしました。

スコーピオ杯準エースヤエノムテキのステータス画像
スコーピオ杯準エースヤエノムテキの勝率画像、勝率1.3%

強力な中盤スキルを積みやすいヤエノムテキは第1区間のポジションキープが得意です。だからこそ、本来であれば第2区間も強化したいところなのですが、所持サポカの関係上、第2区間で必須級の「決意の直滑降」と「ノンストップガール」を捨てざるを得ませんでした。

しかしながら、第2区間の加速を意図的に弱くすることで「勝利への執念」が発動し、そのまま第3区間の「決死の覚悟」や「固有スキル」へと接続することが可能になります。最終直線の少し手前から、立て続けにスキルを連発して加速するのが、うちのヤエちゃんの基本的なスタイルです。

しかも、第2区間でうちの追込クリオグリが追い越すと互いに競い合う「追い比べ」が発動するトリガーになります。ヤエちゃんがオグリに食らいついたまま第3区間に突入して追い比べが発動する、それが私の思い描いた理想的なレース展開でした。

参考までにルムマのとあるレースをご紹介です。

ヤエちゃんは中盤から第1区間の辺りでスキルを連発して、先頭の鳴タマに一気に詰め寄り追い越しますが、すぐに追い返されるも「勝利への執念」が発動して第3区間へ突入します。同じタイミングで後方からうちの追込クリオグリが詰め寄って互いに追い比べが発動。そのまま固有スキルも発動してゴールまで駆け抜けたレースでした。オグリ1位のヤエちゃん2位、まさに思い描いた理想的な形です。

ちなみに最後まで競り合った鳴るタマはUG4でした。それとこのレースの注目点はハロドトウがUF4の化け物で勝ちウマ筆頭だったところです。ところが、うちのヤエちゃんに中盤スキルの差で競り負けてポジションが取れずに、そのまま何も出来ずに終わってしまいました。これがポジションキープに失敗した先行の末路であり、先行過多を避けるべき理由です。

ただ、うちのヤエちゃんはスピードを狙い通りに仕上げきれず、中途半端なステータスで終わってしまいました。へぼトレーナーで本当に申し訳ないです。ラウンド2以降ではステの低さから通用しないレースが増えていきましたが、それでもトータルで複勝率50%は十分健闘した結果ですし、決勝ではちゃんと2着をもぎ取ってきました。

スピードをきちんと盛れていれば勝率はもっと上がったと思いますし、うちのクリオグリとも良い勝負が出来たはずです。

そこは少し反省点です。


・「差し」の真価はデバフ

では、次に「差し」です。差しは全体的にそつなくこなせるポテンシャルがあるのですが、最重要な第2区間での加速スキルが安定しないという欠点があります。上手くスキルが発動すれば十分強いものの、ムラがありすぎてエース候補とするにはやや不安が残ります。

ただ、中距離において差しの真価はデバフにあると私は思います。強力なデバフを持ったウマ娘が差しに多く、運用次第では大きな戦力になるでしょう。

ところで、チャンミではデバフの扱いがよく話題になります。勝つ気のないデバフキャラをレースで走らせることに抵抗を感じる方も多いからです。

キャラクター性を売りにしたゲームゆえにその意見も理解出来ますし、ぜひ大事にしていただきたいと思います。でも、私としてはチャンミはチーム戦の勝負である以上、デバフは非常に有効な戦略のひとつでしかありません。

デバフを使用したからといって非難される謂われは1mmもありません。

特にキャラもサポカもまだ揃っていない初~中級者トレーナーであれば、3人で力を合わせて格上のウマ娘に勝つことはこのゲームの醍醐味のひとつではないでしょうか。個々の能力だけではなく、戦略でもって相手をねじ伏せるのはとても楽しいことだと思います。それこそが勝負です。

また一方で、デバフが有効である以上はそれを想定した戦略も考えねばなりません。具体的には相手のデバフを警戒して「スタミナをどこまで確保するのか?」という問題です。

もちろん脚質やスキル構成によって変化はしますが、私が目指した数値は「800+金回復1つ」が基本的な最低ラインで、可能ならば「900+金回復1つ+白回復1つ」くらいがベストだと考えました。逃げ先行なら1000超えててもいいくらいだと思います。そのくらい、今回のチャンミはスタミナを軽視するとマズイと予想していました。そして実際のところ、スタミナを軽視していたウマ娘はことごとく負けていたように思います。

デバフがいようがいまいが、「最終直線で歩いた」という状況は根本的にスタミナ足りていません。そもそも「歩く」状態はスタミナが切れてもうどうしようもない状態であり、その前段階として「スタミナが足りずに加速できない」状態があります。デバフの基本は「相手を加速させず、自分は加速することで差をつける」です。

うちのチームは先行ヤエちゃんと追込クリオグリのダブルエースで行くと早めに決まり、もう1枠はデバフでサポートする方向で検討していました。そして最終的にはデバフ差しグラスワンダーを採用したわけです。

スコーピオ杯デバフ兼準エースグラスワンダーのステータス画像
スコーピオ杯グラスワンダーの勝率画像、勝率2.5%

ただしデバフ専門ではなく、勝ちも狙える構成にしました。それには3つの理由があります。

1つ目は、決勝は全員絶好調なので専門的なデバフをひとり入れた程度ではあまり効果が期待できないからです。かと言って、非常に強力な「独占力」を抜くのは、それはそれで勿体ないので1枠だけ確保することにしました。後は先行だけに軽めのデバフ飛ばせれば十分です。

2つ目は、チャンミ用ライブが実装されたからです。どうせなら上のステージを目指したいじゃないですか。自ら勝ち筋を消すのは勿体ないです。
(今回のチャンミから上位3キャラではなく、各プレイヤーの上位キャラが上段ステージの扱いになっていました。残念)

3つ目は、中途半端な能力だと垂れウマ化して、エースの追込クリオグリの進路を妨害してしまう可能性があるからです。実のところ、これが一番重要な理由でした。

そして、あれこれ考えながら、差しグラス、差しネイチャ、追込会長、あたりを育成してみて、その中でグラスがある程度形になったので採用しました。良い感じの追込会長も出来ていたのですが、スタミナが低すぎたので見送りです。このグラスもスタミナにやや不安があるのと、やっぱり第2区間での加速が不安定なため、圏外に落ちることも多かったです。

決勝では掛かりに加えてデバフの嵐だったため、案の定、スタミナに不安があったグラスは6着に終わってしまいました。残念。


・相性抜群で最大火力の「追込」

では、最後に「追込」です。追込の考え方は逃げの反対となります。前半に体力を温存して後半にスパートをかけるため、今回のコースと非常に相性が良い脚質です。さらに逃げが不在のレースだと後方脚質の優位性がさらに増すので、高確率で有利になることが予想されます。

特に追込は第3区間でその真価を発揮します。脚質補正によりどの脚質よりも最大速度を出すことが出来るので、少し長めの最終直線で後方から一気に捲ることが可能です。今回のコースは先行が安定して強いですが、最大火力は間違いなく追込に分があります。

ただし、どうしても第2区間の加速が不安定になるのが大きな欠点です。ギャンブル性はありますが、それに見合ったリターンが期待出来るでしょう。


・全ての脚質を凌駕する「追込クリオグリ」

追込クリオグリの何が問題なのか。まず今回のコースにおいて、そもそも追込はかなり強い脚質です。唯一の欠点が第2区間における不安定なギャンブル性にあるのですが、その一番重要なタイミングで追込クリオグリだけが固有スキルをほぼ確定で発動することが出来ます

そんなの、追込クリオグリが強くて当たり前です。
もはや全ての脚質を凌駕する「追込クリオグリ」という脚質です。

育成難易度は高いものの、多少中途半端な仕上がりでも3つの区間をほぼ確定でベストな走りをするため、運に頼らない力任せの戦いをすることが可能です。デバフを混ぜれば勝率はさらに上がることでしょう。

そして、うちの追込クリオグリは自分でも信じられないくらい完璧に仕上げることが出来ました。(スコーピオ杯時点でのシナリオレコード

スコーピオ杯プラチナの追込クリオグリのステータス画像
スコーピオ杯プラチナの追込クリオグリの勝率画像、勝率86.3%

3つの区間全てに有効なスキルを積めているので正直言って隙がありません。スタミナと回復も確保しているため、多少のデバフをモノともしないタフさもあります。ゆえに、うちではデバフ専門を採用せず、この子がどこまで走っていけるのかを見届けることにしました。

そして決勝の様子がこちら。相手にデバフが4人いるので、無数の白デバフにスタミナ金デバフが5発飛んできましたが、オグリとヤエちゃんはきちんとスタミナを確保していたので関係なく勝利しました。
(グラスちゃんは虫の息だ!)

ステータスと適性はもちろんですが、個人的には「キミと勝ちたい」を捨てて「イナズマステップ」と「前のめり」を獲ったのが正解でした。「強攻策」と合わせて第1区間からどんどん前に進出するため、第1区間の時点で5位以上にいることも多く、第2区間で「レッツ・アナボリック!」が発動せずに不要ですらありました。まあ、逆に前に出られなかった場合はアナボでぶっ飛んでいきます。固有発動の時点ですでに先頭を捉えていることが多かったため、まず負ける要素がありません。固有不発でも2回勝ちました。

逆に負けたパターンは、固有不発で差しきれず2敗、垂れウマに引っかかった4敗、そして純粋に相手の方が強かった負けが5敗で、計11敗でした。おおよそのところ、固有不発が5%、垂れウマ事故が5%、そして力負けが5%というわけです。

この最後の5%がウマ娘のやべぇ最上位トレーナーたちです。

スピデバフ2編成の先行クリオグリに2敗、同じくデバフ編成の追込クリオグリに1敗しました。この辺りは貪欲に勝ちを狙った相手の方が強かったパターンですが、本当にやばかったのが仕上がった先行ハロドトウの2敗です。

デバフ関係なく、純粋に単騎で力負けしたのは先行ハロドトウだけでした。あと、本戦では出会いませんでしたが、ルムマで負けた先行鳴タマも手が着けられない強さでした。最高峰に仕上げた先行、特にハロドトウや鳴タマ辺りは追込クリオグリにデバフ不要で勝てるくらいに強いです。ツイッターを見ていた感じだと、先行ライスでもめちゃくちゃ強い方いらっしゃいましたね。

うちの追込クリオグリは私の過去最高傑作であり、超自信のあるウマ娘に仕上げた自負があります。それでも、上には上がまだまだいるのです。

これだから、ウマ娘は面白い。


スコーピオ杯前提条件のまとめ


私が重要視した3つの区間を脚質ごとに個人的な評価をすると下図のようになります。評価は高い順に◎ > 〇 > △ > ×です。

あくまで大雑把な個人的な評価ではありますが、今回のコースで先行が強い理由と、追込クリオグリがいかに異常なのかが一発で分かると思います。

逃げは不利。
先行は安定して有利。
差しは不安定だけどまあ有利。
追込は不安定だけどかなり有利。
追込クリオグリは安定してかなり有利。

というのが、私が見立てた今回のコースにおける脚質ごとの前提条件です。先行が安定して強いけれど、不安定ながらも爆発力は差し、さらには追込の方が有利。残念ながら逃げはかなりきつい。

そんな予想を立てつつ、では実際にどんなチームにしようかな、どんな戦略で戦おうかなと検討するのが普通です。どのウマ娘にするのか、長所を伸ばすのか、短所を補うのか、必須スキルは、サポカは、脚質の魔改造する? いやいやちょっと待って、追込クリオグリ入ればそれで良くない? と、なってしまうのが今回のスコーピオ杯の大きな問題でした。

さらにはデバフがかなりの悪さをしています。

デバフの効果がどうのこうのという話ではなく、今回のコース条件では強力なデバフを持っているキャラが差しに多いことが重要なところです。デバフが有効な戦略として機能する以上、必然的に後方脚質にキャラが集中してしまいます。前方脚質が減れば減るほど、バ群が伸びずにますます追込が有利な状況を作り出しているのです。

したがって、デバフに耐えられるレベルの追込クリオグリの場合、対戦相手の差しネイチャや嫁マヤはボーナスでしかありません。もしも、追込クリオグリを倒す目的で差しデバフを採用していたら、それは逆効果です。追込クリオグリ一強の状況を自らサポートしていたことに気がついてください。

今回のコースを攻略する上で、全ての前提条件が追込クリオグリの追い風になっています。スタート地点からここまで露骨に差があると、それをトレーナーの創意工夫で覆すのはなかなかに難しいのかもしれません。だから、不満の声が出てくるのは理解はできます。でも、勝つ方法が全くないわけではありません。

レースに絶対はありません
ウマ娘トレーナーさんならご存じですね?

さあ、追込クリオグリの倒し方を検討しましょう。


追込クリオグリの倒し方


「追込クリオグリが一強なのなんとかしろ」
「勝てなさすぎてチャンミつまらない」
「格差ありすぎて推しウマ娘じゃ勝負にならない」

そんなお言葉もあちこちから聞こえてきたチャンミでした。確かに今回のコース条件では追込クリオグリが問答無用に強い事実があります。でも、実際に追込クリオグリを使用した私から見ると、ミスなく走ったのに負けたレースがいくつかあります。また、ルームマッチの環境(時にプラチナ称号を獲るよりも遥かに難しいレース)では普通に負けることもあります。

なので、追込クリオグリに勝つ方法が全くないわけではないのです。ただ、その要求レベルがかなり高いことも事実で、それが問題に拍車をかけている一面があります。決して一筋縄で攻略出来るものではありません。

では、ここからは追込クリオグリの倒し方を検討していきます。


・自滅に期待

まず、どんなに仕上がった追込クリオグリも10%くらいはスキル不発や垂れウマ事故で勝手に自滅します。スキル次第で5%くらいまでは下げられそうな気がしますが、まあ、大体5~10%は何もしなくても勝手に負けるはずです。中途半端な仕上がりなら20~30%くらいでしょうか。それでもだいぶ頭おかしい確率ですね。

追込クリオグリ以外にきちんと勝てるレースをしていれば、5~30%くらいは何もせずに勝てます。追込クリオグリがふたりいた時?

あー、それは、うん……よし、次を検討しましょう。


・デバフに期待

お馴染みのデバフ作戦です。どんなに仕上がっていようとも徹底的にデバフを浴びせれば、さすがに死んでしまいます。564搭載のデバフ専門が4人いたときはさすがにしょんぼりと歩きながら負けました。

ただし、デバフを積み重ねる分、自チームの戦力は低下するので、歩きながらゴールまで逃げられるかもしれませんし、スタミナ豊富な他のウマ娘に負ける可能性があります。また、先述しましたが、差し、追込のデバフを増やしすぎるとバ群が伸びずに追込が有利な状況が発生します。

自チームがデバフで稼ぐバ身よりも、追込有利な状況でオグリ自身が稼ぐバ身の方が多かったら、何の意味もありません。では、どうするのか。答えはたったひとつです。逃げデバフの出番です。


・逃げに期待

追込クリオグリを不利な状況にする一番効果的な方法は、とにかく前方脚質を増やして、追込が追いつけないハイスピードな展開でバ群を伸ばすことです。そもそものコースの前提条件として存在する追込が有利な状況をまずは覆しましょう。つまり、強力な逃げが必要です。でも、今回は逃げが不利なコースです。

ということで、ジレンマに陥るわけですよ。むずかしいですね。

そもそも逃げが勝ちづらいコースなので、逃げエース3編成では純粋に力負けする恐れがあります。なので、大本命の逃げエースを1か2にして、ハイペース要因の大逃げスズカをデバフとして運用する選択肢が考えられます。

また、逃げデバフとして有効なのが「独占力」持ちのキャラです。シンボリルドルフ、グラスワンダー、アグネスタキオン辺りは逃げ改造も容易なので候補に入ります。大逃げデバフスズカでバ群を伸ばし、逃げエースが2番手、逃げデバフが3番手について終盤は後ろに垂れながら独占力を放つ。運が良ければ垂れウマ爆弾に追込クリオグリが引っかかって、逃げエースが先頭をぶっちぎれるはずです。

この編成の問題点は、絶対的な逃げエースを作るのが難しいの一言に尽きます。そもそも、それが出来ないから追込有利な状況なのです。また、仮に追込を封じ込めても、今度はこのコースで追込と同じくらいに強い先行に勝たねばなりません。

ですから、今回逃げで勝てた方はほんとにスゴイと思います。
尊敬に値します。


・先行に期待

追込有利を覆すには前方脚質を増やすことが条件なので、逃げデバフ2でバ群を伸ばしつつ、先行エース1がその逃げをスキル発動の起点に利用して勝ちきる、それが一番現実的な戦略ではないでしょうか。

参考までに練習で撮影できたうちの追込クリオグリを倒した先行ファインモーション(レンタル)をご紹介です。デバフ専門がいないので、ほぼ純粋な力勝負を見ることが出来ます。教科書的なすごい分かりやすいレースなので参考になるはずです。

評価値はほぼ同一(UF2)、距離適性Sも持っているのでほぼほぼ同格の相手となります。他のメンバーもうちのヤエちゃんとグラス以外は全てUF↑クラスのエース格で揃えています。練習モードなのでチャンミ環境とは厳密には異なりますが、ひとつの目安にはなるでしょう。(むしろデバフが入ることで殿下はより強くなる)

レース展開としては逃げ3、先行3、差し1、追込2の構成で縦長の展開を作り、殿下が逃げを上手く捕まえて加速して逃げ切りました。うちの追込クリオグリも全ての加速スキルを発動させているので、ほぼ100点の走りをしていますが力負けしています。レース展開を意図的に創り出すことで有利な状況をきちんと発生させれば、完璧な走りをした追込クリオグリにデバフ無しで勝つことは普通に可能です。

特に今回は強い先行を作りやすいので、勝ち目自体はどの先行キャラにも平等にあると思います。あとはデバフを前(逃げ)に置くのか、後ろ(差し)に置くのかの違いでしかありません。そもそも、先行エースを勝たせるならば、バ群は伸ばした方が有利ですし、逃げデバフを踏み台にして加速した方が勝率は上がると思います。

チャンミ本戦を見ていた感じ、ここを理解していない人が多いように感じました。追込クリオグリをエースにしている私にとって、差しデバフは広まれば広まるほど有利になります。確かに追込クリオグリに勝つことは難しいかもしれませんが、何で強いのかをきちんと理解していないと、対策をしているつもりが逆効果になることもあるのです。


・追込に期待

追込で追込クリオグリに勝つ。その手段はもうひとつしかありません。追込クリオグリよりも純粋に強い追込を作りましょう。……それが出来れば苦労はしませんね。

とは言っても、追込は加速が不安定なだけでそれ以外はかなり有利なコースです。加速スキルをきちんと積んで、きちんと発動出来る状況を作り(祈り)、速度スキルもきちんと積んでいれば、最終直線で追込クリオグリを差すことは十分に可能です。それが出来れば苦労はしませんが。

クリオグリは回復スキルが複数必要な関係上、どうしても終盤の速度スキルが手薄になりがちです。それは唯一の弱点らしい弱点とも言えます。最終直線の爆発力は他の追込の方が上で、特に追込ブライアンとか追込会長はスキルが完璧に決まると信じられない速度でぶっ飛んでいきます。一度だけルムマで遭遇しましたが、アレはヤバイです。あっと言う間にうちの追込クリオグリが抜き去られました。ただし、安定はしません。

以上が、追込クリオグリの大体の倒し方です。

確かにかなりの強敵ではありますが、付け入る隙が全くないわけではないことが伝わったでしょうか。正直なところ、私がこの記事に残したかったことはそのことなのです。

レースに絶対はありません

なんで勝てたのか、なんで負けたのか、それを分析し、研究し、勝てるウマ娘を目指して育成する。そこに、このゲームの面白さがあると私は思っています。相手が強かったからと言って、思考を放棄するのは勿体ないと思うのです。

例えば、決勝戦の私のレース。

ふたりの相手からしたら、「4人がかりでデバフをぶつけまくったのに追込クリオグリを倒せないとか、クソゲー過ぎるだろ」と考えられるかもしれません。でも、私はデバフが来ることを本戦が始まる前から予想していたので、オグリだけでなくヤエノムテキも最初からスタミナを重視した育成をしています。

完全に想定内の勝利です。


スコーピオ杯雑感


では最後に、今回のチャンミ本戦で感じたことを適当に書き留めておこうと思います。適当にね。そして、長ったらしい記事に最後までお付き合いいただきありがとうございました。次のチャンミでお会いしましょう!


・スタミナ無礼すぎ

スタミナを軽視しているトレーナーさん結構いましたね。それでは勝ち負け以前に勝負の土俵にすら立てていないと思いました。勝てないデバフキャラがかわいそうと言うのなら、スタミナ600で2200m走らされる子は何なんだろう。


・なんかやたら弱いクリオグリがいた

回復スキルふたつしかないやんけ、なんでやねん!
……マジでなんでやねんッ!!


・なんかやたら弱いクリオグリがいたtake2

闘争心つけるのはおやめなさい。


・先行エース3人編成

お客様お客様お客様!!困ります!!あーっ!!!お客様!!困ります!!あーっ!!!困ります!!自キャラ同士で無駄にスタミナ削り合ってバテています!あーっ!!加速出来ずに追込の餌食になっています!!お客様!!うちのヤエちゃん巻き込まないでください!あーっ!!困ります!!


・先行エース1+差しデバフ2編成

勝ちを貪欲に狙うその精神は天晴れでござるが、後方脚質増やせばそれだけ追込が有利になるでござる。うちの追込クリオグリのサポートありがとうございます。デバフ? スピードとスタミナ上げてフィジカルで吹き飛ばせ! チキン喰ってりゃ何とかならぁ!


・ヤ〇ニンゼ〇ァーがいた

と゛う゛し゛て゛う゛ち゛に゛は゛い゛な゛い゛の゛ぉ゛お゛!!?
ウワーッ! ウ゛ワーッ!! カワイイ゛ーッ!!


・逃げ3編成

覚悟を決めてきた者達だ。面構えが違う。鬼の気配を感じる。
(え、推しウマ揃えただけの適当編成? ……すまないけど、それではノンストやアナボリの餌食になるだけです。ごちそうさまでした)


・逃げ3編成take2

覚悟を決めてきた者達だ。面構えが違う。修羅の気配を感じる。
(大逃げデバフ……逃げエース……逃げデバフ……。あ、これ、ガチでやべーやつだ。追込クリオグリ絶対殺すマンだ。下手したら負ける)


・先行エース1+逃げデバフ2編成

全く見かけなかったの何でだろう。追込クリオグリにかなり刺さる編成だし、先行エースも勝たせやすいはず。追込クリオグリ絶対殺すマンはどこへ? まあ、この編成は先行クリオグリの餌食になりがちだからかな。いや、そもそも先行エースにクリオグリを入れればいいのか? いやいやいや、それではクリオグリ絶対殺すマンとしてのアイデンティティはどこへ?


・ハロドトウ or 鳴タマがいるレース

あわわわわわ、ヤバイやつかな? ……良かったそんなに強くない。大丈夫。Oh……こっちはUF3のガチでした。これは負けるかも。……負けました!


・ヤエノムテキ

カワイイ

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