見出し画像

第4回/日本の新卒文化っておもしろい!/Nina Steenmetzさん

こんにちは!
第4回は、私が前職時代に就職活動支援をしたことをきっかけに友人となってNinaさんです。
母親が日本人だったことがあり、幼い頃から日本に親しんでいた彼女ですが、実はもともと理系だったとか。

Nina Steenmetzさん
1994年生まれ。オランダNoord-holland州Amstelveen出身。地元高校を卒業後、日本学科が有名なライデン大学に進学。同大大学院へも進学。学部時代には長崎大学、京都大学へ留学。大学院時代には早稲田大学へ留学。株式会社日立ハイテクに入社。現在2年目。

画像1

ーーーご出身のAmstelveenはどんな街でしたか?

首都のアムステルダムが近い、住宅街が広がっている街でした。日本でいうと千葉や埼玉のようなイメージです。特徴としては外国人が多い国際的な地域で、オランダの中で最も日本人が住んでいる地域とも言われています。著名な芸術家の美術館や、冬には湖が凍ってスケートができる公園などがあります。

ーーーどんな子ども時代を過ごしましたか?

結構恥ずかしがり屋でおとなしいこどもでした。外に出るというよりは、家で本を読んだり、ピアノを弾いたりしていました。ちなみに、親が「自分の身を守るために柔道を習うように」と言われて、中学生の途中までやっていました笑

また、平日はオランダの小学校に通っていましたが、土曜日は母親が日本人だったことが理由で日本人学校に通っており、当時はそれが忙しくて嫌だったけど、おかげで普通の日本人が小学生で受けるのと同じ教育が受けられました。また、毎年神戸にある母の実家には夏休みに遊びに行っていました。

画像2

ーーーライデン大学で日本語を勉強しようと思ったきっかけはありますか?

高校時代は理系の勉強をしていました。なので、理系の大学に行くことをもともとは考えていました。生物学が好きだったので、生物学が勉強できる大学を受験していました。ですが、母親からライデン大学のことを教えて貰い、唯一そこだけ文系学部だけど受験しました。

その後、実際の進路を考えるにあたって、自分の将来を思い浮かべると理系の仕事をすることがどうしても想像つきませんでした。また、高校生の時に日本へ交換留学をしようと思っていたのですが、タイミングが合わずにできなかったので、ライデン大学だと留学ができるということは魅力的に感じました。

ーーーライデン大学での生活はどのようなものでしたか?

大学・大学院と6年間在籍したのですが、そのほぼ半分(2年半)の期間を日本への留学で過ごしました。高校までも自分のルーツや日本への関心について周囲に話すことはあったのですが、あまり同じ興味を持ってくれる人はいませんでした。ですが、日本語学科に入ったことで周囲に同じ興味関心の友人ができてとても居心地が良かったです。

また、様々な経験をしたいと想い、ライデン大学では日本と韓国の文化を学んだりイベントをしたりするサークルで活動していました。長崎大学では以前からできるようになりたかったクラシックギター部に入って、本格的な演奏会も経験しました。京都大学ではよさこいサークルに入って地域のお祭りなどで披露することもありました。早稲田大学では早稲田祭の運営を行うサークルで活動しました。

画像3

ーーーかなり充実した学生生活だったようですね。その後の日本での就職は自然な流れだったんでしょうか?

大学院生となり、日本で働くのか、オランダで働くのかを考えるようになりました。早稲田大学へ交換留学している時に、就職活動をやってみたのですが、そこで日本の就職活動のユニークさを知りました。オランダだと、自分が勉強してきたことしか就職先でもできないですが、日本の新卒文化は勉強にとらわれずにいろいろな経験ができると知り、オランダではできないことを日本では経験できると感じて最初のキャリアは日本がいいと思い選択しました。

様々な業界の企業について調べ、その中で興味を絞っていきました。特に留学生や外国人向けの企業説明会を中心に参加しました。一度だけ、日本人向けの合同企業説明会にも参加したことがあるのですが、日本人たちに圧倒されて、この中で自分が選ばれるイメージがつきませんでした。そこで、少人数の留学生向けのイベントへの参加に絞りました。就職活動では、興味関心のある分野に加えてグローバル性のある企業であることを大事にしました。社員の方とお話することを通して、自分と感性が合うかということも大切にしました。

株式会社日立ハイテクは、グローバル性があって、仕事内容も最先端の商品やサービスを取り扱っていたので、自分の勉強していた内容と最もかけ離れていたので、まさに日本じゃないと経験できないキャリアだと感じました。また、応募していた会社の中で唯一面接の半分が英語で行われ、準備していなかった分ありのままの自分で受け答えができました。そんな私を受け入れてくれたので、この会社であれば自分らしく働くことができそうだと感じて入社を決めました。

ーーーいまはどんな仕事をしていますか?

海外営業の部署に入りましたが、最初は国内営業で経験を積むように言われて、東京や神奈川のお客様に電子顕微鏡を販売しています。最初は驚きましたが、日本企業には良くある話だと聞きました笑

将来的には、海外メーカーが強い欧州市場でのシェアを増やしていきたいので、そこでの活躍を期待していると言われています。

画像4

社会人になってみて、学生との違いに戸惑いました。また、新型コロナウイルスの影響で、もともと思っていた日本での社会人生活が大きく変化して、苦労しました。ですが、いまは学生時代だとまったく関わりがなかった研究者や最先端の分野の開発に関わる人たちと出会うことができ、最先端の技術や情報に触れることができてとても楽しく感じています。学生時代には社会人に対して全然イメージが沸かなかったのですが、社会人ってすごいなと大人へのリスペクトが生まれました。

私がオランダ人だからというのもあるのか、みんなと違うことを期待されることがあります。よく上司からも、「Ninaさんの視点で何かください」と言われて困ってしまうことがあるのですが、自分らしさとは何か悩みながらいま探しているところです。

ーーーすごく順風満帆なストーリーに感じるのですが、日本での生活で大変だったことや乗り越えたことってありますか?

オランダと比べるとどうしても日本人は働き過ぎなのでは、と感じることが多いです。残業が多かったり、ワークホリック的な感じで仕事が好きな人が多いなと感じます。自分はワークライフバランスを大事にしたいので、そういう方々に囲まれて働いているとオランダとの価値観のギャップを感じることもあります。

また、いまは新型コロナウイルスの影響で日本に来てから一度もオランダに帰国できていないので、このストレスは本当に大きいです。早稲田大学に留学していたので、東京に友人が多くて、これは非常に救いになったと思います。同僚の外国人で全く知り合いが東京にいない人は、社内関係が全てとなってしまっており、とても苦しそうに感じます。外国人にとって地域でコミュニティを作るのは難しいと感じます。

ーーーこれからやりたいことはありますか?

直近では、同期と全然集まれてないんですよね。リモートワークになって心が離れていると感じます。普段、私はリーダーシップを発揮するタイプではないんですが、あまりにもやりたい気持ちが強いので、今回は呼びかけようと思います。社外でも、最近会えていない友達とかとも話したいと思いますし、他の仕事をしている人と話すことは大切だと思うのでぜひ積極的にしたいです。オランダ大使館のイベントとかもあるので、積極的に参加して在日オランダコミュニティにも参加したいと思います。

将来は、まだ漠然としていますね。目の前の仕事が楽しくていまは一生懸命取り組んでいるので想像ができないですが、いろいろな可能性を考えたいと思います。日本に来てからよく「ずっと日本にいるの?」とか「いつか帰るんでしょ?」とか本当によく言われるんですが、それは人生どうなるかわからないし、もしかしたら第三国に行くかもしれないし、それはわからない。とりあえずは永住権をもらえるくらい頑張って日本で働いていきたいと思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?