昨日の続き
私ドイリー編んでるの。
あなた欲しかったりする?
そう言ってきたのはワンブロック離れたところに住むフランカである。
夏場は湖のビーチで顔見知りだった。
ある日うちの湖畔の家にやって来たフランカは
ジェイがね、中を見せてくれたことがあったわ。
そう懐かしそうに言った。
フランカは夫ジェイが越してくる前から湖畔の住人で、ジェイが古い家を壊し、自分の手で建てていく様子を近所で毎日見ていたというわけである。
キッチンを見て
このカウンターはまだなかったわ
床のタイルも
ということはジェイが招き入れたというのはもう8年以上前の話である。
夏場にドイリーの話が出て、それから度々フランカはドイリーを持って私を訪ねてくれるようになった。
私がドイリー好きなことが分かったからである。
あなた用に丸いのも作ってみるわ。
私が丸テーブルに合わせたドイリーはないかと聞いたのである。
あなたが帰国してる間に編んでおくから。
そうして私に目配せして
香港だったわね?
いいえ日本です。
フランカにとって
私の出身は
あのあたりの島
という認識だったのだろう(笑)
フランカが帰っていくと
少し前に仕事から戻っていた間借り人のEが
誰?すげ~おしゃべり
でっけ~声が家中に響き渡ってたぜ
なんせフランカが
ジェイがうちの夫に、彼女のおしゃべりは止まるときがあるんですかって聞いたのよ。
そしたら夫は
止まるとこなしですって。
と自認するほどである。
そんな元気でおしゃべりフランカにまあるいドイリーを作っておいてもらうことにした。
どんな風に出来上がるのか楽しみである。
一時帰国が近づいて
友人たちが
ランチに招待してくれたり
クリスマスカードを持ってきてくれたりする。
うれしいけれど
心の中が
ちょっと
しんとする
またすぐこの地に戻るとわかっていても
いつか将来
この地と今生の別れをしなければならないときが来るかもしれない、
そう考えただけでいたたまれなくなる。
慣れ親しんだ土地を後にするということ
空港へのウーバーは
ピックアップトラックだった。
友人が時折、旦那さんのピックアップトラックでやって来ることもあって、最近その助手席に乗り慣れてきた私である。
トロント・ピアソン空港は快晴。
ちょうどお昼に発って
到着した東京の空は暮れなずんでいた。
あ、日付は一日分進んでますけど。
地球の自転方向と逆行して飛行してきたにもかかわらず(笑)
湖畔の家に残して来た子どもたちが
ちょっと気がかりである。
そして
東京に着いたとたん
気持ちがせわしくなる、なぜか(笑)
東京での今日はカナダでの昨日の続きにすぎないはずなのに・・
ただいま、日本。
日本とカナダの子供たちのために使いたいと思います。